胃の不調に悩まされて病院を受診し、胃カメラ検査をすることになった事はありませんか?
何か悪い病気なのではないかと、検査結果を聞くまで心配な日々を過ごすことになりますよね。
そこで今回は、胃カメラの検査結果が出るまでどのくらいの日数を要するのかと検査にかかる時間、検査前にやっておくべきことについて調べてみました!
胃カメラの検査結果がでるまでにかかる時間
胃カメラの検査結果が出るまでの日数は、胃の状態によって異なります。
異常が見られない場合や症状の軽い胃炎程度であれば、医師がその場で診断してすぐに結果を伝えてくれます。
しかし、胃の粘膜に異常が見つかったりガンの疑いがある場合には、胃の組織を採取して検査をする「生検」を行うため、結果が出るまでに1週間程度かかります。
生検を行うのは
・潰瘍やその痕跡がある
・ただれている
・赤く変色している
・白っぽく見える
・凹凸がある
といった異常が見つかった時です。
採取した検体を検査機関に送り、そこで病理医が顕微鏡観察などの検査をした後に結果が送り返されてくるため、結果の入手に1週間程度かかってしまいます。
また、病院の規模によっても結果が出るのにかかる日数は変わります。
総合病院など、病理が院内にある大きな病院の場合は比較的早く検査結果が出ますが、個人病院など、検査を外注するところでは時間がかかることが多いです。
その他、血液検査など他の検査を同時に行う場合は、結果が出るのに時間がかかります。
結果が気になる胃カメラの検査自体にかかる時間
胃カメラの検査結果の入手にかかる時間は胃の状態によって異なりますが、検査自体にかかる時間も胃の状態によって違います。
検査では、内視鏡と呼ばれる胃カメラを口または鼻から挿入し、医師が胃の内部に空気を送り込みながらモニターで患者の胃の粘膜を観察します。
この観察にかかる時間は、口からでも鼻からでも同じで10~15分程度です。
問題がなければこれだけで終わりますが、胃潰瘍や胃ガンの疑いがある場合は、内視鏡の先に付いた小さなハサミで組織を採取するため、20~30分かかります。
採取した組織は生検に出され顕微鏡観察などを行うため、結果が出るまでにしばらく時間がかかります。
生検をすると胃ガンかどうかが分かるだけでなく、見つかったガンが転移の可能性の低い「分化型のガン」なのか転移の可能性の高い「未分化型のガン」なのかが正確に分かります。
また、検査にかかる時間とは別に、鎮静剤を使用した場合は検査後しばらく運転や仕事はできません。
病院によっては30分~1時間ベッドで休憩します。
胃カメラ前にやっておくべき準備!
胃カメラ検査のために行うべき事前準備は、絶食して胃の中を空っぽにすることです。
これ以外の準備はほとんど必要ありませんが、絶食は非常に大切です。
胃カメラの検査のために絶食しなければならない主な理由は次の3つです。
・胃の中に食べ物があると検査の時に嘔吐してしまう
・嘔吐すると誤嚥の危険がある
・食べ物が邪魔できちんと観察できないことがある
食べ物だけでなく、胃カメラ検査の前に薬を飲むこともよくありません。
小さな錠剤程度なら嘔吐の心配はあまりありませんが、薬の影になって潰瘍や出血を見逃してしまう可能性があります。
薬が邪魔で、異常が見つかっても組織の採取が困難になることもありえます。
特に胃に不調がある時、胃カメラ検査の前に自分の判断で勝手に市販の胃薬などを飲まないように気を付けましょう。
実際には、内視鏡に装備されている吸引機で多少の障害物は除去できます。
それでも、しっかりと診てもらい正確な診断結果をもらうためにも、絶食指示にはきちんと従いましょう。
胃カメラの検査時の注意点
胃カメラ検査には多少のリスクがあります。
局所麻酔などの薬でアレルギーを起こす可能性がある他、器具を挿入することで出血することがあります。
ひどい場合は器具が胃の壁に穴を開ける「穿孔」を起こしてしまうこともあります。
また、組織を採取した時に出血が止まらず、緊急処置の上、止血するまで絶飲食で入院しなければならないこともあります。
このように胃カメラ検査にいくつかの危険性があることは覚えておく必要がありますが、大切なのは、病気の発見のために胃カメラ検査が有用なものだということです。
ほんの数パーセントのリスクや副作用を必要以上に恐れる必要はありません。
ただし、抗凝血薬を服用している人は、特別な注意が必要です。
脳梗塞や心筋梗塞など、血管が詰まって流れが悪くなる病気を罹ったことのある人は、再発防止の目的で血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合があります。
もしこのような薬を服用した状態で組織の採取をすると、出血が止まらなくなる恐れがあります。
そのため、胃カメラの前には所定の日数、抗凝血薬の内服を中止することになります。
服用中に検査をする場合は観察に留め、観察の結果異常が見つかったら改めて入院して、点滴をしながら組織の採取を行います。
胃カメラの検査結果でわかる病気とは?
