胸の痛みの原因。チクチク痛む。判断基準と対処法教えます!

最終更新日:2022/10/05

胸の痛みはチクチクやズキッなど様々です。胸と言っても右と左では違います。痛みが治まったから放置なんて方も多いのではないでしょうか。胸の痛みは命の危険性すら疑われます。そこで今回は胸の痛みについて、痛み方や場所で疑われる病気や対処法をまとめたいと思います。

チクチクする右側や真ん中の胸の痛み

右胸の痛む病気には、胆嚢に炎症が起きる「胆嚢炎」、肝臓で生成される胆汁の成分が固まる「胆石症」、肝臓に結石が生じる「腎結石」、そして肋骨が折れる「肋骨骨折」があります。
胸部右から中央が痛む病気には、胸骨が折れる「胸骨骨折」、肺表面を覆う臓側胸膜と胸壁、横隔膜に炎症の起きる「胸膜炎」、結核菌に感染する「肺結核」、胸腔の中で気体が肺を圧迫し、空気を取り込めなくなる「気胸」、慢性気管支炎と並んでCOPD(慢性閉塞性肺疾患)である「肺気腫」、細菌やウイルスなどの病原体に感染し肺が炎症する「肺炎」、肺炎の一種で「肺膿瘍」とも呼ばれる「肺化膿症」、心臓から肺動脈に血栓ができる「肺血栓塞栓症」、左右の胸郭を分けている縦隔に腫瘍ができる「縦隔気腫」、胸膜で細菌に感染してしまい炎症を起こすとできる「膿胸」肺組織内に悪性の腫瘍ができる「肺がん」、急性的に胃の粘膜に炎症が起きる「胃腸炎」、食道へ胃酸が逆流して炎症する「逆流性食道炎」、皮膚や粘膜の組織が破壊され、ただれている「胃十二指腸潰瘍」、いまだに死亡率が高く重篤な「食道破裂」、大動脈の内膜に亀裂が生じる「解離性大動脈瘤」があります。

チクチク、ズキッとする左側の胸の痛み

左胸といえば心臓がある場所ですが、実際には胸のほぼ真ん中に位置し、そこから少し左に傾いています。そのため心臓は左胸にあるというイメージが強く根付いています。左胸の痛みを引き起こす病気は、やはり心臓が関係しているものが多くあります。左胸の痛みの原因として考えられる病気として、冠動脈の異常によって起こる心筋の虚血のため胸が痛む「狭心症」、その狭心症が悪化した状態である「心筋梗塞」、心筋に炎症が起き細胞が破壊される「急性心筋炎」、心臓の機能が著しく低下し、慢性的なものから急速に悪化する「急性心不全」、不整脈の一種で心房が小刻みに収縮する「心房細動」、動悸・息切れ・呼吸困難・めまい・胸痛を引き起こす「心臓神経症」、膵臓に急性な炎症が起こる「急性膵炎」、胸部全体を覆う肋骨の骨折「肋骨骨折」などがあります。しかし激しい痛みや重大な異常がなくても起こる胸痛もあり、胸痛は怖いという不安感から症状が悪化してしまうこともあるようです。

チクチクする女性に多い胸の痛み

女性が非常に不安を抱く女性特有の胸部の痛みの原因には、「生理」「妊娠」による痛みの他にも次のような病気の可能性もあります。乳腺が詰まって炎症が起こり痛みや発熱を有する「乳腺炎」、女性ホルモンのバランスの乱れにより乳腺に起こる「乳腺症」、乳腺に乳がんによく似た良性のしこりができる「乳腺線維腺腫」、乳房内に悪性の腫瘍ができる「乳がん」、非常に珍しい乳がんの一種で乳頭や乳輪にただれをともなう湿疹が出る「乳房パジェット病」。
乳がんは男性にも起こりうる病気ではありますが、圧倒的に女性が発症することが多く、また乳がんに限らず、女性の象徴ともいえる乳房の病気に不安になる女性は大勢います。正しい知識をつけ、少しでも不審な兆候がみられた場合は、早めに病院へ行くことが大切です。年齢に関係なく、命の危機にさらされることはもちろん、自分の乳房を失うことは女性にとって耐えがたいことです。日頃の検診と早急な対応は、自分の乳房と命を守る可能性を高めてくれる唯一の方法ではないでしょうか。

