手や足の親指に痛みを感じたことはありませんか?
指に痛みを感じたとき、指の使い過ぎによる疲労感からくるものだと思う方もいるかもしれません。しかし、親指の第一関節に痛みが出る場合は、実はホルモンバランスの乱れや痛風など、様々な原因が考えられます。
そんな親指の痛みにつながることもある、様々な原因についてご紹介します。
親指の痛みの原因は?
腱鞘炎は親指・中指・薬指に起こりやすい病気です。親指は過度に使うと、腱と腱鞘の間で炎症を起こし、腫れあがり腱が腱鞘の出口に引っ掛かって、ばね指になる事もあります。
最近では、スマホの普及で腱鞘炎を起こす方も多くなりました。
対策としては、適度に休憩をとり、手を休める事です。
親指の痛みには、ホルモンのバランスも関係しています。
女性は閉経により、女性ホルモンが急激に減少します。女性ホルモンのバランスが崩れる事で、更年期障害の症状が現れます。その一つに関節痛があります。
親指がこわばったり、動かしづらくなったり、手足が動かしにくくなる、かかとに痛みがある、物を持っていられず落としてしまうなど、様々な症状があります。女性ホルモンが減少すると、関節を支える筋肉が衰え、酷くなると軟骨がすり減るなど、深刻な状態になってしまいます。また、血流が悪化することで、しびれを感じ、日常生活に支障をきたす事もあります。更年期障害の初期症状と同じような症状に、リウマチがありますが、リウマチは痛む場所が違います。
親指の第一関節に痛みが出る原因は?
突然の指の痛みに、動作に支障をきたす事はありますよね。
関節が痛いと「リウマチ」を思われる方も多いでしょうが、指の第一関節の腫れや変形、曲げる時の痛みは、「ヘパーデン結節」という病気が隠れている場合があります。
「ヘパーデン結節」は、突然起こるのではなく、徐々に関節が変形していく病気です。指の第一関節以外にも、膝や足首などの関節が変形するケースもあります。
加齢により、発症リスクは高くなり、第一関節では、親指・人差し指・中指に起こりやすく、第二関節では中指、薬指に痛みを感じ、左右対称の指に症状が現れます。
欧米人より、日本人に多く、箸を使う事が原因ではないかとも言われていますが、パソコンなど指先を多く使う仕事が主な原因と考えられているようです。人によっては、痛みを感じない場合もありますが、ジンジン強い痛みを感じる方もおり、沢山の関節に症状が現れるなど、様々です。年齢を重ねるほどに発症数は多く、関節の可動範囲が狭くなる、曲げにくくなるなどの症状も現れます。
スマホの使いすぎも親指に痛みが出る原因に
「ドケルバン病」をご存知ですか?
ドケルバン病は、腱鞘炎の一種で、親指の付け根に起こる腱鞘炎の事です。
親指を動かしたり手首を曲げた時に、鋭い痛みを感じます。かつては育児中の女性に多い病でしたが、現在はスマホの普及であらゆる方に起こりえる病気です。
酷くなると、手術による治療も必要になってしまうので、注意が必要です。
では、どのような方が、ドケルバン病になりやすいかチェックしてみましょう。
親指を握り、手首を直角に曲げます。痛みが強くなるようであれば、ドケルバン病が疑われます。この病気の大きな原因は、親指の使い過ぎです。自分では気づかないうちに、親指を酷使しているかもしれません。例えば、片手でスマホの操作を行ったり、パソコンのキーボードを必要以上に強くたたいたり、ピアノやギター・ドラムなど楽器の演奏も原因になりえます。長時間にわたって指を酷使し、指や手首に強い衝撃を与えると、腱に炎症を起こし、ドケルバン病になる可能性がありますので注意が必要です。
足の親指の第一関節に痛みを出す原因は?
