朝起きたら突然耳が聞こえなくなっていたり、音や声などが聞き取りづらくなったことはありませんか?
日常生活や何らかの病気によって、耳に異常が起きていることが原因かもしれません!
難聴は目に見えません。
誤解されたり、無視されたりすることさえあり大変な苦労があります。
耳が聞こえない人の悩みを知って、耳が聞こえてしゃべれる私たち健常者ができることを考えてみませんか?
耳が聞こえない、聞こえにくくなる原因
耳の中には皆さんも知っている通り、耳垢と呼ばれているものがあります。
耳垢とは、耳の外耳道の皮脂腺や耳垢腺から出る分泌液とはがれた角化表皮細胞や髪の毛などが混ざったものです。
耳垢は顎を動かすことによって自然に外へ排出されてしまいます。
しかし、中には排出されにくい人もいます。
湿性耳垢の人や汗をかきやすい子供は耳垢が排出されにくいです。
また、外耳道が狭い人も耳垢がたまりやすくなります。
耳垢が排出されず、詰まってしまうと、難聴になって耳が聞こえなくなったり、閉塞感を覚えたり、耳鳴りを感じたりします。
また、喉の違和感や吐き気を感じる人もいます。
だから、耳掃除は定期的に行った方が良いのです。
しかし、耳掃除も強くこすりすぎたり、頻繁にして傷をつけてしまうと、細菌などに感染して外耳炎などの炎症が起こってしまいます。
また、耳垢を奥の方に押し込んでしまわないように気を付けましょう。
さらに、耳はデリケートに出来ています。
ヘッドフォンなどで大音量の音を聞くと、耳の蝸牛という部分に障害が起きてしまいます。
ヘッドフォンだけでなく、ライブやコンサートなどで連続して大きな音で聴いている場合も同じような障害が起きます。
これを「音響外傷」と言われます。
ほとんどの場合は一過性の症状で、しゃべれる状態ですが、次の日になっても音が聞きにくくなる場合もまれにあるので、気を付けましょう。
病気が原因で耳が聞こえない、聞こえずらくなる場合も?
しゃべれるのに、耳が聞こえない、聞こえにくいといういわゆる難聴のような症状が出る病気がいくつかあります。
・中耳炎
中耳炎は急性のものと慢性のものがあります。
原因は両方同じで、細菌やウィルスによる感染です。
特に、風邪をひいた時に起こりやすく、生後6カ月から2歳くらいの小さな子供に多く見られます。
耳の痛みや閉塞感、耳垂れなどの症状が出ます。
・耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)
「耳管」の機能が低下してしまう病気です。
「耳管」とは、外の気圧と中耳の気圧を調節する役割を持っています。
気圧の調節がうまくいかないと、鼓膜が内側に引っ張られるようになってしまい、耳がふさがってしまいます。
そのため、音や声など聴きづらくなります。
・突発性難聴
原因不明で、突然耳が聞こえなくなる病気です。
どちらかの耳に閉塞感を感じたり、めまいを感じたりします。
前触れなく起こるので、とても恐ろしい病気です。
・メニエール病
この病気も原因がはっきり分かっていません。
ぐるぐると回転するようなめまいや乗り物酔いのような吐き気、耳鳴り、難聴などの症状があります。
この病気のめまいは一度起こるだけではなく、何度も繰り返し、突然起こります。
耳が聞こえない人が感じていることとは?
