デスクワークやスマホなどを使う機会の増えた現代では、肩こりがつきものになってしまいました。
肩こりに気付いていない人もいるので、肩が重い、だるい、背中が丸まっている、頭痛がある、運動不足など、これらに1つでも当てはまっている人は、肩こりになっているの可能性があります。
今回は、肩こりの解消には、ツボや針の効果があるのかを説明していきます。
肩こりの原因は?
パソコンやスマホなどを使わない日はないという人も多い現代、肩こりはとても多くの人が悩んでいる現代病の一つといってもよいでしょう。
痛みの感じ方や頻度はまちまちですが、ひどい慢性肩こりで悩んでいる人はとても多いのです。
ではその肩こりの原因とはいったい何なのでしょうか?
肩こりを起こす原因となるものには、主に次の5つを上げることができます。
①長時間同じ姿勢を取り続けることで肩こりとなるもので、特定の筋肉が収縮し続けることで姿勢を支える筋肉の働きが低下し、その結果頭部や腕を支える頚部の筋肉に負担が生じます。そして頚部の筋肉の緊張が慢性的になって肩こりを感じることになります。
②精神的なストレスによるもので、体を緊張させる神経の働きが優位となることで、首や肩のまわりの筋肉が固くなり肩こりを感じます。
③手や腕の疲労によるもので、肩こり状態から脱しにくくなる可能性があります。
④目の疲労によるもので、肩こりを起こす筋肉まで緊張するようになったり、精神的緊張が加わり肩こりを感じることがあります。
⑤温度に関するもので、寒い場所にいることで体に力が入り、毛細血管を収縮させることで血行が悪化し肩こりにつながったり、温度の変化で自律神経が乱れて肩こりが悪化したりします。
肩こりに針の治療効果はある?
肩こりになると、ついついこっている部分をほぐそうとしますが、それでは根本的な治療にはならないことが多く、肩こりの根本治療として針治療が注目されています。
まず、痛みを感じる肩や首への針治療ですが、コリの芯に針をさしてコリをほぐしていきます。
これにより、老廃物が溜まり硬くなっていた筋肉が緩み血流が改善されるのです。
そうすることで肩こりが改善されます。ただ針治療はこれだけではなく、全身の治療も行います。
ではなぜ全身に針治療を行うと良いのでしょうか?その理由には以下のような効果があるからです。
①痛みへの効果で、針の刺激によりモルヒネのような役割のホルモンが分泌され、さらに痛みを脳に伝える神経をブロックするので痛みが抑えられます。
②ストレスへの効果で、リラックス効果のあるホルモンが分泌されます。
③筋肉のコリへの効果で、血液やリンパの流れが良くなり、固くなった筋肉の緊張をほぐし柔らかくします。
このように全身の状態を整えることで肩こりの改善につなげていきます。
針の治療とツボの関係
針治療が様々な病気や症状に効果があることは認められていますが、なぜツボに針をさすことで病気が治るのかはまだよくわかっていません。
特定のツボに針をさして得られる効果については、それぞれの研究者の主張の域を出ていないのです。今虫垂炎になったら、ちょっとおなかに傷をつけて外科手術をするのが当たり前ですが、大昔の人は外科的な治療はありません。
痛みで苦しむ人をどう治療したのでしょうか?
