腰椎椎間板ヘルニアにマッサージは良くない?悪化する?

最終更新日:2022/09/18

腰椎椎間板ヘルニアになると、少しでも痛みを和らげるためにマッサージしたりストレッチしたりする方が多いと思います。保存療法と言われ痛みや痺れが改善する方法です。
それが、人によっては、やり方によっては悪化することもあるそうです。どういった方が悪化してしまうのでしょうか?今回は腰椎椎間板ヘルニアのマッサージについて様々な視点でまとめていきたいと思います。

腰椎椎間板ヘルニアにマッサージをする上での注意点

疲れが気になる方はマッサージを受けてみてはいかがでしょうか。マッサージをすることで血液の循環を整え、疲れを取ることができます。
マッサージは事前にしっかりとした準備が必要です。まずカウンセリングをで身体の状態を確認します。そして指圧などで骨盤を調整し、身体全体のバランスを整えます。これにより筋肉のより深いところまでマッサージの効果を届かせることが出来ます。ここまでがマッサージを行う準備となります。ここまでに身体痛みなどを感じた場合は必ず申告するようにしましょう。我慢したままマッサージを行うとかえって逆効果になります。
簡単な手順ですが、マッサージ師は国家資格が必要なほどの職業です。例えば腰の痛みなどは椎間板ヘルニアである可能性が高く、施術家の資格を持っていないマッサージ師の施術を受けると症状が悪化してしまう可能性があります。ちゃんとした施術家を探す場合は、医師の紹介などを介するようにしましょう。

腰をマッサージをしたら揉み返しに

腰は普段から一番負担のかかりやすい部位とされています。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症等、これらは全て腰に現れる病名で、さらには坐骨神経痛を併発することが多いようです。
これらに共通した特徴は腰の骨や軟骨が変形して、その付近の神経を圧迫しているということです。このような変形や損傷、神経の圧迫等がおきている疾患は、その周辺に強い炎症が発生しています。炎症は付近の神経を興奮させて感覚を過敏にするため、通常よりも負担を感じやすくなります。少し立っていたり歩いたりするだけでも痛みを感じてしまいます。
マッサージを行う事で症状が悪化することを揉み返しと呼びます。普通の人には効果のある治療でも、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛が起きている状態でマッサージを受けた場合は、この揉み返しが起こり、悪化してしまう可能性が非常に高くなります。もしマッサージを受けたことで症状が悪化した場合は、すぐに治療を中止して医師などに相談したほうがいいでしょう。

腰椎椎間板ヘルニアに関係する坐骨神経痛とは

筋肉痛は動いて筋肉に負担がかかった場合に痛みを感じますが、安静時に痛みを感じることはあまりありません。
もしも安静時でも痛みを感じることがある場合は、坐骨神経痛の症状を疑ったほうがいいでしょう。また痛みが何週間、何ヶ月も続くといった場合も通常では考えにくいことです。この場合、その付近の関節組織を損傷しているか、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症の可能性があります。
他に症状を診断する方法としては、痛みが一点に集中しているかどうかです。
筋肉痛は特定の部位に痛みが集中することがほとんどで、その場所も自分ではっきりとわかります。
しかし坐骨神経痛の場合は痛みの場所があまりはっきりしません。大まかな場所しか特定できないことが多く、大体この辺といった様に、神経のライン状に痛むことが多くあります。腰に痛みを感じている方は、これらの症状が自分に当てはまるようでしたら、マッサージなどで何とかしようとせずに病院を受診しましょう。

腰椎椎間板ヘルニアのマッサージ以外の治療法

腰痛や腰椎椎間板ヘルニアを治療する場合は、まず安静にすることが大事です。その上で、投薬などを行い症状を改善していきます。
投薬による治療では、非ステロイド抗炎症薬がよく使用され、筋弛緩剤と一緒に処方する場合があります。これは痛みが起こる事で筋肉が緊張して固くなり、それにより痛みが増幅することを防ぐためです。
また局所麻酔剤と併用されることもあります。これは長期間にわたって痛みをとる際に行われ、注射によって直接薬を注入します。
他には温熱療法といって痛い部分を温めることによって筋肉のコリをほぐし、収縮した血管をゆるめて血液の循環を促します。
方法としては80℃前後に温めたパックをタオルにつつんで当てるホットパックや赤外線照射などがあります。
患部に炎症が起きている場合は温めずに冷湿布を使います。また筋肉に刺激を与えることによって回復を促す針治療や、身体を引っ張ることで腰椎や椎間板の圧迫を軽減させる牽引治療があります。
しかし症状が深い場合、投薬以外の治療法は根本的な治療法とはいえないため、痛みに対する対症療法として考えるべきでしょう。

最終的には手術という選択肢がある

ヘルニアの手術方法には切開するものとしないものがあります。

切開しない方法はPLDDと呼ばれており、レーザーによって組織を蒸散させるという治療になります。はみ出してしまった椎間板の圧迫を軽減させるために、椎間板そのものに針を刺してレーザーを照射します。すると椎間板の中に小さな空洞ができ、その空洞が時間の経過と共に収縮することで、ヘルニアによる脊髄や神経の圧迫が軽減されるのです。
切開手術の場合は、直視下、顕微鏡下、内視鏡下といった方法があり、いずれも飛び出したヘルニアの部分を切り取ることになります。全身麻酔をかけ、背中を数cm切り裂いての手術となるため、患者に大きな負担がかかります。手術後も一週間は安静にし、その後も一ヶ月ほどのリハビリや入院を必要とします。また術中に脊髄や神経根等に触れてしまい後遺症が残る可能性があり、全身麻酔を行うため、心臓病や透析を受けている方はリスクがさらに高くなります。
内視鏡下での方法では背中を切る幅が3~4cmになり、手術用の顕微鏡や内視鏡を入れて行うため、他の二つに比べて患者への負担が少なくなります。しかしこの方法は熟練した技能と経験が必要なためあまり行われていません。

このように切開を行う手術はリスクが高いことから、針を通すだけのPLDDによる手術が勧められています。

腰椎椎間板ヘルニアの方が気をつける生活習慣とは

腰の痛みをあらかじめ防ぐためには普段からの生活を見直す必要があります。
腰を痛めることが多いのは重いものを持ち上げるときですが、このとき背中を曲げてしまうと腰へ負担が強くなってしまいます。なので背中は伸ばしたまま、ひざを曲げて腰を落として持ち上げるようにしましょう。痛みがある場合はおよそ7キロほどまで、症状が改善しても半年は20キロ以上のものを持たないようにしましょう。
いす等に座る際は背もたれを使わず浅く座りましょう。運転の際にはシートを前にしてハンドルを身体に近づけ、ひざが股関節よりも上に来るように調節してください。
寝る姿勢の中で仰向けは身体に歪みが生じにくくリラックスできて、もっとも腰に負担がかからないとされています。痛みがある場合は横向きになり足をまげて角度を調整してください。うつ伏せは上半身が反った形になり腰のカーブが崩れてしまうため負担が大きいため避けるようにしましょう。
女性はヒールを履かないようにしましょう。履く場合は3cm以下のものにし、階段の昇り降りもなるべく避けるようにして下さい。

マッサージよりも自分でできることを見つけましょう

腰椎椎間板ヘルニアはマッサージをしたから完治することはありません。効果があるといってもあくまで痛みを和らげる効果です。また元の痛みが戻ってくることになります。そう考えると、痛みを出さないように日々の生活を送ることに集中しましょう。そうすれば、自ずと痛みが減っていくことでしょう。ヘルニアの根本原因は日々の生活の中に隠れているものですから。

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