胃カメラ検査は、専門的には「上部消化管内視鏡検査」と呼ばれます。
胃がん、食道がん、十二指腸がんといった悪性腫瘍の他、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、胃ポリープ、十二指腸ポリープ、逆流性食道炎、ピロリ菌感染症といった良性疾患の検査に有効です。
胃腸は敏感な臓器なので、胃炎や胃潰瘍は身近な病気です。
自覚症状の有無に関わらず、検査を受けて結果を確認しましょう。
胃カメラで診断できる胃炎に、次のようなものがあります。
■表層性胃炎
胃粘膜の表面だけが軽い炎症を起こしている状態で、空腹時に胃の痛みや不快感が生じます。
■びらん性胃炎
胃の粘膜がただれた状態で、幽門部という胃の出口近くによく見られます。
出血を伴うこともあります。
■萎縮性胃炎
主にヘリコバクター・ピロリ感染が原因で、胃の粘膜が炎症によって萎縮した状態です。
食欲不振や食後の胃もたれを感じることがあります。
■ヘリコバクター・ピロリ性潰瘍
ヘリコバクター・ピロリに感染していると胃潰瘍を繰り返すことが多くなり、除菌治療の適応となります。
また、逆流性食道炎になると、様々な症状が出ます。
代表的な症状である
・呑酸(酸みが込み上げる)
・食道のつかえ感
・胸焼け
その他にも、
・耳痛(耳鳴り、フラフラ感)
・咽喉頭症状(喉のイガイガ感、嚥下しがたい感覚など)
・非心臓性胸痛(心臓の病気ではない胸の痛み)
・呼吸器症状(咳、喘息様症状など)
があらわる場合もあります。
胃カメラ検査!鼻と口からの苦痛の違い!
胃カメラは苦しいというイメージがありますよね。
病院によっては内視鏡を口から入れるか鼻から入れるかを選択できることがありますが、どちらの方が楽なのでしょうか。
それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
■口からカメラを挿入する場合
<メリット>
鎮静剤を注射するため、ボーッとしている間に検査を終えることができます。
鼻からの検査より短時間で終わることもあります。
<デメリット>
嘔吐反射が起こり、特に舌の付け根が敏感だと強い吐き気を感じます。
また、鎮静剤の効きが弱いと苦しいのを我慢して受けなければならなくなります。
■鼻からカメラを挿入する場合
<メリット>
なんといっても口から挿入する場合に比べて吐き気を感じにくいです。
鎮静剤を注射する必要がないため、自分でモニターに映る症状を確認しながら検査を受けることができます。
<デメリット>
鼻の中が狭いと痛みを感じることがあります。
鼻血が出ることもあります。
苦しくて検査を途中で中断してしまうと検査結果が出ないこともあるので、自分に合った方法を選んで受けられるとよいですね。
胃カメラの検査結果で異常が見つかったら、すぐに治療を!
胃カメラは、検査方法も変化してきて楽になってきたとはいえ、正直あまり何度も受けたくないですね。
しかし、病気の早期発見をする為には検査を受けることがとても大切です。
異常が見つかったら、すぐに治療を始めて下さい!