日常の中で、激痛とはいかないまでも何とも言えない不快感がある腰痛がありませんか?
このような我慢すれば耐えられる違和感が強い腰痛は、何も対策をしない方は少なくないようです。
多くの方はつらくても、なんとか生活できてしまうので、病院に行ったりマッサージでほぐしに行くことが面倒に感じてしまいます。
そこで、気軽に腰痛を改善できる簡単なストレッチの方法を紹介します。
腰痛の原因となる硬い筋肉
不快な症状に苦しむことが多い腰痛には原因がたくさんありますが、ここではもっとも身近な筋肉が原因となる場合を想定しています。
仕事や家事で同じ姿勢で負担が掛かったり、運動不足で動かなくなると、血の巡りが悪くなり、筋肉は十分な栄養を得られません。
このような状態では、筋肉は硬くなり、痛みまで出ることがあります。
本来であれば、そこまでひどくなる前に動かしたり、ストレッチでほぐせば改善します。しかし時間に追われる生活をしていると、腰痛を抱えていてもストレッチする余裕がなく何もしないで放置してしまうことが多いです。
この原因の1つとして、どの筋肉をどのようにストレッチすれば効果的なのかを知らないことにあるようです。
仮に効果的なストレッチを知っていても、簡単にできる感じがしないと実際にはやらないのではないでしょうか。
そうなると腰痛を感じていても、改善のためにストレッチするような行動などはしなくなります。
このことから、ちょっとした時間で簡単にできるストレッチにより、腰痛を改善することを前提にすることが重要です。
ここでは、腰の土台となるお尻や腰周り、また腰痛の根本的な原因となるインナーマッスルの簡単なストレッチの方法を紹介します。
腰の土台となるお尻の簡単ストレッチ
腰痛の原因となるお尻の筋肉は直接触れる表面の筋肉と、その表面の下にある筋肉からなります。
直接触れる表面の筋肉は大臀筋で、太ももの骨から骨盤の上につき、一般的にお尻と認識される筋肉です。
この筋肉が硬くなると、太ももを上げる時に突っ張り腰の下の部分に痛みが出ることがあります。
それでは簡単にできるストレッチを具体的に解説します。
①仰向けで両脚を伸ばした状態で寝ます。
②ストレッチする大臀筋と同じ側の股関節をと膝を曲げ、太ももをお腹に付ける様にします。
③よりストレッチを強くするために、両手で膝を掴んでお腹に引き寄せます。
④この状態で10~20秒、気持ちの良い範囲でストレッチしてください。
⑤反対側も同様に行います。
注意が必要なのは、両手で膝を掴む時に上半身が起き上がってしまうことです。
この原因として、大臀筋が硬すぎることがあり、手ではなくタオルを膝にかけて頭を床につけるようにすることで負担なくストレッチができるでしょう。
腰痛の隠れた原因、お尻奥の簡単ストレッチ
腰痛の原因となるお尻の触れない筋肉の部分で、一般には知られていない中臀筋と小臀筋があります。
この2つの筋肉は、大臀筋による腰痛よりも症状が強く出る場合があり、特に小臀筋が痛んで硬くなると坐骨神経痛のような症状も重なる場合があります。
これら中臀筋と小臀筋は重なるようにあり、ちょうど骨盤に横から手を添えた時に触れる骨のすぐ下にあり、2つとも骨盤の上の部分から太ももの骨の上に部分についています。
この部分からの腰痛の症状が強く出るのは、大臀筋が大きく体を動かす時に負担が掛かるのに対して、小中臀筋が日常生活の中で姿勢を維持しする時に働くことが多いからです。そのため、負担が掛かっている時間が長く、立っていても座っていても筋肉が緊張し続けて硬くなりやすく循環が悪くなった結果、苦しい腰痛になるという流れです。
それでは簡単にできるストレッチを具体的に解説します。
①仰向けで両脚を伸ばした状態で寝ます。
②ストレッチする小中臀筋と同じ側の股関節と膝を曲げ、太ももを反対側のお腹に付ける様にします。
③よりストレッチを強くするために、両手で膝を掴んでお腹に引き寄せましょう。
④この状態で10~20秒、気持ち良い範囲でストレッチしてください。
⑤反対側も同様に行います。
大臀筋と引き寄せる時の注意点は同じですが、引き寄せる角度が異なります。
もし女性で先天性股関節脱臼や臼蓋不全といった構造的に関節が緩い方は、このストレッチをしないか、反対へと引き寄せる角度は浅くしてください。
日常の無理な動きで痛める腰の簡単ストレッチ
腰の筋肉には、表面から広背筋の腰部、脊柱起立筋と横の腰方形筋、その奥の背骨を繋ぐ多裂筋などがあります。
