身体を正しく使う。腰痛を防ぐための腹筋・背筋の全身運動

最終更新日:2022/06/29

文明の進化によって、様々な便利な産物が生まれています。

自動車・新幹線・飛行機・パソコン・スマホといった1世紀前では考えられないような物が次々と生まれる時代です。

その反面、それらにより体調を壊している方も多くみられるのが現状ではないでしょうか。

特にパソコンやスマホを長時間行うと姿勢が乱れて、腹筋と背筋の筋バランスが崩れ、腰痛を抱えてしまうなんてことも頻繁にお話を聞きます。

ここではそんな方々の悩みに応えるべく腰痛に対する考え方とエクササイズ方法をご紹介いたします。

コンディショニングで腰痛は改善するか

「事務仕事での最中に腰痛がひどくて集中できない」
「1日中立ちっぱなしの仕事で、仕事終わりにはかがむことができない」
「朝起きた時の起き上がりにピキッと腰が痛む」

メールや電話で「このよう症状改善しますか?」という問合せが非常に多く感じます。
その際に「もちろん改善効果は見込まれますよ」と私はお伝えします。

我々はPNFをベースに神経伝達を促進する手法と、東洋医学の季節に生じる様々な症状の改善を行っております。

これまでも実際に多くの患者様から肩こり、腰痛が改善したというお声を頂いております。

腰痛の大きな原因は腰椎周辺から下半身にかけての筋肉のコリや柔軟性の少なさにあると考えております。よく腹筋と背筋のバランスが悪いと言われる場合もありますね。

PNFで低負荷で効率よく筋肉を動かすことで、コリが緩和されて、可動域も広がっていくので腰痛が改善されるといえます。

更に、春であれば肝臓と胆のうのツボ。夏であれば心臓と小腸のツボ。晩夏であれば脾臓と胃のツボ。秋であれば肺と大腸のツボ。冬であれば腎臓と膀胱のツボに効果的に圧を入れたり動かしたりすることにより全身の気が流れ、コリの緩和や可動域の向上に良い影響を与えます。

コンディショニングで腰痛の予防が可能か

PNFはセラピストによる抵抗負荷運動ですのでお客様や患者様にとって汗をかくくらい軽い運動にもなります。

最近は特に身体の痛みに対して最大の要因とされている「ストレス」を解消することにも役立ちます。

施術者と一緒にトレーニングをすることでコミュニケーションもとれ、気持ちよく腰痛の予防改善が見込まれます。

PNFはインナーマッスルという深層筋にアプローチが可能です。

スポーツジムなどで行われるマシントレーニング・ウエイトトレーニング・有酸素マシンでアプローチできない箇所です。

チューブやバランスボールといった各種器具を使用してのトレーニングはお客様にとって最適な負荷がかけられないため、深層筋のレベルアップには困難と考えられております。
逆に言うとお客様一人一人の筋力は異なりますので、最適な抵抗をかけるというのは、それだけ施術者の技術が求められる手技でもあります。

深層筋は身体の深い所にある筋肉群です。比較的細く骨と骨を繋ぐ筋肉でありダッシュ系や瞬発力を向上させる筋肉とも言われております。

「腹筋が瞬発力を鍛える筋肉なのでたくさん鍛えましょう!」などと間違った知識が充満しています。何が正しいのか身を以て体感してください。

表層の筋肉と深層筋のバランスを鍛えることで、腰痛の予防効果が見込まれるのです。

地球上で立つためには腹筋と背筋が必要

腹筋と背筋は姿勢を維持するためにも必要な筋肉となります。

重力による抗重力筋作用が働く際に、この二つは対になって働いている箇所です。

地球上で立つ動作を行うことは腹筋と背筋のバランスが正常でなければ綺麗に立位の姿勢を保つことができないのです。

横からの姿勢を見ると耳たぶ・肩関節の肩峰・股関節の大転子・足関節の外果が一直線になっているかどうかで、全身の筋肉のバランスが整っているか一目で見ることが可能です。
もちろん正しい姿勢で立っているということは、大脳を含んだ頭部の重みを背骨で上手に分担して支えていることになり、腰痛になるリスクは非常に低くなります。

