膠原病の血液検査結果がでるまでに必要な時間はどのくらい?

最終更新日:2022/10/24

この頃、ずっと熱っぽくて体調が悪いし、あちこち関節も痛む・・・。

ただの風邪?それとも違う病気なの?と不安になりますよね。

風邪に似た症状を引き起こす「膠原病(こうげんびょう)」という病気があります。

「膠原病」ってどんな病気なの?
膠原病は血液検査でわかるの?
その結果が出るまでに必要な時間はどのくらい?
といった不安な疑問について説明していきます!

膠原病の症状とは?①

膠原病は女性に多い病気で、原因がわからない発熱で発見されることが多いです。

全身の血管に炎症が起こる病気の総称を膠原病といいます。

発熱があれば、風邪などの細菌感染やウイルスがほとんどで、治療をすると2週間くらいで元気になります。
しかし原因不明熱だと、38度くらいの熱が3週間くらい続き、検査をしても熱の原因がわかりません。

このような原因不明熱は、感染症や悪性腫瘍、膠原病、薬剤などが原因であると言われています。

膠原病の場合は、微熱が何ヶ月か続いたり、抗生物質を使用しても効果がなかったりします。
また、関節痛・関節炎の症状が出ます。
関節が痛んだり、腫れたり、起きたときに手足の関節が動きにくかったりします。

腫れている部位で、リウマチかどうかの診断を行います。
また、筋力低下や筋肉痛を生じることもあります。
筋肉痛は痛み以外に、筋把握痛が出ることもあります。

筋力低下は、首、肩、上腕部、大腿部、臀部などに起こり、筋肉痛で手が上がらなかったり、起き上がれなかったり、しゃがむと立ち上がるのに時間がかかったりします。

膠原病は、血液検査でも判断できますが、時間がかかります。

膠原病の症状とは?②

膠原病になると、皮膚に紅色や紫色の発疹が出ることがあります。
かゆみはありません。

蝶型紅斑(ちょうけいこうはん)、ヘリオトロープ疹、結節性紅斑、皮下結節、などがあります。

膠原病になると、ほとんどの場合発疹が出るため、病院で診てもらってください。
リンパ腫、首、脇の下、足の付け根などのリンパ節が腫れて、病院に行く人もいます。
ほとんど痛みはありません。
発熱、全身疲労感、倦怠感と一緒に症状として出ます。

また、膠原病になると、レイノー現象という症状が出ます。
これは、手の指に出る症状で、冷たいものに触ったときに指先が白っぽくなって、それから赤紫になり、最終的に赤くなってから元に戻るものです。

指の末梢血管が冷たさにさらされて、過敏に反応して起こります。

それから指先から全身の皮膚が硬くなる膠原病を強皮症(きょうひしょう)といいます。
強皮症の患者の多くに、レイノー現象が出ます。
初期症状では、指がむくんだ感じになり、それから指全体と腕が硬くなります。

また、口を開くのが困難になって、物が飲み込みにくくなることもあります。

このような症状は時間をかけずに早く治療したいですよね。
そのためにも血液検査を行いきちんと診断してもらいましょう。

膠原病の血液検査結果が出るまでにかかる時間は?

膠原病の可能性があれば、血液検査をします。
炎症反応の検査以外に、血球数や免疫系の検査もします。

膠原病でとくに陽性率が高いのは、抗核抗体です。

リウマチ因子、抗DNA抗体検査、CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)という酵素の筋肉の破壊がどれくらいなのか検査をします。
レントゲン検査、貧血検査、血液検査全般、特殊検査も行います。

普通なら、検査の結果が出るまでの時間は、1週間くらいです。
抗核抗体検査で「陰性」、リウマチ因子で「陰性」の場合、問題ないでしょう。
その場合は、体調不良の原因として、生活習慣、ストレス、食生活などをチェックしてみましょう。

また、「膠原病予備軍」という診断を受けることがあります。

膠原病は、典型的な検査数値がないので、診断するのは簡単ではありません。
厚労省が定める診断基準を満たさなければ、膠原病の確定診断にはなりません。
症状も検査値も「膠原病」にならないように保ってください。

信頼できる医師に相談して、膠原病にならないためにどのような生活をするべきなのか学びましょう。

膠原病の血液検査にかかる時間と検査内容は?