その中で、腰痛と関連しやすいのが脊柱起立筋と腰方形筋です。
1つ目の脊柱起立筋は腸肋筋、最長筋、棘筋の総称で、骨盤から頭部の付け根まであります。
ここでは腰痛に関連する下部の部分をストレッチしましょう。
①両脚を前に投げ出すように座ります。
②そこからストレッチする側とは逆に約20度上半身を捻ります。
③その捻りの角度のまま、腹筋を緩めながらお辞儀をするように倒してください。
④そのまま10~20秒間気持ち良い範囲でストレッチしましょう。
⑤今度は反対側も同様に行います。
2つ目の腰方形筋は、背骨を挟んで骨盤の上から肋骨までの左右にあります。
この筋肉は、座った状態で上半身を真横に倒して物を拾おうとする時などに働きます。
一般的にはあまり知られていないのでイメージしにくいですが、脇腹を伸ばすようにすると上手にストレッチできます。
①両脚を前に投げ出すように座ります。
②そこからストレッチする側の逆に上半身を真横に倒します。
③この時上半身は真っすぐにして少し腰を反り骨盤を立ててください。
④そのまま10~20秒間気持ちの良い範囲でストレッチします。
⑤今度は反対側も同様に行ってください。
この2つの簡単なストレッチをした後、左右に腰を捻ると楽に感じるでしょう。
腰痛の隠れた原因インナーマッスルの簡単ストレッチ
腰痛に関連するインナーマッスルで一番筋肉が長く、症状への影響が強いのが腸腰筋です。
この筋肉は内臓と背骨の間にあり、股関節までついており、腰痛になると背骨の両脇と太ももの付け根まで痛みが出ることがあります。
腸腰筋はイメージしにくいので、ストレッチする時にはお腹の下から太ももの上の部分が伸びているようにするのがコツです。
①正座のから股関節を伸ばして膝をついた中腰の姿勢になります。
②そこからストレッチする側とは逆の足を前に大きく踏み出しましょう。
③この時前屈みになっている上半身を真っすぐに立てて、腸腰筋の部分が伸ばされるように骨盤をできるだけ正面に向けてください。
④そのまま10~20秒間気持ちの良い範囲でストレッチします。
⑤今度は反対側も同様に行います。
このストレッチでは、上半身を立てる時に腰を反らすようにするとより効果的です。
簡単なストレッチですが、上手にできると歩く時に足が自然と上がり、腰周りが軽く感じるようになるでしょう。
気をつけなければいけない腰痛
腰痛の原因は、背骨の関節や筋肉の硬さによるものが多いですが、稀に病院で検査しなければいけないものがあります。
代表的なものでは、腰の痛みの他に脚まで痺れや痛みが出る椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは、病院でのレントゲン検査では背骨の間のクッションとなる椎間板が他の背骨の関節に比べて狭くなっているのが見られます。
診断を確定するには、体を輪切りで見られるMRI検査やCT検査が必要なことがあります。
腰痛や脚の痺れがあっても、薬やリハビリで治ることも多く、手術まですることは最近少ないようです。
腰痛でストレッチをしても、足まで痛みや痺れが出る場合は一度病院で検査することをオススメします。
あまり我慢すると、痛みを庇って姿勢が崩れ他の場所に痛みが出てしまうので注意しましょう。
その他にもガンや感染症でも腰痛が出ることもありますが、女性特有の病気でも痛みが出ます。
多いのが生理中に伴う腰痛で、その時期の前後または最中に腰に痛みが出ることがあります。
この場合、紹介した簡単なストレッチをしても腰痛は改善されませんので、ご自身に合う薬を服用するなどの対処が必要です。
また女性特有の病気である子宮筋腫は、コブのようなものが子宮にできて大きくなるとお腹に違和感や腰痛が出ることもあります。
このコブがある状態でも、簡単なストレッチをすると骨盤の筋肉の緊張が緩んで少し楽になれます。
しかし子宮筋腫の状態によっては出血するタイプもあり、もしお腹に違和感があるなら婦人科で診てもらいましょう。
片手間でできる腰痛改善
今回紹介したストレッチは、ほんの少しの時間でできるエクササイズばかりです。
どんなに忙しくても、お茶やコーヒーを飲む時間がある人も多いのではないでしょうか?ストレッチも同様に、片手間にするくらいの感覚で行うと長続きします。
今回解説したストレッチは、いかに継続できるかを重視し、多くの人が取り組みやすい方法を解説しました。
どれか1つでもいいので、実践して快適感を味わってください。