筋肉質でたくましい体にすることは、難しいのでしょうか?
実はそんなことありません。
普段は忙しく運動ができなかった方でも、効果的な方法を身につけて実行すれば、一定の期間で立派な体づくりができます。
ここでは、「筋肉を5キロ増やす」という具体的な目標でプランを立て、その達成に向けた練習方法や生活上の注意点を説明します。
たくましい体づくりに、今日からあなたも一緒に取り組みませんか。
筋肉を増やすメリットと仕組み
取り組みを始める前に、筋肉を増やすメリットや筋肉が増える仕組みについて考えてみましょう。
まず、筋肉を5キロ増やすメリットですが、体の筋肉量が増えると平均体温が上昇し、免疫力の向上に繋がります。
同時に基礎代謝も上がります。
この基礎代謝とは、体温を調節したり内臓を活動させたりするなど、人間が生きていく上で必要なエネルギーのことを言います。
この基礎代謝が上がると、体のエネルギー消費量も増えるため、余分な脂肪がつきにくくなります。
すなわち筋肉を増やすことで、太りにくく抵抗力のある体に変えることができるのです。
次に、筋肉が増える仕組みですが、筋肉に運動の刺激を与えると、成長ホルモンや成長因子と呼ばれる物質が体内に放出され、タンパク質を合成して筋肉を作っていきます。
運動により筋肉は疲労・損傷しますが、特に損傷部分を治す過程で、タンパク質の合成能力が高まり筋肉は著しく成長するのです。
これは、刺激により疲労・損傷した筋肉が、次に同じ程度の刺激を受けても順応できるよう、筋肉をより強くしておこうとする作用が働くためです。
このような人間の環境への適応能力により、運動を行うと筋肉が増えるのです。
「筋肉を5キロ増やす」プラン達成のため必要なものは
次に、筋肉を5キロ増やすために、何が必要かについて考えましょう。
筋肉を増やすために必須のものは、運動、栄養、休養の3要素です。
まず運動ですが、筋肉に一定以上の負荷をかける運動、すなわち筋力トレーニング(以下、筋トレと表記)を行うことが必要です。
これは、運動の過程で筋肉にある程度の疲労・損傷を起こさせ、成長ホルモンや成長因子の放出をうながすことが重要だからです。
また、栄養面では、筋肉の成長を促進させるタンパク質の摂取が必要です。
具体的には、肉、魚、卵、納豆などを中心とする食事ということになります。
ただし、栄養が偏らないようバランスを考え、野菜なども欠かさないように一定の配慮が大切です。
休養では、睡眠不足を避け、またオーバーワークにならないよう、筋トレの間隔設定も重要です。
これら運動、栄養、休養の3要素は、その中のひとつでもおろそかにすることはできません。
「筋肉を5キロ増やすプラン」の骨子
次に、プランの骨子を作っていきましょう。
プランの骨子は、目標、スケジュール、実施場所、実施方法、トレーニングの道具などです。
まず、プランの目標は、すでに「筋肉を5キロ増やす」と立てています。
次にスケジュールですが、あまり短いと目標達成ができず、逆に長すぎるとやる気や緊張感の維持が難しいため、「6か月程度」の期間設定とします。
そして、6か月を数区画に分割して、次第にトレーニングの質や量を上げていくようにしてください。
その設定のやり方は、各人が体力に応じて決めていけば良いでしょう。
実施場所は、ジムに通わず、自分の好きな時に取り組みができる「自宅」とします。
実施方法は、「運動、栄養、休養」の3本立てでしたが、この中の運動は、筋肉に一定以上の負荷をかける筋力トレが主体です。
最後に、トレーニングの道具ですが、ほとんどの方がバーベルや筋トレ用のマシンなどは自宅に持っていないと思われます。
そこで、筋肉に負荷をかける道具として、「リュックサック」を提案します。
リュックサックに本を詰め、冊数で重さを調節します。
これを背負ったり、両手で持ち上げたりして運動するのです。
