妊娠初期のレントゲン撮影をするとき、お腹の赤ちゃんに影響するのでは・・と心配になる方多いですよね。
妊娠中は歯科にかかる機会が増える方も多く、歯科でのレントゲン撮影も気になりますよね。
また、生まれた赤ちゃんや幼児のレントゲン撮影で被曝によるのリスクは?と気になる方も多いのではないでしょうか。
今回はレントゲン撮影による体への影響についてご紹介します。
また、赤ちゃん・幼児のレントゲン撮影の方法もご紹介していきます。
妊娠初期のレントゲン撮影はお腹の赤ちゃんに影響する?
妊娠初期に、妊娠に気づかずレントゲン撮影を受けたのを、後になって、赤ちゃんが被爆しているのではないかと、不安になることもあると思います。
また検診の項目に入っているので、気にせずに受けている人もいるのではないでしょうか。
医療におけるレントゲン撮影の被爆量はとても少ないのですが、産婦人科や妊婦検診のときに相談するとよいでしょう。
そのときに、レントゲン撮影を受けたことを伝えましょう。
妊娠12週以内の妊娠初期にレントゲン撮影をして心配なのは、赤ちゃんへの影響がどのくらいあるのかということです。
妊娠4週から15週までが、お腹の赤ちゃんの重要な器官が形成される時期といわれています。
この妊娠初期が一番デリケートな時期となるので、心配する人も多いと思います。
妊娠4週から12週の間に、放射線が100ミリシーベルトを超えると危険といわれています。
また、妊娠10週から27週は放射線が120ミリシーベルトを超えると危険といわれています。
レントゲン撮影でお腹の赤ちゃんへの被曝線量はどれくらい?
国際放射線防護委員会によると、妊婦さんが被爆したとき、しきい値で100mGyから200mGyが影響が出るとされています。
しきい値は、影響が出るとされる最低の放射線量です。
普段、被爆線量の単位はmSvやuSvですが、胎児の被爆線量を測るときには、mGyを使います。
今回はmGyを使います。
レントゲン撮影における赤ちゃんへの被爆線量は、胸部X線単純撮影は0.01mGy、腹部X線単純撮影は1.4mGy、腰椎X線単純撮影は1.7mGy、上部消化管造影は1.6mGy、注腸造影検査は8.0mGy、頭部CTは0.005mGy以下、胸部CTは0.06mGy以下、腹部CTは8.0mGy、骨盤部CTは25.0mGyです。
被爆線量が高い骨盤部のCTでもしきい値の1/4以下となります。
一般的なのは、0.01mGy以下の胸部X線単純撮影となります。
なので、妊娠に気づかずに、検診等のレントゲン撮影を受けても心配はありませんが、産婦人科で相談するとよいでしょう。
また、妊娠が分かっている場合には、健康診断のとき、医師に相談しましょう。
妊娠初期に歯のレントゲン撮影でお腹の赤ちゃんへの被曝の心配は?
