年を重ねるごとに、腰が曲がってきたような気はしませんか?
若いころと比べて、背すじを伸ばすことが難しくなってはいませんか?
腰が曲がるのが悩みという高齢者は実際に多くいます。
老人で腰が曲がる人には何か原因があるのでしょうか。
老人の腰が曲がる原因や対処法をご紹介します。
骨が原因で、老人になってから腰が曲がる
姿勢が悪い、猫背の人は腰が曲がりやすくなります。
何故かというと骨盤の下側が前に出るためだと言われます。
若いときからの、普段の姿勢が年を取ってから腰が曲がってしまう原因にもなります。
老人でよく見られる腰の曲がりは、骨粗しょう症で骨がもろくなり、気付かないうちに圧迫骨折をしてしまっているケースもあります。
その場合は、骨の椎体と言われる部分の前の方がぺしゃんこに潰れてしまいます。
腰を伸ばしたりすることができなくなって腰が曲がってしまいます。
老人になると腰痛が普通の状態になっていることが多く、痛みがひどくなりレントゲンやMRIで初めて圧迫骨折と診断される場合も珍しくありません。
老人の腰が曲がるのは、筋力の衰えと腰痛が原因です。
高齢になると身体のいろいろなところが衰えてきます。
骨や筋肉もその一つです。
腰痛を防ぐには、腹筋と背筋を鍛えることが必要と言われています。
姿勢を保持するのにもこの筋肉が必要になります。
また、女性は閉経とともに女性ホルモンが少なくなり、骨にカルシウムが取り込まれる量が少なくなり、作られる量も少なくなります。
その為に、骨がスカスカになってしまい、少しの衝撃や、少しの段差を踏み外しただけでも骨折の原因になります。
その為に、閉経前からカルシウムを多く摂り、運動をしていくことが大切です。
腰が曲がることで体に様々な悪影響を及ぼす
腰が曲がってしまうと日常生活でも不便な事が多く出てきます。
身体を起こせなくなるので、高い所に手が届かなくなります。
これは、肩甲骨や肩の関節の動きが悪くなるのが原因です。
腰が曲がると、腹部を常に圧迫して言う状態になります。
そのために、腹筋が十分に使えなくなってしまいます。
胃も圧迫されてしまうために食欲低下や逆流性食道炎を起こしてしまいます。
心臓に関係する血管を圧迫してしまうので、血流も悪くなります。
また、視線がどうしても下向きになってしまい体のバランスも悪くなり、転倒しやすくなります。
老人が腰が曲がる姿勢でいると、転倒したときも体を支えにくくなります。
他にも、自律神経にも影響を及ぼして頭痛、眩暈などの起こす原因になります。
このような原因がいろいろ重なり、動くのが大変になり、運動量が減り筋肉や骨密度が低下してしまいます。
トイレや椅子からの立ち上がり、トイレ動作などが大変になり日常生活にも介助が必要になってきます。
骨折などをすると寝た切りになる可能性が高くなり要介護のレベルになる可能性が高いのです。
この悪循環を「ロコモーティブシンドローム」といいます。
欧米では、腰の曲がる老人は少数
欧米の老人をみると腰が曲がっている人は少ないように思えます。
日本の老人は何故、腰が曲がる人が多いのでしょうか。
それは、食べるものと生活習慣の違いと言えると思います。
特に、現在老人と言える方々は、戦前後の苦しい時代を生きてこられた方たちです。
栄養以前に空腹を抱えて毎日を過ごしてきた人たちなので、満足に栄養も摂れていません。
また、男女問わず肉体労働をしてきた人たちです。
今の様に牛乳などもなくカルシウムも摂れていません。
他には、欧米ではミネラル豊富な水をよく飲まれている為という話もあります。
ミネラルが豊富な地方の人は虫歯も殆どないといいます。
カルシウムが多く含まれている水を飲んでいることで、骨がしっかりと作られエナメル質も丈夫なのですね。
また、骨折する人も少ないかわりに、結石を発症する確率は多いようです。
椅子と正座の生活習慣の違いも関係しているのではないでしょうか。
今でこそ、椅子の生活スタイルは定着していますが、昔は畳に正座が普通でした。
背もたれなどもないので、どうしても前傾姿勢なってしまうのも原因にあると思います。
欧米人は骨粗しょう症になりにくいから腰が曲がる人が少ない?
