急に腰が痛くなることってありませんか?
腰の痛みといっても、我慢できないほどの激痛がしばらく続いていたり、手足のしびれがある場合は、腰のヘルニアの症状かもしれません。
ヘルニアになる原因と症状、手術が必要な場合の手術方法と術後についてをご紹介します。
腰のヘルニア!腰椎椎間板ヘルニアって?
ある程度の年齢になれば、椎間板ヘルニアという言葉を一度も耳にしたことのない人はおそらくいないのではないでしょうか。
でも、どういう病気なのかを知っている人は少ないかもしれません。
そもそも、椎間板とは何かというと、脊椎を構成する骨と骨の間にあるゼリー状の物質で、骨どうしがぶつかり合わないようにいわばクッションの役割をしているもの。
それが何らかの理由で、あるべき所になくなってしまうことを(臓器一般について)ヘルニアと称します。
本来の位置からはずれた椎間板が飛び出し、それが腰の神経などを圧迫することで、強い痛みや痺れが引き起こされます。
重傷化すれば手術が必要になることもあります。
日頃からそれらしい症状が出てるとは限らず、突然、腰に激痛やしびれが起きることでカラダの異変に気がつきます。
腰椎椎間板ヘルニアが起こるきっかけとなるのは、腰に負担がかかるようなカラダの使い方をすることです。
ことに、運搬業など重いものを持ち上げたり運んだりする仕事をする人には、日常的に腰に負担がかかることになるため、腰を痛めるリスクを多く抱えていることになりますが、原因は他にもいろいろあります。
腰の痛み・・これって腰椎椎間板ヘルニアの症状?
腰椎椎間板ヘルニアは、症状としては、いわゆる「ぎっくり腰」のかたちで現れ、腰のあたりに激しい痛みを伴います。
症状は、腰や臀部のみならず、下肢などにも現れます。
具合が悪くなっているのは腰ですが、痛みを脳に伝える役割をになう坐骨神経と中枢にある脊髄が、足の痛みとして脳に伝えてしまうために、腰椎椎間板ヘルニアでも、ふくらはぎや足に痛みを感じてしまうのです。
発症直後の症状の重さは人によりさまざまで、腰の激しい痛みで動けなくなってしまうことや、鈍い腰痛を覚える、手足にしびれを感じるなどいろいろです。
ただ、手術を要することは希で、しばらくすると症状が消えてしまうことはどの場合にも共通しています。
腰椎椎間板ヘルニアでは、腰痛のほかに臀部からお尻、太ももの後ろ、膝から足首、つま先まで痛みが及ぶ場合もあり、その場合は坐骨神経痛と診断されます。
腰椎椎間板ヘルニアは、発症後1〜3週間程度で症状は感じられなくなりますが、繰り返すことが多いので、腰だけでなく足にも痛みを発症するところまでいくと、要注意かもしれません。
腰椎椎間板ヘルニアによる腰の痛みの原因は?
椎間板はゼリー状の物質で背骨をつなぐクッションの役目を担っています。
このゼリー状の物質が押し出されて腰やまわりの神経に当たることで、痛みやしびれなどの症状を引き起こします。
症状がひどいと手術が必要になることもあります。
椎間板が破けてしまう原因は老化現象ともいえますが、かならずしも老年に達していなくとも、20歳を過ぎた頃から椎間板はだんだんと弾力性を失っていき、日常生活のなかのちょっとしたカラダの使い方次第で、突然、発症する病です。
重いものを持ち上げることはもとより、単に軽く腰をひねった程度でも、いとも簡単にヘルニアは起こりえます。
加齢のほか、偏食によるカルシウム不足で骨が変形したり、もろくなっている場合にも起こります。
普段生活するなかで、椅子に腰掛けるときの姿勢が悪かったり、食卓でテレビを観るときなど、位置の関係でカラダをひねって観ることが習慣になっていたりすると、骨盤のずれやゆがみを招来し、それがきっかけでヘルニアになります。
要するに、椎間板ヘルニアを発症するのは、何らかの形で背骨に負担がかかっていることが原因なのです。
辛い腰の痛み!ヘルニアの治療法は?手術を受ける場合って?
