足つぼマッサージとは良く聞きますが、実際足裏のつぼを狙っているわけではないようです。足裏は反射区と呼ばれて体の各器官や内臓の状態を現しています。つまり足裏を体に当てはめて痛いところから内臓の状態が見えてくるということです。そこで今回は足つぼマッサージについてお話ししていきたいと思います。
足つぼマッサージは痛ければ痛いほど効果があるの?
足つぼマッサージは、古くからヨーロッパ、中国、日本といろいろなところへ伝承されていき変化をしていった経緯から、その技法や呼び方などによって大きく4つの種類があります。
まずは、イギリス式で、リフレクソロジーと呼ばれます。イギリス式は、癒し効果に重点を置いています。そのため、技法は痛みをなるべく伴わないようなものとし、アロマであったりヒーリングを用いてゆったりとした環境で行われます。また、一つのツボを刺激するというよりも足裏全体をマッサージしていくので、痛いのが嫌な人やなによりも癒しを求めたいにピッタリな技法といえます。
2つ目はドイツ式で、フットケアと呼ばれます。ドイツ式は足の美容のための技法です。足の角質ケアや爪の手入れといったように足の美容のためのマッサージです。
3つ目は、台湾式です。台湾式は直接ツボに強い刺激を洗えます。そのため、痛みを伴うことがほとんどですが、施術後に違いが分かりやすいことも多いです。胃痛や頭痛、足のむくみといったようにここをすぐに治してほしい、痛みを和らげたいと思う際に効果的な技法といえます。
最後は、日本式でこれは台湾式とイギリス式の混合といった技法です。リラクゼーションを用いながらもツボに直接刺激を与えることで双方の利点を用いようとしている技法です。
足つぼマッサージの歴史
足つぼの歴史はずっと古く今よりも5000年前にはじまったとされています。
記録として残されているのは紀元前2330年ころの古墳壁画でエジプトにあります。
この画は古代人が手足のツボを押すという行為があったことを示しています。
記録として残されているものは日本にもあります。奈良県の薬師寺の仏足跡がそれで、仏の足には五臓六腑の文様をみることができます。歴史のある中国医学の原点である黄帝内経でも病気を知る方法として足裏の状態をみる治療法の記述があります。
その後その治療法は、中国の名医である華佗が受け継ぎ、日本には唐の時代に伝承され足心道となった経緯があります。
この足裏の状況をみる治療法は、日本のみならず西洋にもわたり、ヨーロッパでは1580年代に産婦人科の治療として使用されていました。
古くからの人々が経験を通じて感じ、それを次世代へ伝えていくことで積み上げてきた治療法が、現代では現代医学と結びつきリフレソロジーとなりました。
足裏と体はつながっている?
足の裏は、体全体の鏡といえます。足、とりわけ足の裏には多くのツボがあります。
親指が体の頭を表していて親指の付け根は首を示しています。
そしてツボは、親指(頭)からかかと(足)に向かって順番に気管支、肺があり、胃そして腸、さらには膀胱といったように内臓や器官に効くツボがあります。
興味深いのは、足の裏のツボは、多くがその臓器がある同じ側にあることです。
例えば、心臓は1つしか存在しなく、かつ左寄りについているので、同じように心臓のツボは左足に一か所のみです。
肺は左右に存在するので同じように足のツボも左右に存在します。
例外として、注意が必要なのは耳と目で、これらは非対称となり左耳は右足に、右耳は左足に、左目は右足に、右目は左足となります。耳や目などは悪いほうをかばおうとしてもう一方に負担が大きくかかってしまう場合もあるので、念のため両足の裏のツボをおすとより効果的であるといえます。
痛い足つぼマッサージは自分でも出来る
進め方や準備。
まず、拳を握ります。
このとき親指は中に入れるようにしましょう。
そして、外側の4本の第二関節で押し当てて押していきます。
足先から始まりかかとへと向かってを往復します。(10往復ほど)
次に足の裏の外側から中央に向かって少しずつ押し進めていき中央に来たらやや強めに抑え10秒ほど押さえます。(10回)
ひとさし指を鍵の形にし、足の裏中央からかかとの内側に向かって押しながらスライドさせる。さらに内側と外側のくるぶしの周りを下から上へと引き上げます(10セット)
不調を感じる場所のツボを押します。指もしくはツボ押し棒で押してみてください。もし不調の原因が不明な場合は、自分が痛みを感じるツボを探してみましょう。
例えば、土踏まずが痛い場合は消化器官である胃や腸が悪い可能性があります。
痛みの感じるツボ、もしくは硬さのある場合、ゆっくりともみほぐしてみましょう。ぐりぐりとするだけでなく、ぐっと押してみたりと決してむやみに力を入れるのではなく徐々にもみほぐすイメージで行いましょう。
痛い足つぼマッサージをやる上での注意点
足つぼマッサージを効果的に行うためには次のことに注意が必要です。
消化不良を防ぐために食後すぐのマッサージは厳禁です。
人は食物を摂取するとその血流は消化器官である胃や腸に注がれます。
その状態の時に、マッサージでその血流を阻害してしまうと消化器官の働きが鈍くなってしまい、結果として消化不良や胃痛といった症状を引き起こしてしまう可能性があります。妊娠中の方や生理中には行わないでください。生理中に子宮に関するツボを刺激することで出血量が増えてしまい貧血を起こす場合がありますので、生理中は控えるようにしましょう。また、妊娠中に子宮のツボを刺激することで妊娠継続が困難になる場合もあります。難産の際にお産を促すツボも存在するので間違って押してしまわないよう妊娠中は控えることが大切です。
一日の施術時間は15分程度で十分です。やりすぎないように注意しましょう。また、こっているつぼを無理やりほぐすのではなく、ある程度の期間をかけて徐々にほぐしていくという考えのもとマッサージをしましょう。
水分不足では老廃物の排出が不十分になる恐れがありますので、水分補給をしてからマッサージをするようにしましょう。
足つぼグッズを使えば効果的
足つぼマッサージをより身近に簡単に行うための方法として2つの道具があります。まず一つ目は、マッサージ棒です。足つぼマッサージは指で行うのはもちろんですが、専用の棒を使って行うこともできます。棒での利点は指に負担をかけずによりツボの刺激を与えることができるところにあります。今まで、指でツボを探していたけれどわかりにくかった人などは、指よりも細いツボ専用棒で押すことでツボの位置を確認しやすくなったり、小さな力で大きな刺激を与えられるのでより効果を得られることができます。
二つ目は、足つぼマッサージマットです。足つぼマットは、短時間で広範囲にわたる複数のツボを刺激するのに有効です。一つ一つのツボをほぐしていこうと思うと、たくさんの時間がかかってしまいます。足裏マッサージは1回限りということでなく、継続して行うことが最も重要です。そのため、忙しい毎日の中にも足裏マッサージを取り入れたいと考えたときに、足裏マッサージマットは効果的であるといえます。
足裏が柔らかいと不調がなくなります
必ずと言ってよいほど、不調を抱えている方は足裏を刺激すると痛がります。ですから、体の調子と足裏の状態が繋がっているというのも凄くよく分かります。そう考えると逆に普段から足裏を柔らかくするようにマッサージやツボ押しを繰り返してみましょう。理由は分からなくても、調子が上がってくるはずです。あのイチロー選手も足裏マッサージは小さい頃から欠かさないことで有名ですからね。