肘を骨折したら、日常生活にも支障をきたしますよね。
物も持てないし、書くことも出来ない。寝るのも大変でしょう。
しかし、骨折をしてしまったら、少しでも早く治療することを考え適切な治療を受けましょう。
肘骨折の症状や治療方法はどのようなものなのでしょうか。
肘の骨折で手術をすることになったとき、局所麻酔なのか全身麻酔なのか。
麻酔の使い分けについてもご紹介していきたいと思います。
肘骨折の症状とは
肘を骨折した時の主な症状をご説明します。
まず、転んだり、怪我をしたりして骨折が疑われる場合は、痛みがあるということがまず挙げられます。
怪我などをした際に、痛みを感じる場所を押してみて痛いと感じる場合は、肘にひびが入っているか、骨折している可能性が高いです。
この押した時に感じる痛みを「圧痛」といいます。
また、怪我など、心当たりがないのに、痛みが生じる場合もあります。
この場合は病気からくる骨折の可能性が高いのです。
たとえば、骨粗鬆症などの病的骨折や、運動のしすぎからくる疲労骨折などがそれです。
いずれにしても、痛みが続く場合は、医者などに一度見てもらうことをおすすめします。
骨折した場合は、出血がある場合もあります。
出血は骨折した部分や周辺からですので、そのあたりに紫色や黒ずんだアザがあらわれたりします。
そして、その部分が腫れたりします。
大量出血のために、脳貧血などの症状があらわれて、緊急な処置が必要とされる場合もありますので、迷わず救急車を呼びましょう。
一般的に骨折の際の外科手術は全身麻酔あるいは、局所麻酔をして行います。
肘骨折は折れ方や骨折場所で手術をするか決める
肘などが骨折する原因は、外部からの強い圧力がかかった際などです。
しかしながら、骨粗鬆症や癌などの病気が原因で、骨折する場合もあるのです。
骨折すると、痛みの他にも、内出血、腫れ、関節でない部分なのに動く、変形などの症状が表れます。
また骨折の仕方も、皮膚内での骨折や、皮膚を破った状態の骨折などがあります。
いずれにせよ骨折は、痛みが伴い体や心にストレスを与えますから、痛みを感じたら我慢せず医者に見せて手術してもらいましょう。
骨折の形状は、複合骨折、亀裂骨折、はく離骨折、脱臼骨折、圧迫骨折などがあり、その形状または、神経や血管の損傷がある、多発外傷時、骨折部のずれがある、皮膚内骨折でも小さな骨片が3つ以上ある骨折や、太い骨の骨折など、様々なことを考慮して手術を行うかどうか判断します。
手術をする場合には、大体は全身麻酔を行ってしますが、心肺機能が良くない方などリスクがある場合などには、局所麻酔にしたり、あるいは全身麻酔と局所麻酔を組み合わせて手術を行ったりします。
肘骨折の手術以外の治療方法って?
