耳鼻科のレントゲン検査でわかる子供に多い蓄膿症について!

最終更新日:2022/06/23

耳鼻科っていつ行っても混雑していませんか!?

とくに、受診目的の子供達の姿を目にする事が多いですよね。

耳鼻科は、耳が痛い時や鼻水が出るなどの症状が出る耳と鼻が専門です。

今回は、耳鼻科でよくみられる子供の病気と、レントゲンを撮ればわかる辛い蓄膿症について、またその治療法についてお話していきます。

耳鼻科に多い子供の病気は?①

耳の病気では、中耳炎が子供に多くみられます。

3歳以下の子供の70~80%は一度はかかると言われています。

鼻と耳は耳管(じかん)と呼ばれる管でつながっておりますので、この耳管を通して風邪をひいた時に細菌などが中耳に入り炎症を起こします。

子供たちは成長が未発達であり大人に比べてこの耳管が太くて短く、そして傾きも緩やかであるために、うまく鼻をかむことができなくて、鼻をすすってしまうことが原因となります。
そして中耳(鼓膜の奥)に液がたまることで耳が聴こえにくくなったり、耳のつまりが起こる病気です。

子供の場合、急性中耳炎が悪化し気づかないうちに滲出性中耳炎に発展するパターンが多いです。
症状としては、痛みなどはありませんが、難聴があり聞き返しが多くなったりします。

急性中耳炎と比べて激しい症状がないので、なかなか発見されないことが多いです。
痛みと違い「耳が聴こえにくい」ということがわかりにくいために発見が遅れてしまいます。

子供に呼びかけても反応が悪かったり、鼻水が出ている場合は滲出性(しんしゅつせい)中耳炎が疑われますので、耳鼻科にてレントゲンなどで確認してもらいましょう。
滲出性中耳炎を放置すると、聞き取りが難しくなることで言葉の発達が遅くなったり、中耳につながる乳突蜂巣(にゅうとつほうそう)の発達が悪くなり、将来的に慢性中耳炎や真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎の原因となる事もあります。

耳鼻科に多い子供の病気は?②

中耳炎と同じく、耳鼻咽喉科疾患における子供がかかりやすい病気の一つでは「ちくのう症」があります。

「ちくのう症」とは、蓄膿症と書き、副鼻腔に膿が溜まることが原因で、息がつまったり、嫌なニオイがしたりといった不快な症状が起こる病気です。

風邪の時に鼻の奥や、頬のところが重くなったりするものは急性副鼻腔炎、それらを放置したり、炎症を繰り返して、徐々に進行し慢性化してしまったものを慢性副鼻腔炎(ちくのう症)と呼びます。

耳鼻科で顔のレントゲンを撮ると容易に診断できます。
急性のものでは意外と時間は必要で、1~2週間から1ヶ月程で治ります。
しかし急性の副鼻腔炎を繰り返したり途中で治療を中断すると、慢性へと移行する事もあります。

子供は風邪を引きやすく、ついつい鼻をすすってしまうことから、鼻の穴や副鼻腔が不衛生になりやすく、そのために蓄膿症にかかりやすい側面があります。

子供の場合には鼻づまりのために鼻をほじったり口呼吸に頼るようになり、集中力散漫になり情緒不安定でイライラしやすくなるといった症状も出てきます。
いびきや中耳炎を合併することもあります。

レントゲン撮影で判明!子供に多い蓄膿症とは?

顔の骨にある洞くつを副鼻腔と言い、鼻と副鼻空は粘膜でつながっていて正常では空気が入っています。
副鼻腔炎は風邪や鼻炎の悪化で、炎症が奥にある副鼻腔の粘膜まで及んで起こります。
まれに虫歯や歯肉炎からも起こることがあります。
慢性の場合がいわゆる蓄膿症と呼ばれるものです。

一番多い症状は鼻づまりと鼻水で子供の場合も同じです。
炎症によって粘調で膿性(黄色~緑色)の鼻水がでることが急性では多く見られます。
また後鼻漏といって鼻水が喉に流れて痰のように感じてしまうこともあります。
頭痛がしたり、味覚・嗅覚がなくなることもあります。

蓄膿症は、耳鼻科などで頭部のレントゲンを撮る方法が一般的です。

レントゲンを撮ると、空洞は黒く写り、骨のある部分は白く写ります。
そのために正常の副鼻腔は空洞ですから本来は黒く写るはずです。

しかし副鼻腔炎になって、粘膜が腫れたり膿が溜まって空洞を埋めてしまうと、レントゲンを撮った時に白く写るのです。

また、内視鏡で直接鼻の中を覗いて、鼻から副鼻腔へと通じる交通路の部分を調べて蓄膿症かどうかを判定する場合もあります。

また、蓄膿症が慢性化して治りにくい場合や、蓄膿症と紛らわしい他の病気を鑑別する必要があるときには、上記のレントゲン検査、内視鏡検査に加えて、CTやMRI検査をする場合があります。

耳鼻科で多い蓄膿症の治療法!

