腰が曲がる?!横に曲がる側弯症の原因と症状、治療法とは?

最終更新日:2022/10/13

よく小学生から中学生くらいの思春期の女の子がなりやすい側弯症。

骨の形を見る検診で再検査などとなることがあるようですね。

この側弯症は必ず手術が必要というわけではないようです。

正しい知識を持っておくことが大切ですよね。

側弯症についてご紹介していきたいと思います。

腰が横に曲がる?!側弯症とは

腰が横に曲がる、側弯症という病気があります。

正常の背骨は、ほぼまっすぐに見えますが、背骨や腰が左右どちらかに曲がり、ねじれた状態に変形したりすることを指します。

この側弯症は主に、小児期から成長期に見られる病気です。

他にも、背骨が10度以上曲がった状態のことを、脊柱側弯症と言ったり、椎間板や椎間関節が変形してしまい、椎体を支える力が低下し、脊柱が左右どちらかに曲がってしまっている状態を腰椎変性側弯症と言ったりします。

これらの症状が悪化してしまうと、腰背部に痛みが生じたり、心肺機能が低下したりするので危険です。

学校の健康診断の時には、背骨の検診を行うことが義務付けられていて、早期発見、早期治療を行うことで、病気の進行を防ぐことが出来るのです。

保護者の方は、子供にこの病気が発生してしまうと、不安や残念に感じてしまうかもしれませんが、そのような心の気持ちは子供を同時に不安にさせてしまいかねませんので、早く見つかって良かった、治療に専念しようなどと前向きにとらえてください。

腰が横に曲がる側弯症の原因と発症の確率

腰が横に曲がる側弯症ですが、いくつかの種類の側弯症が存在します。

その中でも特に多いのが突発性側弯症です。

これは、突発性というぐらいですから、急に発症するのですが、原因は分かっていません。

10歳から成長が終わるまでの1%〜2%の子供に多く発症しています。

年齢別にみると、小学生高学年では、0.4%、中学生では1.4%といわれていますが、少し女子の割合が多いようで、保護者も注意して背中を観察することが早期発見につながります。

症状のうち、曲がり方が20〜30度以上になると、治療に装具の装着が必要になってきます。

40度以上の側弯になると、手術が必要になってきます。

また「機能性側弯」という種類の側弯症は、背骨そのものが原因ではなく、背骨以外の病気を治療していく過程で、側弯は改善していくとされています。

ですから、医者にどの種類の側弯症なのかを教えてもらい、一人ひとりにあった治療法を医者と共に模索していくことが、早期改善につながるのです。

現在の研究では、側弯症にはっきりとした遺伝があるとは認めてはいませんが、多くの疾患に遺伝子の異常が関係しているとは、言われています。

側弯症の分類

ひとえに側弯症といっても、いくつかの種類に分けられ、その中でも原因が判明しているものと判明していないものに分けることができます。

まず背骨自体に原因があって側弯症を発症しているものは、構築性側弯症と呼ばれており、

背骨自体には原因がなく、他の病気が原因によって側弯症を発症しているものは、機能性側弯症と呼ばれています。

その他にも、先天性側弯症、神経・筋性側弯症 、神経線維腫症による側弯症、間葉系疾患による側弯症、外傷性側弯症など、実に様々な種類に分けられることができます。

しかしながら、一般的な症状は、腰が横に曲がるような状態で、見た目の症状は似通っていたりするのです。

近年には、MRIという検査機器により、側弯症の原因を容易に発見できるようになりました。

昔は、この検査機器がなかったため、多くの誤診がありました。

たとえば、昔は突発性側弯症と診断された人の中で、実際には、脊髄空洞症であったという具合で、間違った治療がなされていましたから、残念でなりません。

側弯症かどうかの検査方法とは

腰が横に曲がる側弯症では、早期発見、早期治療が症状の改善に多大に影響しますが、具体的な側弯症の検査方法をご紹介いたします。

まず、「気をつけ」の姿勢で立ってもらう、立位検査です。

この時に、肩の高さに左右の違いがあるか、肩甲骨の高さと突出の程度に左右の違いがあるか、腰骨のラインが左右非対称があるか などを見るのです。

または、両方の手のひらを合わせ、おじぎをするように肩の力を抜いてひざを伸ばしたまま両腕だけを下げていく、前屈検査もあります。

この際、肋骨や腰に左右のどちらかに差異があるかどうかなどを見るのです。

さらには、親と一緒に入浴している際に、脊中の左右対称具合を見たりしてみるのも良いでしょう。

実際に側弯症の疑いがある場合には、X線(レントゲン)検査をする必要があります。

この検査によって、どのような種類の側弯症なのか、今後の治療方法、あるいは、経過観察で良いのかなどを医者は判断していくのです。

しかしながら、進行具合もありますので、定期的に診察を受けることが大切です。

腰が横に曲がる側弯症の治療法はあるの?

腰が横に曲がる側弯症の具体的な治療法に治療器具の装着があります。

これは、側弯の程度が25°〜40°までの軽度もしくは中等度の側弯症に適用される治療方法です。

しかしこの治療方法によって、背骨をまっすぐに戻すことはできません。

この治療装具の装着では、側弯の進行を防止することに重きを置いています。

側弯した部分を矯正させながら背骨を成長させ側弯の進行を防止していくので、骨の成長が終わると、装具の装着は終了します。

装具の装着が終了した際、側弯が30°〜35°以下ですと、成人しても特に問題はないとされていますが、もし側弯が35°以上ですと、将来手術が必要になってしまう可能性もあります。

現代医学では、曲がってしまった背骨をまっすぐ正常な状態に戻すという方法は手術以外にはないのです。

しかしながら、なんでもかんでも手術するというわけではなく、年齢や側弯した部位と程度、タイプ、進行の度合い、背部痛の有無、基礎疾患の有無、合併症の有無などいろいろなことを考慮して、手術が必要かどうかを医者は判断していくのです。

腰が横に曲がるのを予防するには?

そもそも、側弯症ではない人でも、腰の曲がりには不安を感じるものです。

普段から腰が横に曲がるのを予防する方法というのはあるのでしょうか?

まず学生では、学生鞄を毎日持って通学していると思いますが、教科書類などによりかなりの重さになっています。

ですから、持ち方や癖などによって側弯が生じてしまうのではと不安に思っているかもしれませんが、これらの持ち方や癖などはあまり関係がないとされています。

また側弯症の予防に、体操があります。

「そくわん体操」と呼ばれているものがそれですが、医学的な観点ではこれもまたあまり効果があるとは言えないのです。

しかしストレッチ自体は成長期の子供によって良いことですから、積極的にストレッチは行うにこしたことはないでしょう。

ただ、背骨の曲がりの矯正には効果はありません。

また、骨の成長にはカルシウム摂取が大切だと言われていますが、たくさんカルシウムを摂取したところで、側弯症の発生は予防できないといわれています。

これらのことを見ても分かるように、側弯症の有効な予防方法というのはあまりなく、普段からの定期検診や、整形外科の専門医を受診することが大切なようです。

自己判断ではなく専門医を受診しましょう

検診などで側弯症と指摘されたら、親御さんは心配になってしまいますよね。

思春期の多感な時期のお子さんの症状ですので、将来のことを考えると不安になってしまいますよね。

しかし、酷くなる可能性や手術が必ず必要になる病気というわけではないようなので、定期的な診察と検査を受けお子さんに合った治療方針で症状を悪化させないようにしていけるといいですよね。

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