会社などで働いているという人は、年に1回は健康診断を受けるようになっています。
健康診断では様々なことが検査されるようになっていますが、その中で胸部レントゲン検査というものもあります。
胸部レントゲン検査で発見できるものとしては、肺と心臓、縦隔や横隔膜の異常があります。
異常が発見された時には、詳しい検査を受ける必要があります。
今回は、異常がある部位に対して、何科を受診すればいいのかお話いたします。
肺の働きとしくみ
肺のメインの働きは酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を身体の外へと吐き出す「ガス交換」です。
吸い込んだ空気は肺に行く前に気管を通過していきます。
その際、ゴミや雑菌などの余計なものは粘膜にへばり付き、痰となって体外に出るか、そのまま飲み込まれていきます。
ガスの交換は「肺胞」と呼ばれる部分が中心となって行われます。
肺胞は空気の中から酸素を選り分けて血液に送り込み、二酸化炭素は肺胞の中へと押し出していきます。
また「肺門」には肺動脈や肺静脈、気管支といった重要な管が集中しています。
肺動脈は心臓から肺へと二酸化炭素が含まれた血液を送り、肺静脈は酸素を含んだ血液を送り出しています。
この2つが活発に働くことで、汚れた血液と綺麗な血液を交換することが出来るのです。
もしも異常を感じた場合は早急に病院へ行き、レントゲン撮影をしてもらうと良いでしょう。
何科を訪ねればいいか分からない時は、とりあえず内科に行ってみましょう。
適切な検査と治療を受けられる科に案内してもらえます。
レントゲン検査で肺や心臓の異常の専門は何科?
肺や心臓の異常を調べるにはレントゲン検査が確実ですが、何科に行けば受けられるのでしょうか。
基本的には一般内科を訪ねると適切な科を教えてもらえますが、症状に見合った科を受診したい時は肺なら呼吸器内科を、心臓なら循環器内科を訪ねましょう。
ちなみに肺が悪かった場合でも、病状次第では胸部外科や呼吸器外科に回されることもありますし、血管に異常が発生すれば心臓血管外科が治療や手術を引き受けることも珍しくありません。
ただし最初のきっかけはあくまでも内科となります。
受診するべき科が分からないからといって、病院へ行かないという選択肢を取ってしまうことが一番良くない方法です。
もしかするとガンなどの重病かもしれないなどの不安感はあるかもしれませんが、検査をしなければ分かりません。
ひょっとすれば大したことがない可能性がありますし、仮に深刻な病気だとしても早期発見となって無事に治療が出来る場合だってあるのです。
後回しにして手遅れになることが最も悪いケースなので、怪しいと感じたら最寄りの内科へ行ってみて下さい。
レントゲン検査で肺に挟まれている縦隔(じゅうかく)の異常は何科へ?
健康診断の結果でよく見かけるのは「縦隔」という単語です。
これは左右の肺に挟まれており、心臓や食道などが集まっている部分をまとめて、医学ではこう呼んでいます。
縦隔に異常が見つかった場合、何科を受診すれば良いのかというのははっきりと決められない問題だったりします。
腫瘍があるのなら胸部外科や腫瘍内科が担当しています。
血管にガンなどが出来ていれば心臓血管外科へ行く必要があります。
異常そのものは肺にあるものの、それの影響を縦隔も受けたことによって何かしらの症状が起きた時は呼吸器内科を訪ねましょう。
縦隔の範囲内にある気管の位置がおかしくなっている上に、甲状腺の腫瘍などが見つかった場合は内分泌科が専門となっています。
縦隔に異常が発生する原因は実に様々なので、特定の科へ行けば良いというアドバイスは出来ません。
もしレントゲン検査を受けた後、縦隔の異常が発覚したら、まず一般内科で検査をしてもらい、具体的な症状を見極めてもらうことをオススメします。
レントゲン検査で横隔膜と骨格系の異常と言われたら何科へ受診?
