肺気腫は一般的に治らないと言われる病気ですが、早期に対策することで、予後の改善することが出来るかもしれません。
また、病院で肺気腫の診断はレントゲンで判断できるのでしょうか?
肺気腫を発生させてしまう原因や主な症状をご紹介したいと思います。
肺気腫とは?
肺気腫は長期にわたって喫煙していたり、人体にとって有害である粉塵などを吸入した際に引き起こされる閉塞性肺疾患の一つです。
息切れや咳、痰などの症状が引き起こされます。
有害な粉塵などを吸い続けた結果、このような症状を引き起こしてしまうと慢性的な症状に苦しめられてしまう事になります。
息を吐き出す力が衰えるため息を吐き出しにくく感じてしまいます。
こういった閉塞性のある肺疾患を慢性閉塞性肺疾患と呼んでいますが、肺気腫の場合は肺胞の仕切り壁が破壊されて肺胞同士が融合してしまい、肺がスカスカの状態になっていってしまう病気となります。
肺気腫によって正常な肺胞が減少してしまうと、ガス交換の効率も低下していくので体に必要な酸素がしっかりと供給できなくなってしまいます。
最悪の場合には呼吸不全などに陥ってしまう事もあり、大変危険な状況を生み出してしまう事もあります。
異常を感じた場合に医者に行くとレントゲンで検査をした際にこの病気が発見される事も珍しくありません。
肺気腫を発生させる原因は?
肺気腫の原因となっているのは有害な粉塵ですが、最も大きな原因となっているのはタバコです。
肺気腫になった患者の95%以上は喫煙者で、特に70歳以降になると喫煙歴がある人の5割が発症リスクを抱えているそうです。
最近では女性も喫煙者が増えているので、将来的に女性の患者も多くなるのではないかという見方が出ています。
また、女性の方が肺気腫になりやすいと言われています。
未成年者の喫煙が禁止されているのは様々なリスクを回避させるためでもありますが、タバコを未成年のうちから吸っていると肺気腫の発症リスクが更に高まるそうです。
また、自分が吸っていなくても家族に吸っていた人がいる場合は、副流煙を吸ってしまいますから、自分が吸っていないからといって油断するのも良くないかもしれません。
肺気腫の別名はタバコ病などと言われています。
タバコを吸うと気管支に炎症が起こりやすくなり、肺胞にもダメージを受けるので呼吸がしにくくなってきます。
ヘビースモーカーであればあるほど肺気腫になりやすいですし、患った後の病状の進行の速さも違うと言われています。
異常を感じた場合はレントゲン検査が出来る病院できちんと診てもらった方が良いかもしれません。
肺気腫の主な症状は?
肺気腫の自覚症状は病気が進行して重篤な症状を引き起こさないかぎり、加齢によるものだろうと考えてしまったり、ごくありふれた症状しか出てこないので軽く考えてしまいがちになります。
そうなれば当然病気が発見されるのも重篤な症状が出てからになってしまいます。
肺気腫は状態が悪くなってくるとちょっと動いただけで息切れがしますし、日常生活にも支障が出てきます。
この時点でレントゲン検査設備のある病院で診てもらえれば肺気腫が発見できる可能性もありますが、放置してしまって更に症状が進行してしまうと呼吸不全や心不全を引き起こしてしまう事もあります。
早期発見が出来ればこのような苦しい目に遭わなくても済むので、息切れがひどいと感じたら病院で検査をしてもらいましょう。
また、肺気腫ではなくても息切れがひどい場合は肺病の可能性もありますから、念のため病院に行ってしっかり検査をするというクセを付けておいた方が良いでしょう。
いざという時の生死を分ける事にもなります。
肺気腫はレントゲンで確認できる?方法は?