耳が聞こえない人は、相手の話していることを理解しようと努力しています。
決して、相手の事を無視したり、理解できないわけではありません。
耳の不自由な人は相手の話している言葉がとぎれとぎれにしか、分からないのです。
その途切れた部分を自分の中で補充して相手が言ったことを想像しているのです。
想像している時間が必要なため、相手に返事するのがどうしても遅れてしまうのです。
また、想像したことと相手の言ったことがずれていることもあるので、会話がうまく続かなかったり、空気が読めていない感じになったりしてしまうのです。
そこで、補聴器をつければいいのではと言う意見もあるかと思います。
しかし、補聴器は眼鏡やコンタクトレンズのように、はっきりとした世界に連れて行ってくれるわけではありません。
眼鏡やコンタクトレンズを使えば、視力の悪い人ははっきりと見えるようになるでしょう。
でも、補聴器は相手が話している声だけを強調するわけではありません。
周りにある音すべてを大きくしてしまうのです。
雑音まで大きくしてしまうと、相手の話していることがより一層聞き取りにくくなってしまうこともあるのです。
だから、耳の聞こえない人は話している人の唇の動きを読み取ろうとします。
耳から聞こえる情報、唇の動きを合わせ、相手の言いたいことを理解しようとしているのです。
耳の聞こえない人はしゃべれるし、しゃべりたいのです。
だから、少し時間を下さい。
耳も聞こえてしゃべれる人に知って欲しい!耳が聞こえないことの悩み
耳が聞こえない人の悩みはたくさんあります。
例えば、聞くことについてですが、マイクやスピーカーなどを通して聞こえる音はオリジナルの音ではないから聞き取りにくかったり、母音が同じ言葉、例えば「卵とタバコ」などは判断しづらかったりします。
また、大勢の人がしゃべっていると、誰が何を言っているのか分かりづらかったり、非常ベルや電話の音が聞こえなくて困ったりします。
耳が聞こえる人や普通にしゃべれる人にとっては感じることのない自分の子供の言語発達の心配もあります。
自分の発音している言葉を覚えてしまうと子供が本来の言葉を覚えられないのではないかと考えてしまうのです。
それに、電話の応対が出来なかったり、コミュニケーションをうまく出来ない気がして就職をすることも消極的になってしまいます。
外見では聴覚障害者だとわからないので、知らない人とのコミュニケーションがとりづらく外へ出るのが気が引けることも多いです。
たとえ、外出できても、困ることがあります。
車の接近に気づかず怖い思いをしたり、交通機関の遅延情報が分からなくて、右往左往したりします。
天候によって、体調が悪くなったり、方向感覚が鈍い人もいます。
耳が聞こえない人の悩みは本当に限りなくあります。
耳も聞こえてしゃべれる健常者とのコミュニケーションに関しての悩み
耳が聞こえる人と聞こえない人とのコミュニケーションの取り方についても困ることがあります。
まず、聴覚障害の事を分かってもらっていないことが多いことです。
呼ばれても気づかないでいると、無視されたと思われたり、何度も相手の言ったことを聞き直すことによって、相手が不快に感じてしまうことがあります。
また、補聴器をつけているのだから、聞こえているはずだと思われてしまうこともあります。
補聴器はいろいろな音を拾ってしまうので、相手の言葉ではなく、雑音が入ってしまうと、聞き取れないということを分かってもらえていないのです。
それに耳の聞こえない人は、話している人の唇の動きをみて相手の言葉を理解しようとしていることがあります。
その時に、マスクをしていたり、違う方向を向いてしゃべっていたりすると、唇の動きを読み取ることができないため、相手の言っていることが分からなくなってしまいます。
このようなストレスを繰り返すことによって、耳が聞こえない人は本当はしゃべれるし、しゃべりたいのに、みんなの輪の中に入ることを敬遠しがちになってしまうのです。
耳が聞こえないとしても手話でしゃべれるようになる!手話とは?
耳が聞こえない人がしゃべれる手段の一つとして、「手話」があります。
「手話」を使うことによって、耳の聞こえない人は自分の伝えたいことを伝えることが出来るようになります。
「手話」は方言や性別、世代などによって少しずつ違う表現をすることがあるし、しゃべれる人にとっては、知らない言語だと思ってしまう人もいるでしょう。
でも、ジェスチャーだと思えば、なんとなく言いたいことが伝わるはずです。
例えば、「夏」「暑い」「うちわ」「あおぐ」という言葉はすべて同じ手話で表します。
どの意味で使っているのか、相手の言っている前後の内容を聞いていると分かりますよね。
相手の言いたいことを想像してあげる、相手の気持ちを汲み取ってあげるということは、耳の不自由な人にとっては、日常的にしていることなのです。
同じことを聞こえる人が聞こえない人にしてあげることによって、お互いにコミュニケーションをとりやすくなるのです。
本当は手話であっても、口話であっても、普段のおしゃべりであっても、相手の事を理解しようとする思いやりの気持ち、そして、相手に自分の事を分かってもらいたいという伝えようとする気持ち、そういう気持ちがお互いにあれば、コミュニケーションはうまくとれるのです。
聴覚障害者に優しい手助けができるといいですね
聴覚障害とは、どういうことなのかを理解するかしないかで、私たち健常者の考え方が大きく変わると思います。
聴覚障害者が日常生活を送るうえで感じていることや、悩みを知って必要としていることへの手助けができるようにしましょう!
また、手話を沢山の人たちが学ぶことによって、聴覚障害者が今よりずっと社会に参加しやすくなり、生活が豊かになると思います。