これでプランの骨子ができました。
「筋肉を5キロ増やす」プランその1【運動】
まず大腿筋のトレーニングでは 、スクワットを取り入れると良いでしょう。
バーベルの代わりに本を詰めたリュックサックを背負い、足の屈伸を行います。
大胸筋のトレーニングでは、腕立て伏せが有効です。
ここでも、負荷をかける道具として、リュックサックが便利です。
また、リュックサックを両手で持ち、低い位置から腰を伸ばしながら持ち上げる運動は、背筋を鍛えるのに有効です。
運動回数は、体の1部位につき数回程度を1セットとし、休憩を挟みながらそれぞれの部位で数セット程度行います。
筋トレは、筋肉を5キロ増やすため一定の負荷をかけて行いますが、具体的には、筋肉が全力を出して1回持ち上げられる重さの70%以上の負荷が最も効果的とされています。
したがって、はじめの1~2か月が経過し、体が筋トレに順応して力がついてきたら、徐々に重い負荷をかけるトレーニングに移行してください。
併せて、無駄な脂肪をとるための腹筋や跳躍運動なども取り入れ、全身各部位の筋肉をバランス良く鍛えることが大切です。
「筋肉を5キロ増やすプラン」その2【栄養と休養】
次に、運動以外の要素である栄養と休養について説明します。
まず食事ですが、筋肉を5キロ増やすためには、タンパク質が豊富な食材を中心とするメニューにしましょう。
ただし、タンパク質だけ摂れば良いというワケではなく、栄養が偏らないよう野菜やご飯、みそ汁など、総合的なバランスを考慮することも大切です。
体質的に小食の方は、タンパク質が効率良く摂取できるプロテインなど、サプリメントを利用する方法を取り入れると良いかもしれません。
また、特にトレーニングを行っている時は、脱水症状に陥らないよう、こまめな水分補給に気をつける必要があります。
次に休養ですが、1週間に何日筋トレを行うか、すなわちトレーニング間隔をどう設定するかという問題があります。
筋肉は、トレーニングで損傷すると、2~3日かけて回復すると言われています。
したがって、このことを踏まえてトレーニング間隔を設定すると、週に3回程度のトレーニングサイクルが適当かもしれません。
なお、筋肉が回復しないうちに筋トレを行うと、オーバーワークで効果が半減してしまうことに気をつけてください。
さらに、日常生活では、夜更かしを避けて睡眠を十分にとるなど、体をゆっくり休ませることが大切です。
「筋肉を5キロ増やす」プラン達成のための注意事項
ここでは、「筋肉を5キロ増やす」プランを成功させるために、注意すべき点を説明します。
まず体のコンディションですが、自分の体調には常に気を配り、睡眠不足や体調不良だと思う時は無理をせず、トレーニングを休むようにしましょう。
次に、トレーニングを行う場合は、準備なしで開始するのではなく、ウォーミングアップを行い体を温めてから始めるようにしましょう。
体が冷えて硬い状態で、いきなり重いものを持ち上げたりすると、怪我をしたり体を痛めたりする危険があります。
また、重いリュックサックなどを使う場合は、正しい姿勢で使用する必要があります。
背骨を曲げた状態の悪い姿勢や不安定な格好で行っていると、怪我や故障の原因となります。
筋トレでは、重量がある道具を扱うため、常に細心の注意を払うことが必要です。
たくましい体を手に入れ、心も体も健康に!
筋肉を鍛えてたくましい体を作れば、運動能力が伸び、体が丈夫になるメリットがありますが、決してそれだけではありません。
体がたくましくなるにしたがって、心も強くできるのです。
自分に自信を持てるようになり、気持ちにも余裕が生じて小さなことに動じなくなります。
この成果こそが、体づくりを行う最大のメリットだと考えられます。
これを機会に、「筋肉を5キロ増やす」プランに取り組んで、より心も体も健康になれるよう一緒に頑張りましょう。