足の親指の痛みの原因に、これらの病気も考えられます。
一つは、外反母趾です。外反母趾は、足の親指が小指に向かって15度以上曲がった症状を言います。中程度は20度で、重症の場合は30度も曲がってしまいます。
子供の頃から平らな所ばかり歩く事で足裏への刺激が少なく、足裏のアーチが緩み、親指が曲がってしまう「靭帯性外反母趾」と、緩い靴などを履き脱げないように、足指に力を入れた状態で歩くため、親指を地面に打ち付けて、親指の付け根の骨が出っ張ってしまう「仮骨性外反母趾」です。
放っておくと、両方の状態が加わり、混合性の外反母趾になってしまいます。
もう一つは、痛風です。風に吹かれただけでも痛みが出ると言われる、恐ろしい病気です。食生活の欧米化が主な原因で、現在では約60万人もの患者さんがいると言われています。痛風は、肥満や高血圧・高脂血症・糖尿病などの合併症を起こしやすく、動脈硬化など命にかかわる場合もあります。突然の足の親指の痛みや腫れが初期症状として現れ、締め付けられるような激痛や動かせなくなるなどの発作を起こします。
この病気は、10日程で症状が回復しますが、治療を怠りがちになると、関節だけでなく腎臓にも影響を与え、最悪の場合は尿毒症を起こします。
足の親指の第一関節に痛みを出す原因はまだある!
足の親指の痛みの原因として考えられる病気に、関節リウマチがあります。
足も手と同様、症状が現れやすい所です。関節リウマチの症状は、朝起きて歩き出すと、足裏に砂利を踏むような不快な痛みを感じます。足指も手指と同じく骨同士がずれやすく、複雑な構造をしています。
足には全体重が掛かり、少し曲がった程度でも歩くことによる変形は早く、外反母趾や、重複指、足裏のタコなど様々な症状が現れます。
また、強剛母趾という症状もあります。関節に、強いストレスが掛かり続ける事で起こる、変形関節症の一種です。
関節の隙間が狭くなり、関節部の骨にとげができ、炎症を起こします。
足の親指の痛みの原因には、巻き爪など、爪の状態が関係している場合もあります。
巻き爪は、足の親指に多く、靴による圧迫や深爪、スポーツなどが原因で起こります。爪がカーブし、酷くなると痛みが強くなったり、膿が出たり、爪の下の骨が変形したりすることもあります。また、爪水虫が原因の場合もあります。
手や足の親指に痛みをださないために
小さい頃から自分の足に合った靴を履くことは、足のトラブル予防にとても効果的です。
靴を選ぶポイントは、1.ゆるい靴を選ばない。2.足の長さがあっている。3.しっかりフィットしている。などです。
かかとを持ち上げた時に、靴がしっかりかかとに付いてくるものがよいようです。靴ひもは、靴をしっかり履いてから結ぶようにします。足の親指に痛みを感じた場合、テーピングで固定することはとても効果的です。腱鞘炎などで、強い負荷による炎症の痛みには、固定することで負荷を軽くし、安定させます。足の親指が痛む場合は、ヒールの高い靴を避け、つま先幅の広い靴を選ぶようにします。
痛みを和らげるものとして、ツボ押しも効果があります。手の親指に痛みを感じる場合は、孔最(こうさい)と呼ばれる肘の側のツボや、陽溪(ようけい)と呼ばれる手首のツボも効果的です。テーピングもツボ押しも、共に対処法ですので、痛みが引かない場合は必ず病院を受診しましょう。まずは整形外科を受診し、痛みの原因を調べてもらう事をお勧めします。
手も足も痛みがあったら大変な思いをするだけです
手の親指は使い過ぎないように注意してください。お仕事なら、休憩でしっかりと休ませたり、スマホいじりが好きなら、時間を決めたり、手を入れ替えたりするようにしましょう。
足の親指は靴選びがとても大事です。デザインがいかに良くても、自分の足に合わないものは無理に履く必要は全くありません。
私達の体は正直です。無理した結果が痛みとして現れているだけなのです。痛みのない生活を送ることが最も幸せなことではないでしょうか。