肺気腫などの疑いで病院に行くと、レントゲン写真を撮りますが、レントゲンは胸部X線検査の事を指します。
一般の診療所や定期健康診断などでも広く活用されている検査方法です。
人の心臓や肺なども写し見る事が出来るので、体の異常を発見する事が出来る可能性が高まるのです。
また、病気の状態などをレントゲン写真から判断する事もできます。
レントゲン写真は立った状態で正面と側面を撮るのが一般的です。
必要があれば横向きに寝た状態で撮影する事もあります。
正面だけだとわからない部分も、側面から映し出す事で確認しやすくなります。
また、寝て横向きの姿勢でレントゲンを撮る場合は胸水が溜まっていないかどうかなどをレントゲン写真から判断したい場合にも使われています。
レントゲン写真を撮る際に息を止めてくださいと言われますが、それはレントゲン写真がブレないようにするために必要な行動となっています。
大きく息を吸い、撮影する時は動かずに息を止める事を要求されます。
レントゲンは体を切り開かなくても内部の異常がわかるので大変便利な検査方法ですね。
レントゲン写真で、肺気腫以外の可能性?!
肺の病気を診断する場合に役に立つのがレントゲン写真です。
これは胸部X線検査と呼ばれていますが、肺気腫の他にも肺癌や肺炎、肺結核などの診断をする際の一つの判断材料として使われています。
レントゲン写真を撮った時に肺のあたりが真っ白になっていれば肺に異常がある疑いが持たれます。
インフルエンザなどで肺炎になってしまった人が町医者でレントゲンを撮った際に医者にうながされて見てみると、たしかに肺の部分が真っ白になっているのが確認できます。
しかし反対に真っ黒に映っていても肺の異常が疑われます。
肺気腫や気胸の場合は黒く映っている事が多いです。
レントゲン写真では様々な体の異常が判明する場合があるのです。
心臓や大血管もレントゲンで映し出す事が出来ますから、心臓病の発見につながる事も多々あります。
心不全が悪化すると肺水腫を発症したり、胸水が溜まった状態で見つかる可能性もあります。
レントゲン写真は会社の健康診断などでも使われていますから、上記のようなレントゲンから見つかる事も多い病気になっていても気が付かなかった場合は、偶然受けた会社の健康診断で病気が見つかって事なきを得たという事も多々あります。
レントゲン写真に異常なし、日々の生活改善に努めましょう
肺気腫を予防するために心がけたいのが煙草を吸わない事です。
今現在吸っている人は禁煙外来などを受診してタバコをやめる事をおすすめします。
肺気腫最大の原因になっている喫煙は、肺気腫の進行も促進してしまいますし、その他の部分でも体に悪影響を及ぼします。
病院の禁煙外来に行って禁煙を始めると、その成功率がかなり高いと言われています。
専門医に受診する事でニコチン代替え療法などが提案され、禁煙のための治療を受ける事が可能になります。
肺気腫はなりにくい体質となりやすい体質の人がいますし、喫煙習慣などでもかなり変わってきます。
更にタバコを吸っていなかったとしてもパチンコ屋に出入りしているなどで他人のタバコの煙を吸ってしまっている人などもいますから、禁煙したからといって安心できるかというとそうでもありません。
身近にタバコを吸っている人がいたり、自分が吸っていなくてもタバコの副流煙を吸ってしまっている可能性があったり、長年タバコを吸っている人の場合は、40歳以上になったら肺のCTスキャン検査を受ける事をおすすめします。
年に1回~数年に1回はCTスキャン検査を受けておくと早期発見につながる事も多々あります。
禁煙生活始めませんか?
肺気腫の主な原因のタバコ。なかなか止められないって聞きますよね。
でも、やはりタバコは身体には絶対に良い物ではないですよね。
健康な肺がスカスカになる・・想像するだけで結構恐ろしいです。
また、肺気腫の初期症状は、ありふれた症状で見逃されやすいのも、とても恐いですね。
なかなか難しいとは思いますが、何か違和感を感じている方は医者で診てもらって下さいね。