胃痛と吐き気が2日くらい続いていたり、発熱も伴っていたら注意が必要です。これらの症状には、急性と慢性の2種類の原因があります。
ウイルスに感染していたり、日常のストレスから内臓にダメージが出ていたり・・・
あなたの症状は何が原因なのでしょうか。
当てはまる症状などを参考に対処してください。
胃痛・吐き気が出る症状
胃が痛くなると吐き気を感じることがあります。これは食べ物を食道から胃、十二指腸へと運んでいく時に起こる「蠕動」という筋肉の運動が上手く働かないことが原因です。そうなると胃酸と共に逆流してくるので、その結果気分が悪くなるのです。飲み過ぎや食べ過ぎなどで胃に強い負荷を掛けるとなりやすいのですが、ストレスや食中毒によって引き起こされる場合もあります。
胃痛と吐き気をもよおす病気の代表格はやはり「胃炎」でしょうか。胃の粘膜が爛れることで腹やみぞおちの辺りが痛み、吐き気や下痢といった症状に見舞われます。主な原因は疲れやストレス、度を超した量の食事、アルコールや辛い物の摂り過ぎ、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
この他にも胃酸過多による「逆流性食道炎」は、その名の通り胃酸が喉元まで上がってくることで喉がつかえ、咳が続くことがあります。食道が炎症を起こすとこうなります。炎症が胃や十二指腸に発生すると潰瘍となり、胃の場合は食事の最中や後に痛みを感じ、十二指腸は空腹か夜中に痛みます。この場合は、何でもいいのでお腹の中に入れましょう。
胃痛・吐き気の原因は他にもある
胃が痛む原因は、決して胃酸だけではありません。アニサキスという寄生虫を取り込んだ時にも起こるのです。アニサキスはサバやイカの体内で育ち、これらを餌とするイルカやクジラの中で卵を産み付けます。このアニサキス入りのサバやイカは、我々が口にしてしまう可能性もゼロとは言い切れません。人の身体に入り込んだアニサキスは、頭部の歯を使って胃や小腸に取り付きます。すると一定の間隔で激しい胃痛と吐き気に襲われます。寿命は1週間ほどですが、死ぬのを待つよりは病院へ行って取り除いた方が賢明です。特に日本は生食文化があるので、寄生虫の危険性は高いのです。幸いにもマイナス20℃以下では生きられないため、冷凍するといいですよ。
これ以外なら盲腸を疑いましょう。みぞおちから腹の右下にかけて痛むので、単なる胃痛だと思い込んでしまうことがあります。手術や投薬で治るので、怪しいと思ったら病院で検査することをおすすめします。またアルコール摂取による急性すい炎、肝炎も似たような症状が出ます。どれも放置しておくと大変危険なので、すぐに病院へ行きましょう。
胃痛・吐き気に発熱も出たら
胃痛と吐き気に発熱が加わった場合、急性胃腸炎を疑いましょう。これはノロウイルスやロタウイルスに感染すると起こりやすく、特にロタは下痢と嘔吐で体内の水分が大量に失われるため、体力のない赤ちゃんなどは命を落としかねません。
胃腸炎は何らかの細菌を取り込んだことで胃や小腸が炎症を起こす病気です。症状は個人差がありますが、大抵は嘔吐や下痢、腹痛、熱などです。人によっては痛みが激しいせいでまともに物が食べられず、睡眠もろくに取れなくなってしまうそうです。
何に感染したかでいくつかのカテゴリに分けられますが、中には細菌が原因ではないものも存在します。ノロなどのウイルスの場合、1~3日の潜伏期間がありますが、細菌だと半日程度で発症します。ですが治るのも早く、1週間ほどで良くなるそうです。しかし種類次第では数週間かかることもあり、さらに便の中に残っていることも多いので、下手をすると二次感染が起こるかもしれません。
胃痛・吐き気・発熱を出す胃腸炎の原因
胃腸炎になる原因は実に様々です。今回はそれらについて、詳しく見ていきたいと思います。
1.カンピロバクター、サルモネラ、O-157、H-7、旅行者下痢症の原因菌
