腕の関節が鳴るのはどうして?原因を明らかにしていこう。

最終更新日:2022/10/01

腕には肩、肘、手首、各指にはもっと細かく関節があります。関節が鳴ることは良くありますが、鳴らすのは良くないと耳にします。
音が鳴るのが気持ち良いという方もいれば、音が鳴ると同時に痛みを伴う方もいらっしゃいます。
今回は腕の関節構造と音の鳴る原因と解決策についてまとめてみました。

そもそも関節が鳴るのはどうして?

ストレッチなどをしていて体勢を変えたり、関節を曲げ伸ばしした時に関節から「ポキッ」とか「コキッ」とかいう音がする事があります。
人によっては首や指の関節をわざとポキポキ鳴らすのが癖で気持ち良いという方もいますよね。
関節が鳴ることについてはいくつかの説が言われていますが、有力だと考えられているのは関節の中を液体が移動する時に出る気泡の破裂音だという説です。
え?気泡?カラダの中に?と不思議に思いましたよね?
人の関節は抵抗なく動くように、潤滑油のような液体で包まれていて、本来この液体は関節の動きに合わせて滑らかに移動するようになっています。
しかし、無理な角度で動かしたり、筋肉の柔軟性が欠けていて関節が思うように曲がらないと、圧力がアンバランスになり、この潤滑油が急激にしかも窮屈なほうへ移動するということが起こります。この時の極端な圧力差によって突然発生する気泡の破裂音が骨や皮膚に響き音が変化するのでは?と考えられています。
それ以外だと、硬くなった腱が軋む音だと言われたり、骨がずれてぶつかる音とも言われています。
この音についてはまだまだ謎が多いのが現実です…

腕の関節が鳴るのは癖になってしまう

ポキポキ鳴らしてしまう人は、どうして癖になってしまったのでしょうか。それには色々な説がありますが、良く分かりやすいのが“ストレッチ効果”です。カラダを酷使していると疲労物質が溜まり、筋や靱帯の柔軟性が失われていきます。そこで強い力で固まってきた関節を引き伸ばすことで、組織がストレッチされ、柔軟性の改善や血流の改善などの効果を得られ、その時に“ポキッ”と音が伴うと「この音によって良くなっている」と脳にフィードバックされ、これが気持ち良いと感じ、癖になってしまいます。
主に破壊される関節軟骨には神経、血管が無いために、その破壊による痛みを感じとる事ができません。どんどん破壊される関節内部の組織浸蝕には気づく事ができず、「ストレッチ+音」による快感をフィードバックされてしまうことで止められなくなってしまうということなんです。しかし実際に起こっている事はストレッチ効果だけでなく関節内破壊で、とても危険な事です。すぐに止めたほうがいいでしょう。

腕の関節が鳴る癖を治しましょう

まずは関節を鳴らすことを止めると心に決めましょう(笑)。軽いものなら2週間も我慢すれば鳴らなくなります。
しかし長年かけてポキポキ鳴らし続けた関節はそうは簡単に治りません。それを治すには荷重をかけたストレッチが有効です。指の場合はゆっくりと音が鳴らないくらいでゴムボールを20~30回程度握りましょう。筋肉の引き締め効果によりルーズニングが少しずつ解消されます。首のポキポキには、頭を良い位置へ戻すことが大事です。仰向けになってバンザイをしたらあごを引いて後頭部をわざと床へ押さえつけましょう。
次は少し負荷をかけてあげると良いでしょう。ダンベルじゃなくても握りやすい形の500mlのペットボトルでもいいでしょう。500mlのペットボトルだってお水を満タンに入れれば十分筋トレになります。ゆっくりのスピードで腕の関節と筋肉に刺激を入れてあげましょう。
もし、鳴らしたい衝動に襲われたら、鳴らない程度にゆっくり伸ばすこと。これによってストレッチが得られひとまず欲求が満たされます。音が鳴っているのは破壊行為であり、快感を得ているのはストレッチ効果と覚えて下さい。これが理解できればだんだん怖くなってくるはずです。先ほど書いたように気泡説が濃厚とされていますので、骨のずれが良くなったとか、良い位置に戻ったなどということは考えにくいのでいつもポキポキ鳴らすのは決して良いこととは言えません。

腕、肩関節を正しい位置へ戻してあげよう

関節が鳴るということは、カラダの各パーツが正しい位置にないということです。肩こりや首こりのない方は音は鳴りません。カラダの各パーツを正しい位置に戻してあげるストレッチと姿勢を気を付けましょう。

〖肩、肩甲骨の位置〗
良く言われている猫背は、肩甲骨どうしが離れて外側に移動してしまっています。それを元の位置に戻そうとする運動をすると効果的です。
左右の肩甲骨で、背中の肉を押し挟むようなイメージで肩甲骨を動かしてみましょう。
両手を後ろで合わせて肘を伸ばし胸を張りながら、両手をお尻から遠ざけるのもいいでしょう。

〖脇の下を伸ばす〗
日常生活の中で脇の下の筋肉を伸ばす動作は殆どありません。鉄棒や雲梯にぶら下がるのも効果大です。
このストレッチが難しい人は、腕を上げ腕と脇を壁にぴったりくっつっけてみましょう。
〖胸椎を突き出す〗
腕を自然に垂らした状態で、体の方に向いている手のひらを外へ向けるように捻ります。この動作を胸を開く動作に合わせて大袈裟に行います。腕は限界まで捻ります。

〖肩回し〗
背泳ぎをするように大きく腕を後ろ回しにしましょう。

知らず知らずのうちに腕の関節に負担をかけているかも

最近では一人1台パソコンを持ち、仕事でもパソコンを使い、移動中はスマートフォンにくぎ付けになっている方は多いのではないでしょうか。パソコンやスマホの操作中の姿勢はどうですか?背中は丸まり、頭も前へにゅっと出てきていませんか?
カラダの中で頭はとても重いパーツです。頭が前へ傾くだけで肩、腕、首、背中、背骨に負担をかけているということになります。最近では2人に1人がなっていると言われている側弯症も懸念されます。
さらに、呼吸を止めて歯を食いしばってデスクワークをしている方も多いのが現状です。呼吸を止めて上半身に余分な力を入れて何時間も仕事をしていれば肩こりや頭痛が起こるのも当たり前ですよね。
心当たりがある方は腹式呼吸の練習からしてみましょう。腹式呼吸をすることによって自律神経の働きを整えることが出来ます。

☆腹式呼吸の練習☆
まず仰向けになります。

両手をお腹の上に置きます。

お腹の中に風船が入っているとイメージしましょう。

鼻から風船に空気を送り込みましょう。お腹を大きく膨らませます。

風船がいっぱいになったら今度は口から、細く長く「ふぅ~」とわざと声に出しながら風↓
船の空気を抜きましょう。お腹をへこませます。

10回を目安に繰り返しましょう。

お腹が大きく動いてくるようになればOKです。
女性は胸の方へ空気を入れる胸式呼吸のほうになりやすいので注意しましょう。

まとめ【腕の関節が鳴るのはどうして?原因を明らかにしていこう。】

腕の関節だけでなく、様々な関節で音の鳴る原因についてはまだまだ謎が多いですが、何となく納得していただけましたか?関節は安易にポキポキ鳴らすものではないということだけわかって頂ければ幸いです。
メンテナンスをして関節もカラダも長持ちしてもらいたいものです。日頃の意識一つでカラダは変わってくれます。できそうなストレッチから習慣化してみてくださいね。

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