膠原病の血液検査で異常なし?!線維筋痛症って知ってる??

最終更新日:2022/10/25

膠原病について詳しく知っている方どれくらいいるのでしょうか?

耳にしたことのある病気名ですが、詳しく知っている方は少ないですよね。

膠原病は血液検査などのさまざまな検査をして総合的に診断されるそうです。

しかし、中には血液検査で異常なしと出る方もいるそうです。

膠原病の症状なのに異常なしと言われた方、もしかしたら「線維筋痛症」かもしれません。

膠原病について

膠原病は自己免疫疾患の1つであり、自身の免疫により自分の体が攻撃され、炎症を起こしたり、臓器や体の組織にダメージを与えてしまうものです。

攻撃される臓器により病気が異なり、関節が攻撃されると慢性関節リウマチとなり、関節炎を起こします。

皮膚と筋肉が攻撃されると皮膚筋炎となり、湿疹が現われたり、筋肉に力が入りにくい状態を引き起こします。

膠原病は慢性疾患であり、症状が長いことが特徴の1つです。

また、良くなったり悪くなったりを繰り返す症状は要注意であり、 膠原病の可能性が考えられます。

風邪や胃腸炎の症状に似ていますが、1ヶ月以上も症状が改善しなければ、風邪以外の病気が隠れている可能性が高くなりますので、医療機関を受診することをオススメします。
子供であればまずは小児科を受診し、問診で膠原病が疑われた場合は血液検査や尿検査を行います。

検査結果が異常なしであれば問題はありませんが、さらに関節痛も伴うケースでは整形外科でも診てもらいましょう。

日本アレルギー学会認定アレルギー専門医になる試験では膠原病の知識が必ず問われますので、アレルギー専門医を掲げている医療機関であればなお良いでしょう。

大人の場合は まずは総合内科を受診しましょう。

しかし、膠原病の可能性が疑われる場合は、膠原病内科、膠原病・リウマチ内科の方が良いかもしれません。

リウマチであれば整形外科を受診しても良いでしょう。

膠原病の診断は血液検査が中心

症状がいつからなのか、どんな症状なのかを明確にできるだけ詳しく医師に伝えるようにしましょう。

膠原病が疑われたら、血液検査、尿検査、X線検査を行い、場合によっては、CT、MRI、もしくは微量の放射性同位元素を用いたRI検査を行います。

全身にわたって炎症が起こる膠原病は全身的な検査が必要です。

関節リウマチなら関節、全身性エリテマトーデス(SLE)なら腎臓、皮膚などと膠原病の種類によって炎症を起こされやすい臓器は違います。

膠原病では血液検査が中心になる検査です。

なぜなら免疫が暴走することにより慢性的に炎症を起こしている場合、血液検査においても慢性的に炎症が起こっている状態が示されるからです。

血液検査で異常なしであれば、膠原病である可能性は低くなります。

特に膠原病は自分を攻撃する病気なので、自分を攻撃する様々な種類の自己抗体が血液中にないか検査します。

この自己抗体の種類から様々な膠原病の中の病気を診断することができるのです。

例えば、遺伝子の成分であるDNAを攻撃する抗DNA抗体が自己抗体の1種で、この抗体が出ていると、全身性エリテマトーデス(SLE)という膠原病の可能性が高くなりますし、血液中のリウマチ因子がある場合は、慢性関節リウマチの可能性が疑われます。

膠原病の治療法について

膠原病の予防法は現時点では存在しません。

膠原病が疑われ、血液検査の結果、異常なしであれば膠原病である可能性は低くなりませすが、膠原病が疑われた場合、自分を攻撃する自己抗体を特定する検査も行います。

自分を攻撃する自己抗体がなぜ作られるのかについては解明されておらず、現時点では原因に対する治療がないので、膠原病の中心となる治療は、自分への攻撃を抑えていくことになります。

つまり、免疫を抑えるための薬が使われています。

自分を攻撃する免疫を抑制するステロイドや、免疫に関わる白血球を抑えたり増殖を抑える薬、白血球を活発にしたり、増やしたりする体内物質(サイトカイン)を抑える薬、 白血球に攻撃された部分の炎症を抑える薬、痛み止めの薬、場合により抗がん剤も使われることがあります。

近年では、身体に過剰になっている物質を抑える抗体が開発され、その抗体を治療に用いる抗体治療が行われ始めています。

基本的に、上で挙げた薬は免疫を抑制してしまうので、体に侵入する病原体(ウイルス、細菌、寄生虫)に対する抵抗力をも抑えてしまうことになります。

膠原病の症状を抑えつつ副作用も抑えるには、医療機関での薬の調節が不可欠になります。

必ず定期的に医療機関を受診するようにしましょう。

膠原病の血液検査で異常なし!?それは線維筋痛症かも!

