前日にハードなスポーツをやった、重いものを運んだということがあれば、腕が筋肉痛になってもおかしくありませんが、そんなことをしていないのに、筋肉痛とは違っただるい痛みが生じることがあります。これはある特定の病気の兆候の可能性が高いです。今回は腕のだるさについてまとめますので参考にしてください。
筋肉痛ではなく腕がだるいのは動脈異常!?
腕がだるい。
腕が筋肉痛のように感じる。
そのような場合はもしかすると病気が原因かもしれません。
胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome)は腕が血行不良となる状態です。
脳からの命令を伝える腕神経叢を押すと痛むのが特徴です。
鎖骨の下の動脈が圧迫されているならば腕の血行不良で腕全体が白くなり痛むようになります。
鎖骨の下の静脈が圧迫されているならば腕が青紫色になります。
筋肉量の不足と老化が関係あると言われており、患者は女性に多く、年齢にしても20歳後半から60歳くらいまでと幅広く、男性の10代や70代にも見られることがあります。
閉塞性動脈硬化症は手足の血管に動脈硬化を起している状態です。
動脈硬化によって血管は狭窄して血液を十分に運ぶことができず、手足の痺れ、冷感、安静にしているのに痛みがある、一定の距離を歩くとふくらはぎが痛む、そのような症状が現れます。
血行不良ということで最悪の場合は壊死してしまうこともあり、生活習慣病の一つとして考えられています。
筋肉痛ではなく腕がだるいのは頸椎異常!?
首がだるい。
首に筋肉痛のような痛みがある。
首が引きつる。
そのような場合は疲労が蓄積しているかもしれません。
首の骨は重い頭を支えています。
成人の頭の重さは5kg程度になりますし、腕の重さや手に持った荷物の重さも加わるので、頚椎は寝ているとき以外は負担がかかっており、首の骨、つまり頚椎に問題が生じることがあります。
変形性頚椎症は頚椎の歪みから生じる症状のことです。
筋力量の低下や加齢によって頚椎が歪んで、しびれや痛みが生じます。
頚椎の加齢現象は20歳後半から始まるとされており、また栄養素にしてもマグネシウムの不足・過多で発症すると言われています。
頚椎椎間板ヘルニアは首の椎間板が飛び出してしまうことです。
腰だけでなく首にも骨と骨をつなぐ椎間板があります。
椎間板はゼラチン状の繊維軟骨で衝撃を吸収する役割があるものの破裂して徐々に飛び出てしまうことがあります。
飛び出した椎間板が神経を圧迫することで痛みが生じます。
治療は安静にすることが基本です。
それから薬の服用や首の牽引を考えることになり、患者は40歳以降から多く見られます。
筋肉痛ではなく腕がだるいのは脳卒中!?
脳卒中は、脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血などの脳血管が破れたり詰まったりすることで起きる病気の総称です。
脳卒中に至る前兆を知っておくと脳の血管の異常に早く見つけられるかもしれませんし、脳卒中で倒れてしまう前に病院に行くことで軽い症状で済むかもしれません。
脳卒中の前兆としては、腕がだるいことがあります。
細かく見ていけば、腕の力が抜けるように感じたり、腕の内部がだるかったり、運動もしていないのに筋肉痛のように痛んだり、そのような前兆が腕に現れます。
左右どちらの腕にも脳卒中の前兆は現れるのですが、どちらかと言えば左腕に起こることが多いです。
そして両方ではなく片方の腕に前兆が現れることがほとんどです。
他にも腕に現れる脳卒中の前兆を調べる方法もあります。
目を閉じて両腕をまっすぐ前に突き出して、手のひらを上へ向けます。
そのときにどちらかの腕が内側に回転しながら下がっていくと麻痺が始まっていると言われています。
そのような場合には早急に病院へ行きましょう。
女性で腕がだるいのは乳がん!?
乳がんは、がんの中では症状が分かりやすいものだと言えます。
自分ががんではないかと病院を受診する女性の7割は「胸にしこりがある」と訴えますし、自分で発見しやすい部類ということなので、乳がんから起こる症状を知っておくことで発見が早くなり、治癒率を高めることができると思います。
乳がんでは胸にしこりが現れるということはよく知られています。
しこりが皮膚表面に近い場合は乳房の形が歪みます。
赤く腫れたり、くぼんだり、乳頭から血液や膿が出たりすることがあります。
脇に痛みやしこりが現れることもあります。
それは乳がんが脇下のリンパ節に転移しているからです。
痛みとしては筋肉痛が一番近いでしょう。
がんの転移した側だけに症状が現れます。
腕がだるいこともあります。
がんが脇下のリンパ節に転移することで生じる症状の一つで、転移した側の腕にだるさを感じるようになります。
また、腕が疲れやすかったり手がこわばったり物をよく落としたりすることも特徴的です。
腕のだるさは姿勢とストレッチで予防
頚椎の疾患で手や腕がだるい・痺れている・痛みが生じるといったことがあります。
そのような場合は、まずは整形外科を受診すると良いでしょう。
症状が出る前であれば自分で行う改善策が大切になります。
筋肉を温めたり筋トレしたり保存的療法と呼ばれる方法を行っていくことでも予防できます。
それでも筋トレで筋肉痛が出た場合は筋肉のパワーを発揮し難い状態なので普段より気をつけましょう。
仕事や家庭での日常生活の中にも気をつけるべきところがあります。
パソコンを使っているときに顎を前に突き出していることに気づいたらストレッチしましょう。
両腕を広げて胸を開くようなストレッチを行うと良いです。
うつむいている姿勢を長く続けた場合はゆっくりと頭を回して首の筋肉をストレッチします。
デスクワーク中では腕を下げっぱなしにしているので腕を頭の上にして伸びをすると良いでしょう。
寝るとき姿勢は、バンザイの姿勢で寝る人、横向きで寝る人、それらの姿勢の人は腕を圧迫して血行を阻害しないように注意しましょう。
腕のだるさはスポーツの影響かも!?
腕がだるいというのは筋肉痛などの運動のしすぎやスポーツ特有の怪我で起こりうることです。
ジョギングやランニングなど長距離を走ることで腕を振り続けることによる背筋に疲労が溜まります。
背筋が疲労することで背中だけでなく肩関節周辺の小さい筋肉で腕を振るようになると首から肩にかけて乳酸が溜まって、肩こりに似た痛み、だるさ、張りが生じます。
ゴルフ肩(スイングショルダー)といってゴルフをした後の症状でも腕がだるかったり痛んだりします。
さらに左の肩甲骨内側に痛みます。
肩の痛みということで四十肩や五十肩と勘違いしがちですが、それらでは外旋の可動域が低下しますが、ゴルフ肩ではそのようなことはありません。
テニスでは腕全体というよりは肘に負担がかかるので、上腕骨外側上顆炎(バックハンドテニス肘)や上腕骨内側上顆炎(フォアハンドテニス肘)が生じます。
40代から50代の女性に多いようです。
スポーツ以外であればキーボードやマウス操作が腕のだるさを引き起こすことがあります。
指が手首よりに上げていたり手の甲を常に引き上げていたりすることで腕に疲労が溜まることが原因です。
あなたは腕がだるくないですか?
今この記事を読まれたのは、腕がだるいからではないですか?
今だるいと感じているなら、この記事の原因のどれかに当てはまるかもしれません。
筋肉痛と勘違いしていませんか?
もしかしたら命に関わる病気の前兆かもしれませんよ。
まずは何より病院で診てもらってください。原因が分かれば、早期回復に繋がりますからね。
皆様が今後健やかに過ごせますことを願います。