女性は特に気をつけて

北斗晶さんや小林麻央さんのような芸能人の乳がんのニュースを聞き、乳がんに恐怖を覚えた女性も多かったのではないでしょうか。乳がんの検査はどこを受診したらよいのかご存知ですか。基本的には、意外にも婦人科ではなく外科が担当するそうです。しかし中には、乳がん検診が行える婦人科や乳腺科があるので、そちらでも受診が可能です。
問診・触診・エコー診断・マンモグラフィーなどで調べます。胸のチクチクした痛みを感じたことがある方は、乳がんを疑うかもしれません。しかしすべてが乳がんというわけではありません。乳がんによく似た症状で乳腺症というものがあります。乳腺症は乳がんや授乳中の母親がなる乳腺炎とは異なり、35~45歳ころに発症しやすく症状が軽度だと薬や治療なしで経過観察のみということあります。またこの症状から乳がんに移行することはありません。どちらにしても検査をしてみなければわからないことですので、乳がんであっても乳腺症であっても病院を受診してみましょう。

胸が痛い場所ごとに何科にいくか変えたほうが良い

一概に胸の痛みと言っても、実は胸の痛みの専門科は存在しません。しかし一般的に胸の痛みがある場合は循環器内科を受診することが多いようです。循環器内科は心臓や血管に関する病気を幅広く扱っています。胸の痛みを引き起こす狭心症や心筋梗塞、心筋炎などにも対応してくれます。しかし、症状がひどく手術が必要な場合は循環器外科で手術を行うこともあります。
また、胸の痛みを伴う病気は一概に心臓や血管に原因があるものばかりとは言えません。例えば、肺に問題がある気胸は呼吸器内科や呼吸器外科に受診した方が、より専門的に対応してくれます。痛みの原因がはっきりしないうちは、まずは大きな病院を受診し、それから専門の科を受診するのが賢明でしょう。
また子供の場合は大人に比べて胸の痛みを訴えることは少ないと言われています。しかし痛みを訴えており明らかに異常がある場合はまず小児科を受診し、必要であれば専門的な科を紹介してもらうと良いでしょう。

生活習慣を見直し、しっかり予防

胸痛予防の習慣を正しく取り入れることで胸の痛みを和らげることが出来ます。しかし症状や他の病気との関係、体質によっては逆効果になることもあるので注意が必要です。不安な場合や実際に行ってみて違和感がある場合はいったん中断して医師に相談しましょう。
・塩分を控える
塩分と水分の多量摂取は高血圧から動脈硬化を招き、狭心症や心筋梗塞の原因となります。
・糖分を控える
糖分を過剰に摂取すると肥満に繋がり、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病を招きます。そして高血圧から心筋梗塞などの危険が高まります。また骨粗しょう症にもつながるため肋骨骨折になりやすくなります。
・運動をする
運動不足は動脈硬化につながるため、心筋梗塞などの危険が高まります。ただし今の段階で運動すると胸が痛む場合はすでに狭心症の可能性があるため医師に相談しながら運動や食習慣を改善しましょう。
・禁煙をする
たばこのタールは肺に炎症を起こし、ニコチンは血圧や脈拍を上昇させ心臓への負担を強めます。また動脈硬化の原因にも繋がります。
・ストレスを減らす
ストレスを溜めると動脈硬化を起こしやすくなります。また過剰なストレスは心臓神経症を招き、あたかも心臓病であるかのような痛みを引き起こします。
・アルコールを控える
飲酒後は噴門が緩み食道に胃酸が逆流し、逆流性食道炎を招きやすくなります。また、食道がんのリスクも高めるので過剰摂取は控えましょう。

胸の痛みは病気のサインです

胸の痛みを感じたら、まず何かの病気になったのではないかと疑い、病院へ行きましょう。何もなければないで越したことはありません。何もなくて、無駄足だったと感じることなく、何もなくてホッとしましょう。それだけ胸の痛みを発する病気は怖いものなのです。もちろん予防するのも忘れないでくださいね。

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