日本の老人は若いときの栄養状態が悪いために腰が曲がりやすくなっているといいます。
それよりも大きな原因は老化というのが正しいかもしれません。
もちろん畳や正座の生活様式も関係はしています。
欧米人に腰の曲がっている人が少ないのは、ホルモン補充療法を受けているからという人もいますがこれは違います。
この治療を受けている人は、比較的金銭面に余裕のある欧米白人の30%しかいないからです。
逆にいうと日本でみかける欧米人の高齢者は富裕層なのでこの中に入っているのかもしれません。
だから、腰を曲がっている人を見かけないというのもあるかもしれません。
実際には欧米でも腰の曲がっている人は多くいます。
映画でも腰の曲がった老人は生活に余裕のないイメージがあります。
カルシウムの含まれた食品を十分に摂れないと欧米人でも腰が曲がるようです。
近年、若い人でも骨粗しょう症が増えているそうです。
「若年性骨粗しょう症」「更年期障害」と呼ばれています。
現代病ともいえるストレスや偏食が原因と言われています。
今は、自分の好きな物しか食べなかったり、不規則な生活をする若者が多くなっています。
魚や野菜をあまり摂らなくなっています。
骨を作ったり、ホルモンバランスを整えるためには規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事が大切です。
骨を丈夫にするためには、日光を浴びたり運動を毎日することも必要です。
老人になって腰が曲がるのを防ぐには運動が大切
老人になっても腰が曲がらないようにするためには、腹筋背筋を鍛えることが必要です。
そこで日常でできるトレーニングの方法をご紹介します。
買い物などで外に出かけるときにはリュックサックに500mlのペットボトルをいれて歩きます。
ペットボトルの重さで負荷がかかり背中が伸びます。
リュックサックの背中に雑誌を入れても背中が真っすぐになります。
重たくない薄めの雑誌がちょうどいいです。
リュックサックは両手が使えるので、転倒時も手で支えることができ、ペットボトルに水分を入れると途中で水分の補給もできるので脱水予防にもなります。
ただ、腰痛や腰が曲がる原因は、いろいろあり腹筋や背筋運動で悪化することもあります。
腰痛などあるときは、整形外科で正しい診断をうけてから行うようにしてください。
腰や背中に異常がない人は、両ひざを立てて腹筋運動を行う事をお勧めします。
意識を自分のおへそに集中すると効果があります。
急激に行なうと負担がかかるので無理のない程度にゆっくりと始めていくのが大切です。
運動やストレッチの他に、老人になって腰が曲がるのを防ぐためには
老人になったときに腰が曲がるのを防ぐためには運動は大切です。
他にも予防できることがあります。
腰が曲がる老化現象を抑えることです。
老化現象を抑えるのに効果がある食べ物として、よくセサミンが言われています。
セサミンは黒ゴマに多く含まれています。
セサミンは活性酵素の働きを抑える働きをします。
活性酵素は外から体の中に入ってきた細菌を殺す働きをしてくれます。
けれど活発になりすぎると身体の他の細胞も攻撃してしまうので老化の原因になってしまいます。
セサミンを手軽に摂れるのはサプリメントがお勧めです。
併せて普段からゴマを食べるようにすると効果があります。
また、カルシウムが不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。
日本人は牛乳の摂取量が多い欧米人に比べるとカルシウムの摂取量が少ないといいます。
乳製品、大豆製品、ヒジキなどを積極的に摂るようにしていきましょう。
チーズやヨーグルトなどは料理をしなくても手軽に摂ることができます。
老人になると腰が曲がる?老化現象?原因とその対処法 まとめ
腰曲がりにサプリメントやカルシウムが効果的とは意外だと思う方も多いのではないでしょうか。
老人になって腰が曲がってしまったら、「加齢のせいだ」と放置せず、まずは病院で診てもらい、お医者さんにアドバイスをもらうといいかもしれませんね。
そして若いうちに簡単な運動をすることで、老人になってから腰が曲がる対処法になるので、普段から健康に気を付けて過ごしたいですね。