とにかく体中を触って押して、なんとか治らないか試みたことでしょう。
そうした経験の中で、どこを押したらどんな症状がよくなるのかを経験的に積み重ねて積み重ねていったものがツボなのです。
つまり、どう作用するかを研究して得た知識ではないので、効果がわかっていないのです。
ただ、いくつか研究は進んでおり、ツボをいくら刺激しても皮膚に麻酔をしていると効果がなく、抗麻薬作用の薬の投与により、針治療の効果がないことから、ツボは末梢神経から中枢神経に作用し、モルヒネのようなホルモンが分泌されることで治療効果が得られているのだろうと考えられています。
肩こりに効くとされるツボ その1
耳の後ろの髪の生え際にある、天柱と風池の2つのツボについて見ていきましょう。
まず天柱のツボですが、後頭部に頭につながる太い筋肉があり、そのすぐ外側にあります。
ぼんのクボから指幅2本分外側の位置です。
天柱を押すことで、頭部のあらゆる疾患に効果があります。
さらに眼精疲労、肩こり、ダルさ、のぼせ、冷え、顔のむくみ、精神疲労にも効果があります。
指で押すなら、揉むのではなく、親指をギュッと強めに押します。
ツボに親指の腹をあてて、他の指で頭を支えるようにするとやりやすいです。
15秒押して20秒止まるという動作を3回ほど繰り返します。
温めるのも良いですし、指ではなく棒状の物で押すのも良いでしょう。
次に風池のツボですが、天柱のツボのさらに指1本外側に位置します。頭痛を伴うような強い肩こりに効果があり、風邪の時に熱を調整する役割もあります。
熱だけでなく、風邪の初期症状を和らげますし、眠気対策や、二日酔いや乗り物酔いにも効果があります。
さらには腰痛やかかとの痛みにも効果があるともいわれ、万能のツボと呼ばれています。ツボを押すときは親指か棒状のもので、やや上に向かって3秒ほど押して5秒離すという動作を5回から10回ほど繰り返します。このツボを温めるのも効果的です。
肩こりに効くとされるツボ その2
五十肩になってしまった!そんなときは肩が痛くない範囲で肩を動かすことが大切です。多くが痛みなどの症状が自然となくなるのですが、だからと言って放っておくと関節が固くなってしまいます。
そんな時に肩貞というツボがおすすめです。
肩の後ろにあり、肩と腕の境目で、脇の下から1センチから2.5センチ上に位置しています。
肩を正しい状態に戻すツボで、五十肩で腕が上がらない状態の他に、肩こり、頭痛、首の痛み、腕のリウマチにも効果があります。
押すときは、反対の親指と人差し指と中指で脇を持つようにゆっくりと押し揉みます。体の後ろにあるので、自分で難しい場合は誰かに押してもらうのが良いですね。
温めるのも効果的です。
また、爪楊枝などで刺激する方法もあり、その時は肩の周囲を全体的に刺激します。
そのあと肩をわしづかみにして、腕を上下に20回くらい動かしましょう。
痛みがあると安静にしてしまいがちですが、五十肩は安静にせず痛くない範囲で肩を動かして凝り固まらないようにすることが大切です。
針の他に肩こりを解消する方法
肩こりを治すためにはどんな方法が効果的なのでしょうか。
肩こりを治すには、針やマッサージ、ストレッチ、トレーニングの3つすべてが大切になります。針やマッサージでは肩こりのこりをほぐすことができますが、それだけでは元に戻ってしまいます。
ストレッチは硬くなり動きづらくなっている関節の可動域を改善し、姿勢をよくすることができますが、コリ自体を治すことは困難です。
トレーニングは体を動かすことで筋肉をゆるめたり、ストレスを減らすことができます。筋力をつけることは大切ですが、これもコリ自体を治すには不十分です。
つまり、肩こりがある場合、針やマッサージでコリをほぐし、ストレッチで関節の可動域が確保されている状態で運動することが大切になるのです。
さらに、一見関係がなさそうに思われますが、食生活も肩こりには重要な要素となります。
栄養バランスの乱れは血流にも影響を及ぼし、酸素や栄養が細胞に十分に行き届かないことで肩こりが悪化してしまうこともあるのです。
そのため、肩こりを治すために、食生活も見直すことをお勧めします。
肩こりなら針を打ってみてください
今肩こりでお悩みなら、一度は針を打つことをやってみると良いですよ。針は鍼灸師という国家資格を持っている人しかできません。しっかりとした技術と知識を併せ持っているはずですから、あなたの悩みを解消してくれることでしょう。ただ、それでお終いではなく、普段から肩周りのツボを押したり、血行を良くするためにストレッチすることだけは続けてくださいね。