頭痛に悩まされている人が沢山いる現代。
その中でも、作業がはかどらない程の激しい頭痛に襲われて、仕事どころではないといった症状も少なくありません。
一般的に肩こりがあって頭痛を発症する場合は緊張型頭痛と言われ、筋肉の血流を良くしたり和らげるお薬が処方されます。
しかし、それでも症状が改善されず辛い思いをされている方々が多くいます。
今回は、そんな耐え難い偏頭痛と肩こりの関連性をひも解きながら、症状を予防できるストレッチを紹介していきます。
偏頭痛に関連する肩こり
頭痛と一口にいっても、様々な頭痛があります。
その中の1つ、偏頭痛とはどんな頭痛でしょうか。
原因は頭部にある痛みの物質が放出されて炎症を起こすことにより、血管が拡張する事です。
こめかみにズキズキとする痛みがあり、体動時に症状が悪化し嘔気が出たり動くことが億劫になります。
そんな偏頭痛と関連して起こる肩こりは別ケースで、慢性的な肩こりとは異なります。
首から肩にかけて張りが出てくる、肩こりが急にひどくなり頭痛がしてくる、肩こりが後頭部辺りまで広がってくる、などがこのケースです。
この症状に嘔気やズキズキした頭痛が伴うと、偏頭痛の予兆として肩こりが生じていると考えられます。
この時、耐えられない痛みと共に肩こりとイライラと嘔気が重なるので、そこにもストレスを大きく感じるでしょう。
そうなったら辛い症状を無くしたいと誰でも考えると思います。
それには、自分でできる事としてストレッチが効果的なのです。
偏頭痛から肩こりが生じる原因
前述でも述べましたように、偏頭痛は痛み物質が放出されて炎症を起こし血管が拡張することが原因です。
脳を覆っている硬膜という膜の上にある三叉神経という神経から、痛み物質が分泌されることで偏頭痛が起こります。
この三叉神経は肩の辺りにも分布しているため、炎症が拡がると肩こりとして症状が現れます。
そのため、偏頭痛の前には肩こりが生じるというのが特徴となります。
それにストレッチが有効と考える由縁は、局所的なマッサージやハードな運動は血管を拡張させて症状を悪化させるリスクが高いからです。
脳の血管が拡張して、三叉神経から痛み物質が生じることで更に血管が拡張され偏頭痛となるわけですが、そこにいたる決定的な原因は断定されていません。
考えられることとして、極度のストレス下にあるとセロトニンという物質が放出されて血管が収縮します。
そのストレスから解放された時に、セロトニンの放出が減少し急激に血管が拡張します。
そういった機序により、休日やゆっくりした時間に生じやすいと言われています。
特徴として、神経質な性格、完璧主義者、睡眠不足、長時間のパソコン作業、女性ホルモンが関与しているとも言われています。
偏頭痛からくる肩こりを予防するにはストレッチ
偏頭痛の原因は、血管収縮→血管拡張→痛み物質の分泌→更なる血管拡張により症状悪化といった機序が分かりました。
この辛い症状を解消するには、自分で何ができるのか考えていきましょう。
何らかの原因で血管が収縮するのですから、常に血流が良好である状態を保つことがポイントと言えます。
ただし、既に偏頭痛や肩こりの症状が慢性化してる場合は注意が必要です。
マッサージは血流を良くしますので、突然行うと収縮した血管が急激に拡張して症状が悪化する場合があるからです。
筋肉をほぐして血流を良くするのには温浴と言われますが、これも慢性化している場合は急激な血管拡張を起こし症状が悪化する場合があります。
ですから、「適度な運動=簡単なストレッチ」による日頃から血流の良い身体作りが良いと考えます。
現代人はストレスにさらされて血管が収縮しやすく、又、デスクワークや同一体位による姿勢での作業など筋肉が固まって血流が悪くなりがちです。