肘を骨折した時の手術方法は、金属のピンやワイヤーまたはスクリューやプレート、あるいはロッド(棒)を使って骨のずれを整復して体内、あるいは体外から骨を固定します。
これらの金属は、MRIの撮影にも可能な金属でできた製品です。
これらの固定補助製品を使うことによって、骨折部を切開することなく、骨を固定することができます。
肘が骨折した際に良く見る、ギプスも近年はかなり改良されて、強くて軽いグラスファイバーなどからできています。
治療期間は、骨折の形状、程度などによって異なってきますから、検査入院のみの1日から、全身麻酔をして行う大手術のような骨折をした場合には、1か月以上入院が必要になり様々です。
しかしながら、骨折した場合には治療後のリハビリも大切になってきます。
おおまかな治療費用についても、記しておきます。
初診料が1,000円ほどかかりますし、レントゲンやMRI撮影代も1,000円から50,000円ほどかかります。
またギプス固定代が2,000円から3,000円かかり、リハビリ代が500円/回かかってきます。
肘の手術とは言え、時間がかかる場合は全身麻酔
肘などを骨折した場合の手術の際の麻酔ですが、病気の部位や性質、手術の方法や時間などによって、全身麻酔が必要かどうか判断されます。
また部位によっても異なり、顔面、頭部、首、胸部、腹部の上半分、背中の手術は、一般的に全身麻酔が必要になります。
下半身や腕の手術は、原則的に局所麻酔(下半身麻酔や神経ブロック)で行われるとされていますが、手術が2時間を超えるようであれば、全身麻酔が選ばれたりもします。
また、呼吸や心臓を止めないと手術ができない肺、心臓、大動脈の手術、気道の確保が難しい喉頭(こうとう)や気管の特殊な手術では全身麻酔が必須です。
このように、全身麻酔が必要かどうかは、骨折した部位と手術時間によって判断されるのですね。
局部麻酔は、薬を追加していくことが可能ですが、長時間の手術において、繰り返し薬を手術部位へ追加することは、中毒を招きかねないのできわめて危険なのです。
ですから、比較的骨折の程度が軽い場合でも、複雑な気管や神経が通っている箇所などを行う場合で、長くても2時間ぐらいで終わらない場合の手術の際は、全身麻酔が選ばれます。
手術後の全身麻酔から目が覚めた時の痛みは?
全身麻酔をして肘などの骨折の手術を行ったとしても、麻酔は次第に切れてきますから、痛みを感じてきます。
特に、手術直後から半日は、激痛を感じることもあるのです。
この術後の痛みをできるだけ減らすべく、手術中より積極的に痛みのコントロールを医者は行います。
痛みは個人差や骨折した部位によっても差がありますが、痛み止めの薬を用いて、痛みを減らすケアをします。
痛みを抱えたままでいるのは、体にも心にもストレスがかかり、痛みに恐怖を抱いて眠れなかったり、治りが遅くなったりしてしまいます。
ですから、耐えられないような痛みがある場合は、我慢せず医師に伝えると良いでしょう。
このように、痛みは手術中だけでなく、手術後のコントロールが大事になってくるのです。
しかしながら、通常は1-2週間ほどで、腫れもおさまってきて、痛みも少しずつおさまってきます。
最初は内出血で紫色だった皮膚も、徐々に皮膚に吸収されて黄色っぽい色へ変化し、時間の経過と共に元の色に戻ります。
手術や全身麻酔なんて怖い・・保存療法ができる場合も!
肘を骨折した場合などの治療方法は、何も外科手術だけとは限りません。
手術を行わない保存療法という治療方法もあるのです。
ただ、この治療法を用いることができるのは、ひびが入った程度や、骨のずれが無くじん帯が切れていないこと、子どもの鎖骨骨折、肋骨骨折、鼻骨骨折など、軽度の骨折の時の治療法です。
この治療方法だと、全身麻酔なども要りませんから、体の負担が軽く済みます。
治療方法としては、ギプスやシーネ、コルセット、肋骨にはチェストバンド、鎖骨には鎖骨バンドなどの装具で患部を安静にして固定します。
装着時の注意点は、装具が当たって痛い場合や、血流が悪くなり、皮膚の色が変色したり、感覚が鈍ってしまったりしている場合などには、ただちに医師や看護師に伝えて調整を行ってもらってください。
再度固定をし直しても、皮膚にトラブルが見られる場合は、他の治療が必要です。
また、ずれた骨や関節を皮膚の上から引っぱったりする徒手整復や、ずれている骨を持続的に引っ張り、元の位置に戻す牽引などの治療方法も、手術以外の治療方法として知られています。
健康が一番ですね
いかがでしたか?
肘の骨折って、とても大変そうですよね。
生活の動作で肘って結構使うのは間違いありません。
骨折の後遺症を残さないためにも、骨折したらすぐに適切な治療を受けましょう。
放置をして、手の施しようがない状態になってしまうのは避けたいですね。