腰椎椎間板ヘルニアは必ずしも手術が必要とはかぎりません。
多くは手術なしでも、時の経過とともに治っていきます。
治療を施す場合は、まず、保存療法を行います。
保存療法には、これ以上症状を悪くしないために、腰にコルセットを用いることで、カラダの安静を保ちます。
次に、薬物療法を行なう場合は、炎症を抑える薬や、筋肉を弛緩させる薬剤を使用して痛みの軽減に配慮します。
それらと同時並行して自分でも行えるのが、痛みのある部位を温めることによって、痛みを和らげる治療法です。
温めることによって筋肉のコリをほぐし、新陳代謝を促進して血行をよくします。
ストレッチを行なって血流をよくすることもいいかもしれません。
それでも疼痛がおさまらない場合には、痛みをブロックする治療を行いますが、大抵は、3ヵ月程度の保存療法で治癒されます。
しかし、運動麻痺が進行したり、排便傷害がでてきたりする場合には、手術に踏み切ることになるかもしれません。
ただし、手術が必要なケースは10%から30%程度に留まります。
腰のヘルニアの手術方法って?
腰のヘルニアの手術は、問題の椎間板を切除することが一般的ですが、手術は肉眼で部位を確認しながらの手術のほか、内視鏡を用いて手術によるカラダへの負担をできるだけすくなくする方法もあります。
大抵の場合、手術は椎間板を切除するだけにとどめられますが、同じ場所にある椎間板が何度も痛んだり、ヘルニアの範囲が大きい場合には、同時に脊椎を固定するための追加の手術を同時に行う場合があります。
以下に、主な手術の方法を記述します。
「ラブ法」は、椎間板ヘルニアの手術としては一般的で全身麻酔を用います。
背中側を5センチほど切り開き、腰椎の一部を削って、肉眼で問題の部分を確認しながら切除する方法で、入院期間はざっと1週間から3週間です。
「マイクロラブ法」は、患部を肉眼でみながらではなく、マイクロ顕微鏡を使用して切開する方法です。
入院期間は1週間から10日位です。
「MDE法」は、比較的新しい手術方法で、内視鏡を使用してモニターをみながら手術を行います。
傷口はほんの小さくて済み、術後の回復も早く、カラダへの負担を最小限におさえることができます。
入院期間は1週間程度です。
ただし、導入されてからまだ日が浅いため、内視鏡の扱いに熟練した医師でないと対処できない可能性もあります。
今のところ対応できる病院はあまり多くありません。
よほど重傷のケースでは、上記以外の手術法が適用されるかもしれません。
手術を考える前に自分で出来る腰のヘルニアの予防法
腰椎間板ヘルニアにならないためにはどうすればいいのでしょうか。
予防のために普段からできること、気をつけることを挙げてみます。
一つは、筋肉疲労をためないこと。
日常生活のなかではハッキリと意識しなくとも、いつのまにか筋肉疲労がたまっています。
それが睡眠不足や栄養バランスの乱れ、運動不足によって解消されないままになると、ある日突然、カラダの故障という形で現れてしまいます。
日頃からマメに身体をほぐし、緊張を取り除くことを意識しましょう。
二つ目は、長時間同じ姿勢でなにかすることのないよう、気をつけること。
骨というのは案外簡単に歪んでしまうものです。
骨がゆがむとカラダのあちこちに不具合が起きます。
三つ目は、年齢にかかわらず、自分のカラダを過信しないこと。
カラダは鍛え方次第では驚くほど強靱になりますが、同時にちょっと振り向いただけでさえ突然、腰がギクっとおかしくなってしまうものです。
無理な体勢で動作することはしないよう気をつけることです。
重いものを持つときなどは特にそうです。
どういう風に持てば、カラダに負担がかかりにくいか、一度、コツを知っておくのも役に立つのではないでしょうか。
手術が必要な状況にならないよう、予防のためにできることは、やっておきましょう。
腰に激痛・・それ、腰のヘルニアかも!治療方法と手術方法!まとめ
腰のヘルニアにはいくつか治療法もあります。
痛い時は決して無理はせず、病院で診てもらいましょう。
自分の症状にあった治療をし、また、ヘルニアにならないよう、自分でも予防していくことも大切です。
ヘルニアはしっかり治せば再発を阻止することも出来ます。