腰痛治療のためにマッサージを受けて後で医療費控除でお金が戻ってくるなら、定期的にマッサージを受けたいと思う方は多いのではないでしょうか?だからといってすべてのマッサージが対象ではないことは覚えておくべきです。今回はマッサージと医療費控除についてお話ししていきたいと思います。
腰痛でマッサージ。医療費控除の対象?
腰痛治療のために病院にいった場合は、問題なく医療費控除の対象になります。
では接骨院や針、民間マッサージなどはどうでしょうか。この場合、医師の指示書があれば接骨院や針であれば医療費控除の対象になります。民間マッサージはもちろん対象になりませんが、接骨院でも指示書なしに施術を受けた場合は控除対象にならないので注意が必要です。
整形外科で腰痛治療を受けた場合は医師の処置のほかに理学療法士の指導が入りますがそのお値段は家計によっては決して楽なものではありません。医師の治療費はそのたびに違いますが、理学療法士にリハビリを受ける場合は20分で1700円くらいで計算されています。3割負担で計算しても再診料と合わせて毎回1000円以上の費用がかってくるでしょう。
経済的な問題から整形外科以外のところに治療に行くことも多いと思いますが、実際問題として医師が提携している以外の治療院に指示書を出してくれるということはあまりありません。
診療技術に保障がなく、責任を取れないためです。ですので医療費控除を受けることを念頭においているなら整形外科での治療を受けることが無難です。1年間に10万円を超える医療費がかかったことが医療費控除を受けられる目安なので、腰痛治療の通院に限らず、歯医者のレシートや整形外科で作ったコルセットの領収書なども一緒に提出できるよう用意しておくといいでしょう。
そもそも医療費控除とは
医療費を支払った場合に一定金額の所得控除を受けられるのが医療費控除です。
個人事業主はもちろんですが、会社からの給与所得がある場合も会社に医療費の支払いを申請しないので、医療費控除を受けたい場合には自分で確定申告をする必要があります。このとき支払った金額の全額が返還されるわけではありません。
返金してもらえる目安としては1年間の医療費が10万円を超えているかどうかをみましょう。
1月1日から12月31日までの1年間で税金を納めている本人が、自分と「生計を一にする人」のために支払った医療費の合計額について、次のような計算の結果算出された金額を医療費控除として所得金額から差し引くことが出来るのです。
【医療費控除の対象額=「実際に払った医療費の合計額」-「保険金などで補てんされる金額」-「10万円またはその年の総所得金額が200万円未満の場合は総所得額の5%」】
「保険金などで補てんされる金額」は例えば生命保険の加入者に対して支払われる入院給付金や家族療養費、出産育児一時金など、払い戻しか支給された金額に当たります。もちろん補てんされた金額がもとの医療費よりも高くなった場合は他の医療費からの差し引きはありません。
医療費控除対象外のマッサージなどは効果がないの?
身体の不調を整えるために受けられる施術は様々ですが、日本の法律では医療に属さないために保険適用外とされるものもあります。
場合によってはこういう施設を選ぶことがいいこともあるでしょう。カイロプラクティックは海外では医療行為とされている国もありますが、日本では認められていません。
脊椎のゆがみを矯正することで神経伝達の流れを正常に整え、症状の緩和を目指すものです。
整体は前述のカイロプラクティックや東洋医学の経穴、あんまマッサージなどを踏まえた日本発祥の施術です。
カイロプラクティックとの違いは統一された定義がないことです。
クイックマッサージやアロマサロンは疲労回復やリフレッシュを目的としたものです。リラックスすることで副交感神経が優位になると血管が拡張するので筋肉が緩み、痛みが緩和されることもあるでしょう。
いずれにせよ自分の症状を良く見極め、経済的なことや通院のしやすさも考えて施術を受けるところを考えることが必要になるでしょう。
医療費控除の対象者は?
医療費控除を受ける場合は家族分をまとめて申告することがポイントです。
合計で10万円を超えれば医療費控除を受けることが出来るからです。
同一生計であれば誰が申請することも可能ですが、この場合所得の税率の一番高い人が申請を出すのがお勧めです。税率が高い人ほど還付金が多くなる仕組みになっているためです。例えば計算の結果導き出された申請額が50万円の場合、所得税率が10パーセントの人は5万円の返金額にしかなりませんが20パーセントであれば10万円の返金を受けることが出来、大きな違いとなるのです。しかも確定申告で所得税の医療費控除を受ければ所得税の支払額もそれだけ減額されるので、翌年の住民税などが割安になるというメリットもあります。
家族が継続的に整形外科に通っていたり、歯科治療をしていたりする場合はもちろんですが、住居が別々でも生計を同じくしていれば合算できるので、下宿している子供などがいた場合には領収書をとっておいて帰省時に持ってくるようあらかじめ伝えておくことも大切です。
また、妊娠、出産などをした家族がいる場合には医療費控除を受けられる可能性が高くなります。
医療費控除のケース別注意点
出産費用の中で医療費控除の対象になるものを見ていきましょう。妊娠が分かってからの定期健診や検査に支払った費用はもちろん、出産のとき利用したタクシー代や入院中の食事代も対象になります。ただし、出産のために実家に帰省する費用や病室への出前や外食は対象になりません。
歯科治療の場合ですが、一般的に歯科治療に必要だとされるものであれば高価であっても対象になりますが、保険外の自由診療は含まれません。
歯列矯正は子供の発達障害にならないためなどの必要と認められる理由があれば対象として認められますが、単に歯の美化のためである場合は認められません。
交通費は付き添うの人の分も含めて控除対象になりますが、公共機関の利用のみが認められます。
すべての領収書を取っておくことが大切ですが、領収書の発行が難しい公共機関の通院費などは日付・金額・目的・人数のメモを残しておくと領収書の代わりになります。出産意外にも高齢者の特定保健指導の自己負担分も一定の基準に達していれば医療費控除の対象になるなど、意外に対象は多岐にわたっているので国税庁のサイトで一度チェックしてみるといいでしょう。
腰痛はマッサージだけでなく普段の姿勢が大事
腰痛の原因のひとつに、姿勢の悪さや長時間座り続けることなどがあげられます。腰の筋肉に不要な負担がかかることで痛みが起こりやすくなるのです。
座り姿勢は立つことに比べて腰に負担がかかりやすいのですが、これは無意識に楽に座ろうとするために腹筋がゆるんで背骨が曲がり、椎間板などにも悪影響を及ぼします。
他にも腰に負担のかかる姿勢はあります。横になった姿勢でひじをついたり、うつぶせの姿勢で本を読んだり、前かがみになるなどです。
日常的な負担の蓄積は血行不良を起こし、腰痛を引き起こします。
これはこりや痛みとも呼ばれますが、腰の筋肉をリラックスさせ、血行改善をするためにマッサージやつぼ押しをすることは効果が期待できます。ただ、急性の腰痛の場合はすぐにこういった施術を行わないことが大切です。2~3日安静にしても改善が見られなければ病院で診察を受けることが必要です。そして痛みが治まった後や改善・予防にはマッサージやつぼ押しとあわせて普段から正しい姿勢でいるよう気をつけることやストレッチなどを組み合わせていくことで症状の緩和が望めます。
医療費控除をやらないのは損するだけですよ
医療費控除申請は自己申告です。面倒だからやらないという方もいるかもしれませんが、年間にどれだけ医療費を費やしているか、一度チェックすることをオススメします。積もり積もって金額が高いようでしたら、面倒でも医療費控除申請をやってみてはいかがですか?