次から紹介する簡単なストレッチで偏頭痛からくる肩こりを予防していきましょう。
偏頭痛からくる肩こりを予防するストレッチ(予行編)
まずはストレッチに入る前に予行として、定期的に行っていただきたいのが、ツボ押しです。
整体やマッサージ店で行うような強いツボ押しは返って逆効果となりますので、軽く押す程度の簡単なツボ押しをしてください。
そんなツボ押しにより、肩周りの筋肉の緊張や疲労を改善し滞った血流を改善する効果があります。
慢性的な症状に悩まされている方の場合は、常日頃から習慣化して特に自分が緊張化にあると感じる場面で行っていただくと、予防効果があるでしょう。
ポイントは強く押しすぎず、押さえる感覚で行ってみましょう。
①首の後面にある太い筋の外側にあたるうなじの下辺りを、双方両手の親指で痛くない程度で押さえましょう。
②手の親指と人差し指の間にあるひだの部分を、反対側の親指と人指し指で気持ち良い程度に押さえましょう。
この2つのツボは頭部や肩周りの血流を改善すると言われています。
ストレッチ前や日頃から度々行うことで、血流の良い身体作りの基盤が築きあげれて偏頭痛からくる肩こりを予防できるでしょう。
偏頭痛からくる肩こりを予防するストレッチ(柔軟編)
適度な運動やストレッチは、全身の血行を良くすることで自律神経を正しくし、ストレスによる乱れにも効果的と考えます。
それが偏頭痛と肩こりの予防にもなるでしょう。
簡単な全身の血行に良いストレッチを2つ紹介します。
①座って両足を開脚します。
②右の膝を曲げます。
③左の手を右の膝の上に置いて、右の上肢を右の耳につけて上に挙ます。
④ゆっくりと息を吐きながら、右の指先が左の足のつま先に届くように左へ体幹を曲げてきます。
⑤この状態で5つ数えましょう。
⑥右上肢と右の下肢を元の位置に戻してください。
⑦次に反対側を②から⑤の要領で同様に行います。
個人差はありますが、凝り固まった身体が柔軟になった感覚を味わえるでしょう。
これにより、下肢から体幹や上肢に至るまでの筋肉が伸展されてほぐされることにより、血流が良くなる効果があります。
偏頭痛からくる肩こりを予防するストレッチ(伸展編)
最後は簡単に全身の筋肉を伸ばしていくストレッチです。
緩やかに筋肉を伸ばしていく事により、筋肉の凝りを予防して血流改善を担いますので、偏頭痛と肩こりの予防になるでしょう。
①両足を肩幅に広げます。
②両手を指を組んで、背伸びをする要領でゆっくり息を吐きながら、両手を頭の上へまっすぐと伸ばしていきます。
③両手を元の位置に戻します。
④両手を腰に当てます。
⑤後方へゆっくりと息を吐きながら、体幹を倒していきます。
⑥体幹を元の位置に戻します。
⑦右の下肢を前へ一歩出します。
⑧左のふくらはぎや臀部が伸びている感覚がある程度で、10数えて伸ばしていきます。
⑨右の足を元の位置に戻して、次に左の下肢で⑦⑧の内容を行いましょう。
⑩左の下肢を元の位置に戻します。
⑪両足を肩幅に広げます。
⑫両上肢の肘を曲げて肩関節を10回外転させましょう。
これは体幹や四肢を伸ばしていくストレッチです。
更に伸展されますので、全身の血行が改善される事に期待できます。
日頃の心がけと簡単なストレッチで辛い偏頭痛と肩こりにサヨナラ
ストレッチは全身の血行を良好にすると共に、ストレス解消も担います。
寝る前にストレッチを行うことで睡眠不足や安眠効果に期待できます。
少しでも構いませんから、ゆとり時間を作りリラックスできればストレス解消にもなることでしょう。
日頃の習慣改善で、偏頭痛や肩こりを予防に期待できます。
症状が改善されない場合は、医療機関を受診されることをオススメします。
健やかな日常に向かって前進したいですね。