膠原病の血液検査で、病院ですぐに検査ができるものは、さきほど1時間くらいで検査ができると説明しました。

しかし、検体が少ないものは、専門の業者に依頼するため、さらに時間がかかります。

血球算定やCRP(C-リアクティブ・プロテイン)というタンパク質を含む生化学検査などは、検体の数が多いため、ほとんどの病院は院内の検査部で検査を行います。
そのため、1時間くらいで結果がわかります。

膠原病を調べる血液検査は、次のように検査します。

①白血球、赤血球、血小板の数を調べます。
 白血球が多ければ、炎症が起きている可能性があります。
 赤血球は体内で炎症が続いていれば、少なくなります。
 血小板は炎症性要素の強いリウマチなら、増えていることがほとんどです。
 リウマチなら、白血球が増えます。
 全身性エリテマトーデスなら、白血球、赤血球、血小板の全てが少なくなります。

②CRPで、体内の炎症状態を調べます。
 正常だとCRPは低いのですが、強い炎症があればCRPが上がります。

③自己抗体を調べます。
 自己抗体は、自分を攻撃する抗体、正常ならこの抗体はありません。

膠原病と診断されるまでに時間がかかる理由!血液検査以外にこんな検査も!

血液検査は、肝機能検査、腎機能検査、脂肪代謝、骨代謝などを調べるためにも行います。

これらは病気の状態をみるためや、治療中の薬の副作用や合併症を知るために行います。
膠原病を調べるためには、尿検査で、尿たんぱく、尿糖、沈渣、クレアチニン排泄なども調べます。

膠原病になると、合併症が起こるので、治療中も尿検査を行います。

画像検査で、内臓病変や骨・関節に変形が無いかなども調べます。

レントゲン検査が不可能な部位には、超音波、MRI、CTスキャン、なども行います。
生理学的機能検査もします。

心電図、呼吸機能、脈波、脳波、筋電図、などで膠原病による体の機能の異常をチェックします。

貯留液の検査は、関節が腫れたり、胸や心臓、お腹に水が溜まったりしたときにする検査です。

病理組織学的検査では、病変の可能性がある組織の一部を採り、顕微鏡で調べます。

眼科的な検査は、網膜に変化が出ることがよくあるため、眼底検査を行ないます。

ステロイド薬で、白内障や緑内障を生じることがあるため、検査を定期的に行います。

これらの検査には、時間がかかることもありますが、しっかりと調べてもらいましょう。

膠原病の治療方法は?

血液検査などで膠原病と診断されたら、膠原病の治療は医師の判断で行なわれます。

では、一般的な治療について紹介していきます。

①リウマチの治療は、生活習慣を改善することと薬物で治療します。
 非ステロイド系抗炎症剤、免疫調整剤、免疫抑制剤、生物学的製剤、などを使用します。

②全身性エリテマトーデスは、過労を避けることが大切です。
 また、紫外線対策、感染症予防に気をつけて、ステロイド薬や免疫抑制薬で薬物療法を行います。

③多発性筋炎・皮膚筋炎の治療は、薬物療法がメインです。
 ステロイド薬、免疫抑制薬などを使用します。
 効かなければ、免疫グロブリン大量静注療法、ステロイドパルス療法を使うこともあります。

④全身性強皮症の治療は、薬物療法がメインです。
 全身の血管内が狭くなるため、血管拡張薬や血流改善薬が使用されます。

⑤膠原病の合併症として起こるシェーグレン症候群は、根本的に治癒できません。
 乾燥症状を軽くさせること、疾患の活動性を抑えること、で進行を防ぐようにします。 生活習慣にも気をつけます。

これらの治療には時間がかかりますが、医師の指導に従って回復に努めましょう。
少しでもつらい症状が治まるといいですね。

まずは、検査を受けることから始めましょう!

自分が「膠原病」なのかもしれないと思い始めると、その不安は簡単には消せませんよね。

不安を取り除く為にも「膠原病」の症状を知り、検査はどのようなものかを知ることが大切です。

膠原病は早期発見がとても重要なのです。

膠原病かもしれないと思ったら、すぐに医療機関へ受診して検査をしてもらいましょう!

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