耳鼻科ではレントゲン検査や内視鏡検査の結果、副鼻腔炎の場合の治療法は、急性の副鼻腔炎については副鼻腔炎の中にいる炎症を起こす菌を退治するために、多くは内服や吸入療法で治療します。

マクロライド系抗菌薬が有効と言われており、少量を長期に投与することで炎症を抑えたり、免疫機能を向上させたり、鼻水の分泌を抑える効果があります。
頭痛や頬の痛みが強い場合には、上顎洞洗浄療法といって鼻の中から上顎洞に針を刺して膿を洗い流す処置が有効です。

一方で、手術自体も進歩しており現在はファイバースコープを用い、変性した部分のみを取り除くなど体に負担の少ないものになってきています。

子供の治療は内服治療、鼻の洗浄・吸引やネブライザー療法が主体となります。

内服では抗生剤の服用も必要です。
またお薬だけに頼るのではなく、鼻水を吸引する、かませる、鼻を洗浄することも効果的です。

鼻水が粘っこくて膿性であれば重層水を用いたり、水性であれば生理食塩水で洗浄すると症状が改善します。
それでもなかなか改善しない場合にはお薬を少量で長期に服用する治療があります。

耳鼻科でレントゲン検査をした場合にかかる平均費用は?

子供がなりやすい蓄膿症や副鼻腔炎といった治療をする時にはレントゲン検査を行うことがほとんとですが、一般的にレントゲン検査にかかる費用については、1回の検査料金が健康保険の適用により500円から1,000円前後になります。
家計を圧迫することなく、とても気軽に利用することが可能となってきているのがポイントです。

しかし病気の症状が悪化している場合においては、レントゲン検査も複雑になることがあります。
その場合には両耳や鼻のレントゲン写真を撮ることがあるため、費用については2倍ほどかかることがあります。

ですがそれでも2,000円前後で利用出来るので、特別高額治療という部類に入らないのが特徴となっています。
また症状を検査するためにCT撮影をすることがありますが、この場合には1回につき4,000円から5,000円くらいが相場となります。

このように耳鼻科での診察時において症状が悪化していると判断された時は、検査内容も増えるため費用も並行して割り増しになることがあります。

耳鼻科でレントゲン検査以外にCT検査をするメリットは?

鼻の奥が痛い、黄色い鼻水が出るからと耳鼻科に通ってレントゲン検査、内視鏡検査はしても、全く症状が改善しないという子供がいらっしゃるのであれば、一度CT検査を受けたほうが良いかもしれませんね。

鼻の病気は慢性になりやすいのものが多く、症状はあまりひどくないが、治りづらく、完治までに時間がかかる病気が多いのが特徴です。
行われる治療法が今ひとつ的確でないため、治りが遅くなっている場合も考えられるのです。

骨と粘膜の異常が鼻の奥のほうで起こっていると、医師もなかなか診断がつきにくい場合もあります。
ですが、そんなこともありCT検査は骨と軟部組織の描出に優れていて、数ミリ単位で撮影部を輪切りにして画像を映し出すこともできるので、レントゲン撮影では見つけられなかった疾患を発見できるのです

つまり骨と軟部組織で構成されている鼻の病気の診断には、CT検査はピッタリということなのです。
耳鼻科に何カ月も通っていても、症状がなかなか改善されない方。
何件も耳鼻科を受診したが、明確な診断が付かず、対処療法で症状を抑えている方。
こういった人の場合は、一度CT検査を受けてみることをオススメします。

それで原因がはっきりするかもしれませんからね。

大切な基本は風邪をひかないようにすること!

子供は大人と比べると副鼻腔が未発達で小さいため、ちょっと風邪をひいただけでも細菌が炎症を引き起こしてしまいます。

その結果、蓄膿症になりやすいのです。

子供の蓄膿症は、慢性化したものでない限り治りやすいという特徴もあるので、早めに耳鼻科へ受診・治療しましょう!

蓄膿症は、風邪をきっかけになることが多いので、手洗いやうがいで風邪予防をすることも大切ですね。

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