歯のレントゲン撮影は、デンタルとパノラマの二種類があります。
デンタルは、一箇所を撮るもので、パノラマは、頭の周りをカメラが半周して撮るものです。
歯のレントゲン撮影の被爆線量は、デンタル0.01mGy以下、パノラマ0.01mGy以下と、意外にもデンタルとパノラマの被爆線量は同じです。
国際放射線防護委員会によると、妊娠から出産までは10ミリシーベルトを超えないようにといわれてますが、歯のレントゲンの場合は、約1,000枚撮る計算になります。
また、奇形になる可能性があるといわれる100ミリシーベルトは、約10,000枚となります。
歯のレントゲン撮影は、光と同じような性質で、また、口の中を撮影するので、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないといえます。
また、口のレントゲン撮影の際は、プロテクターを着けて撮るので、その影響は非常に小さくなります。
もし、まだ心配であれば、産婦人科で歯のレントゲン撮影について相談してみてください。
赤ちゃんや幼児のレントゲンの撮り方
1歳までの赤ちゃんのレントゲン撮影の場合は、固定具を使ったり、押さえながら撮影したり、寝ている間に撮影します。
2、3歳になると固定具についているネットを自分の力でやぶいてしまうので、固定具を使うのは難しくなり、3、4人で押さえて撮影することもあります。
ただ、4、5歳で嫌がって抵抗されると、検査が難しくなってしまうこともあります。
レントゲンを撮る間だけなのですが、レントゲン撮影の間に身体をねじったりすると、画像がブレてしまい、診断が難しくなってしまいます。
必要以上にレントゲン撮影をしなくてはならなくなり、余計に被爆してしまいます。
そのときには、技師、医師、両親が説得したり、なだめて、子どもが落ち着いてから撮影するようにするとよいでしょう。
両親のどちらかが鉛エプロンを着て、レントゲン撮影室に入ってもらうことになります。
それでもできない場合には、検査を中断し、寝ているとき等、他のときに検査をしなくてはならなくなります。
以前、私の1歳の息子がボタン電池を誤飲したかもしれない可能性があり、すぐに救急病院へ行きレントゲンを撮ってもらいました。
その時はやはり慣れない環境と見知らぬ人がいるというだけで、泣きわめき撮影に大分苦労した思い出があります。
結局その時は何も飲み込んでおらず無駄足にはなりました。
赤ちゃんや幼児のレントゲン撮影での注意点
赤ちゃんや子どものレントゲン撮影は安全第一で検査をしています。
なので、検査中にケガをしてしまうことがないよう、検査を行うのが困難と思うときには、決断をしなくてはならないこともあります。
レントゲン撮影室に両親のどちらかがそばにいるようになっています。
子どもは大人よりも放射線の感受性が高いので、影響が大きくでやすいです。
ですが、レントゲン撮影での影響はほとんどありません。
子どものレントゲン撮影は、大人のX線量よりも少ないですが、診療には問題ない画質を得ることができます。
そのため、子どもへの被爆を抑えることができます。
大きくなると、レントゲン撮影のときにじっとすることができるようになりますが、赤ちゃんは動いてしまったり、長時間の検査に耐えられないこともあります。
なので、できるだけレントゲン撮影室にいる時間を短くしたり、検査の時間を短くしています。
子どもの検査について、気になることがあれば質問しましょう。
被爆の影響を考えるとやっぱり心配・・レントゲン以外の検査方法
超音波検査、エコーは、検査するところに超音波を当てて、その反響を映像化し、調べる映像検査です。
骨で囲まれているところ以外は、ほとんど全てのところが検査できるようになっています。
超音波検査では、レントゲン撮影よりも臓器の状態を断面的に見ることができます。
CT検査といわれるコンピューター断層撮影では、X線を対象部位に照射して、断面画像を撮影しています。
今は、CT検査で立体的に撮影することも可能になりました。
ただし、レントゲン撮影よりもX線量が多くなりますが、詳しく調べることができます。
MRI検査といわれる核磁気共鳴画像法は、磁石と電磁波を使い、断面画像を撮影します。
X線を使わないので、被爆しません。
また、CT検査のように、造影剤を使わず血管を撮ることができます。
脳から脊髄、内臓、血管等のあらゆるところの検査ができます。
ただし、検査に30分以上かかってしまいます。
なので、MRI検査は小さい子どもには難しいです。
深く考えすぎず、疑問は専門医へ相談を!
いかがでしたか?
妊娠初期や生まれてきた赤ちゃんや幼児のレントゲン撮影による被曝する可能性はそこまで心配するほどではないようですね。
先天性の異常などでレントゲン撮影は仕方のないことですが、検査が必要になるほどの怪我しないよう、日頃から注意が必要ですね。
妊娠初期の方も、被爆が心配で検査をしないでいるという方は医師に相談をし、不安な気持ちを解消しましょう。