レントゲン検査で分かる異常の中に、横隔膜と骨に関係するものがあります。
横隔膜は胸とお腹の間にある膜のことで、痙攣するとしゃっくりを引き起こすことで知られている部分です。
スムーズな呼吸を行うためにはなくてはならない器官であり、位置はレントゲンで示すと肺野の下側に付いています。
身体の中間地点にあるので、胸部に異常が起こっても、腹部の調子が悪くても、どちらにしろ横隔膜に影響を及ぼすことがあります。
肺と接しているので、何科を受診するか迷った時は内科か呼吸器内科を訪ねると良いでしょう。
ですが胃の空気が食道にまで達していれば食道裂孔ヘルニアの疑いがあったり、肝臓が大きく腫れている可能性があります。
このように消化器に異常が見られるようなら消化器内科を受診して下さい。
また骨に関する異常が発覚する場合もあります。
背骨が曲がってしまう側弯症や、たまたま折れている肋骨を見つけてしまうこともあるようです。
これは内科ではなく整形外科が担当しているので、そちらを受診して下さい。
レントゲン検査をするうえで知っておきたい費用など
肺や心臓などの異常を調べるにはレントゲン検査を行う必要があります。
費用は部位や方法によって異なり、例えば胸を撮影すると2,100円くらいになります。
保険を使えば3割負担されるので630円になります。
ですが診察や処置に関する費用も加算されるため、実際は1,500~3,000円は掛かることでしょう。
検査時間は10~30分ほどですが、早いと2、3分程度で済みます。
検査の前にはX線をするかどうかの診察が行われます。
事前に検査日を知っている場合は、ボタンや金属が付いていない薄手のシャツを着てきて下さい。
金属製の留め具やワイヤーが使われている下着は検査室で脱ぎましょう。
アクセサリーや湿布、ヘアピン、かつら、補聴器なども外します。
取り外せるなら入れ歯も取って下さい。
基本的に検査技師の指示に従っていれば問題なく検査は終わります。
痛みや熱などが伴うこともなく、造影剤を飲んでいなければ、食事制限もありません。
撮り終わったらもう一度診察を受けて、医師に画像をチェックしてもらいながら、結果を聞きましょう。
もしも何科で検査を受ければ良いのか分からない時は、一般内科を訪ねると教えてもらえます。
レントゲン検査で発見!肺ガンってどんな病気?
肺とは体内に取り込んだ空気を選り分けて、交換するための臓器です。
口や鼻から吸い込んだ空気は気管を通過して肺に送り込まれ、肺胞と呼ばれる小さな袋状の部分の中で、二酸化炭素と酸素を交換する仕組みになっています。
この時、気管や肺胞の細胞が何らかの原因でガン細胞に変化すると「肺ガン」を引き起こします。
肺ガンは周辺組織を壊していきながら増殖を繰り返し、血液やリンパの流れに乗って全身へと転移します。
喫煙者が比較的なりやすい病気ですが、煙草を吸わなくても副流煙などを吸い込むことで発症しやすくなります。
主な症状は咳や血が混ざった痰、胸の痛み、喘ぎ、息切れ、微熱、むくみなどが挙げられます。
しかしこのような症状を伴う病気は非常に多く、そもそも肺ガンになっても何も症状が出ないこともあります。
そんな時は病院で検査を受けましょう。
レントゲンで肺を撮影したり、組織を少し採取して顕微鏡で調べれば、ガンを発見することが出来ます。
大きく分けると「非小細胞肺ガン」と「小細胞肺ガン」に分類され、前者は肺ガンの8割以上を占めています。
進行の度合いとスピード、症状の内容はガンの種類によって異なります。
一方、後者はとても増えやすく、見つけた時にはすでに身体のあちこちに広がっていることが多いようです。
ガンは早期発見が大事です。
怪しいと感じたらすぐに病院へ行き、何科か分からなければスタッフに聞きましょう。
肺の病気の早期発見の為にもレントゲン検査は大事!
肺の怖い病気の一つでもある肺ガン・・・。
レントゲン検査は、肺ガンのごく初期の病変も写してくれます。
これを活用しない手はありませんね。
早期発見する為にも、お近くの病院で肺ガンの検査として、レントゲン検査を受けることをオススメします!