腹筋と背筋にだけに限らず、前脛骨筋と腓腹筋・ヒラメ筋のバランス。ハムストリングと大腿四頭筋のバランス。大腰筋と殿筋群のバランス。上腕二頭筋と上腕三頭筋のバランス。

ふと考えただけでもこれらの筋肉は対になって身体を動かしているので、バランスよくエクササイズして鍛えてあげなくてはならないのです。

このバランスが崩れた時、運動パフォーマンスの低下・故障リスクの高まり・古傷の痛みを抱えてしまう方々が非常に多いようです。

是非、どこかの筋肉を徹底的に行うエクササイズではなく、全身をバランスよく鍛えるエクササイズの方法を推奨いたします。

腹筋を正しく鍛え腰痛改善

コンディショニングで腹筋をバランスよく鍛える考え方をお伝えしたいと思います。

腹筋は真ん中の上下、左右斜めの上下、そして両サイドと、8種類くらいにわけてトレーニングすることができます。

また、太ももからお腹にかけてのインナーマッスル(腸腰筋)へのアプローチも加えていくと、さらに多様になってきますので、さまざまなパターンで行うことができます。

まずはお腹の横の筋肉へのアプローチから始めます。

ターゲットになる筋肉は腹横筋や腹斜筋です。これらの筋肉は、腰から脇腹にある筋肉ですから、これらが細く締まることで、くびれの形成にかなりの効果があります。

次に腹筋運動を行います。これに軽い負荷を加えることで小さな動きでも十分に腹筋に刺激を入れることができます。

アプローチする筋肉は、基本的にはお腹の真ん中の筋肉である腹直筋ですが、この筋肉はみぞおち辺りの肋骨から骨盤下部の恥骨まである、意外と長い筋肉です。

皆さんが割って嬉しい腹筋は、本来の長さのほんの一部。おへその辺りがちょうど中間地点だと思ってください。

それだけ長い筋肉であって、動作や負荷をかける位置によって、働く位置やそれと連動する周辺の筋肉に違いが出ます。

最後にお腹の斜めの引き締め動作についてです。

ターゲットになる筋肉は腹斜筋という、いわゆる脇腹の筋肉です。

これが弱っていると、くびれが消失してしまうことになってしまうのです。

逆にこれを活性化させ、細く締めることができればお腹がおへそに向かって絞られ、美しくくびれるのです。

また腹斜筋は、体幹部を斜めに曲げるために必要ですし、立っている時にもお腹を引き締めて腹圧を高めているので、腰痛の予防改善にもなります。

腹筋と背筋をバランスよく鍛えての腰痛改善

上記で腹筋を正しく鍛えることができました。最後に背筋を絡め全身を連動させ、腰痛を改善していく考え方をご紹介いたします。

ここで関連してくる筋肉はやはり広背筋です。

この広背筋と腹横筋・腹斜筋・腹直筋をどう連動させるかです。

一番簡単な方法は赤ちゃんが行うハイハイの動作をダイナミックに行うことです。この動作は動物で言われる四足歩行の動作になってきます。

重力を全身で適度に受けながら効率的に行うと、素晴らしい運動効果が見込まれます。

一つだけ気をつけないといけないのは、必ず前足(手)から動かしてそれから後ろ足を動かします。

一般の方がハイハイの動作を行うと後ろ足から動かした後に前足(手)が動いてくることが多分に見られます。

PNFでいうと神経伝達を逆なでする動きになってしまうので腰痛改善の効果が薄れてしまいます。

正しくハイハイを行うことにより広背筋・腹横筋・腹斜筋・腹直筋が連動し腹筋と背筋がバランス良く備わり、腰痛の予防改善とつながっていくのです。

まとめ

人間が進化を遂げるにあたり、姿勢は高くなってきています。

それに伴い姿勢を維持することができずに腰痛や肩こりになり、エクササイズの方法も発展しているのかもしれません。

腹筋・背筋をはじめ、対になってくる筋肉のバランスを効率よく鍛えることによって、姿勢を維持することは難しくなく腰痛・肩こりを予防・改善できると考えております。

PNFによる抵抗負荷トレーニングとハイハイトレーニングをお試しください。

今あなたが抱えている悩みが無くなるヒントになると思います。

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