有害な物質が付着した食品や水、無殺菌の牛乳などの摂取を始め、汚れた水で泳いだり、一部のは虫類に触ると感染します。抗生物質を打てば回復が早まります。
2.赤痢アメーバ
感染源は上記と同様です。他の臓器にもうつる可能性があります。
3.コレラ
やはり感染源は同じです。痛みを伴わない下痢や嘔吐などが起こります。誰かとの接触で感染することが多く、特に触れ合うことが多い場所は要注意ですね。
4.各種ウイルス
これらは季節ごとに流行するものが異なり、抗生剤などは使いません。ロタウイルスに限り、赤ちゃん用のワクチンが存在します。
5.その他
身体に良くない食べ物や貝類に含まれる微生物が原因です。
経口感染ウイルスや菌の付いたものを口にすることです。特にノロは感染力と生命力が強いので、冬でも油断は禁物です。子供の胃腸炎はほとんどがノロです。二次感染胃腸炎の罹患者の吐瀉物や便から感染することです。手洗いや清掃が十分でないと、空気中やドアノブなどからうっかり取り込んでしまう危険性があります。また生の貝類を食べることで発症することもあります。
胃痛・吐き気・発熱を出す胃腸炎の原因は、ウイルス以外にも
抗生物質などを始め、化学療法や放射線療法、痛風や心臓の病などに使う薬を飲んでも嘔吐や下痢が起きることがあります。これを副作用と見なすべきかどうか見極めるために、まずは薬を飲むのを一旦やめて、症状が落ち着いてきたかを確認するといいですよ。このような症状が出ないように、胃の粘膜を守ってくれる薬も処方されることがあるようです。
胃腸の調子が良くない時は、ストレスを疑ってみましょう。内視鏡検査をしても異常が見当たらないにもかかわらず、痛みやだるさを感じているのならストレスの可能性が大きいです。下痢や吐き気が伴うこともあります。この症状に陥りやすいのは、会社でそれなりの地位にいる人や、仕事が多すぎてあまり眠れていない人、何か悩み事がある人などだそうです。この場合、個人に合ったやり方で溜め込んだストレスを発散させて下さい。カウンセリングや、漢方薬を飲むのも悪くありません。
上記に当てはまらない人も、揚げ物や辛い物、冷たい物を極端に避けようとはせず、バランスの良い食事と生活リズムを整えることを心掛けましょう。
胃痛・吐き気・発熱の予防法
急性胃腸炎にはもちろん予防法も存在します。今回はそれをいくつかお教えします。
まず細菌が原因のものは夏に多いです。油断すると食材がすぐに腐る季節なので、知らずに食べてしまうことで発症というケースがよくありますね。これを防ぐには買ったものをすぐ冷蔵庫に入れて、生ものもなるべく火を通すようにしましょう。
ウイルスは学校や職場など、人の多い場所で感染することが多いです。これはマスクやこまめな手洗いで防げます。
ストレス性のものは比較的軽症で済みますが、それでも下痢や吐き気、胃痛などは辛いですよね。とはいえストレスの原因を取り除くのはかなり難しいことです。なので、最適なストレスの発散方法を見つけて下さい。打ち込める趣味や十分な睡眠などがおすすめですよ。
ビタミンCが効果的なので、柑橘類を食べてもいいですね。すぐに出来るのはやはり手洗いです。家に帰った後やトイレを利用した後、調理や飲食前などには絶対に手を綺麗にしましょう。腕時計やアクセサリーは外し、石鹸を使って手首までしっかり洗います。殺菌効果のあるアルコールスプレーも有効ですが、ノロには効きません。また皮膚や粘膜を傷付ける恐れもあります。洗い終わったらタオルできちんと水気を取って下さい。爪を短くするのもポイントですよ。
胃痛と吐き気はだれでも起こりえます
現代社会はストレス社会と言われます。また海外からの輸入物で溢れ、外国人旅行者も多いです。反対に気軽に海外旅行に行くことも出来るようになりました。そうなると胃痛の起こる原因は様々ですが、その原因のどれかにはまってしまう方は少なくないと思います。皆様は、もちろん胃痛で苦しみたくないですよね。そのために出来ることは説明した通りです。覚えておいて損はありません。