膠原病血液検査の結果異常なしでも、原因不明の痛みが特徴で、全身の広い範囲にわたって痛みを感じる病気、それは線維筋痛症かもしれません。

線維筋痛症とは、関節や周囲の骨、筋肉などが痛む病気、という意味でリウマチ性疾患の1つです。

リウマチのような関節の腫れや変形はなく、普通の検査では目立った異常はみつけられないのが特徴で、 広く認知されていない病気のため理解されないことも多い病気です。

命に関わる病気ではありませんが、日常生活や社会生活に支障が出ることもある病気なのです。

日本では認知度の低い病気ではありますが、欧米では1900年代初め頃から注目されており、日本でも1980年代あたりからこの病気に関する記述があります。

日本ではようやく名前が知られてきたところで、医療関係者にも認知度が低く、診断が難しかったり、単にヒステリーや気にしすぎ、気のせいだというような憶測で片付けられてしまうケースも多いようです。

最近は医療関係者の間でも関心がもたれ、徐々に治療や研究がスタートしています。

現時点ではこの病気についてはまだ不明な点が多く、治療法の確立が待たれています。

線維筋痛症は中高年の女性に多く発症しますが、若い世代の発症もあり、最近では小児の患者も存在します。

米国の有病率の調査では人口の約2%と言われていますが、日本での有病率はまだ調査中であり、確定されていません。

異常なしの関節痛・・線維筋痛症の症状詳細

膠原病の血液検査で異常なしと診断されたが、実は線維筋痛症であったというケースがあります。

線維筋痛症とはどのような症状なのでしょうか。

線維筋痛症はからだの痛み 全身や身体の広範囲に痛みを感じます。

首から下肢まであらゆる箇所の痛みやしびれ・こわばり感、また眼や口腔痛、頭痛、様々な痛みの症状があります。

痛む箇所や強さは人により異なります。

また、普通なら痛みを感じない程の刺激に対しても痛みを感じることもあります。

痛む場所は移動することもありますし、気候や疲れ、ストレスなどで痛みの度合が変化することもあります。

関節リウマチとよく似た関節痛などの痛みを訴えることも多く、様々な症状を伴うことがあります。

睡眠障害、疲労感、抑うつ感、不安感、便秘、下痢、腹痛、手足のしびれやこわばり、血流が悪くなって指先が白色や紫色になり、冷えや痛み、しびれなどを伴うレイノー現象などのリウマチ症状など主な症状と言えます。

また、人によっては頭痛、目や口の乾き、頻尿、膀胱炎、月経困難、生理不順、冷感、耳鳴りなどの症状も現われます。

血液検査で異常なしでも疑われる線維筋痛症の症状を改善する生活習慣

線維筋痛症の症状を改善するには、どうしたらよいのでしょう。

膠原病の血液検査で異常なし、実は線維筋痛症だった、そんな線維筋痛症の方のために症状を改善する生活習慣を見ていきましょう。

線維筋痛症になると、活動範囲が狭まり、運動量が少なくなる傾向になります。

これは骨粗鬆症を招くことにつながりますので、カルシウムを十分に摂るなど、不足しがちな栄養分を補うように心がけて下さい。

めまいや立ちくらみなどの症状がある場合は、自律神経の調子を整えるために塩分をある程度は摂取するようにしましょう。

疲労は、症状悪化の大きな要因となります。

十分な休息をとりましょう。

寝具などを工夫し、良質な睡眠を目指しましょう。

一日中休んでいるより、日中体を適度に動かすことで疲労を取り除きやすくします。

家事を行う際は、重いものを持たず、動くのに負担の少ないレイアウトにするなど工夫しましょう。

作業の際の姿勢も、首や足腰に負担がかからないよう、椅子やPCの位置や角度に注意し、体に負担のかからないようにしましょう。

人によっては、温めることによって症状が軽減する場合がありますので、体を冷えないように心がけましょう。

湯船に浸かったり、衣服やカイロで調節しましょう。

ただ、温めることで症状が悪化する場合もありますので、注意が必要です。

不安な方はまず診察を受けてみましょう

膠原病かもしれない・・と思って血液検査などをしてみたら血液は異常なし、だけど、膠原病の症状があると言う方。

または痛みが少し強いと感じたり、他に異常を感じている方は線維筋痛症かもしれないので、一度診察を受けてしっかり診てもらうことをオススメします。

症状に合った治療と投薬をしてもらうようにしましょう!

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