日本では昔から礼儀作法があり、正座をする習慣がありました。しかし、現代は文明の変化でソファや椅子に座ることが多くなってしまいました。その結果、正座が苦手な方がとても増えてきてしまったようです。足首の硬さは様々な動作を制限し、怪我や不調の原因になります。そうならないためにも足首をストレッチして健康な体を手に入れましょう!
正座が出来ないのは足首の硬さのせい?
正座をしたときに足首や膝が痛む原因を見ていきましょう。
過去に足首を内側に捻る捻挫、つまり内反捻挫をしたことがある場合、足首の周りの筋肉や腱が固まってしまっていることが原因の一つとして考えられます。
捻挫をきっかけに固まってしまった筋肉や腱が、腫れが引いた後も固まったままになってしまっている状態です。そのまま正座をすれば動作に制限もかかりますし、足首のつまりも感じられたりします。
膝の痛みですが、その原因は多くの場合実は太もも前面の筋肉の固さに問題があります。ここは大腿四頭筋と呼ばれる筋肉でここの伸び縮みで膝の曲げ伸ばしを行っているのです。この筋肉は4つの筋肉で構成されており、どれも膝と関わりがありますが中でも大腿直筋と呼ばれる筋肉が膝の痛みと直接の関係があります。膝の痛みで正座をしなくなる人は多いのですが実は逆効果で腿の筋肉をより固くしてしまうことになりかねません。
膝痛をやわらげるためには膝に注目するよりもむしろ太腿の前面の筋肉の柔軟性を高めることで膝関節の屈曲に制限がかからないようにすることが効果的です。
足首のストレッチは怪我予防だけでなくダイエット効果もある
脚がなかなか痩せないというお悩みはよく耳にします。
脚痩せのを目指すとき、足首のケアはとても大切です。
実は多くの場合脚が太いという悩みを抱える人の多くに脚の歪みが見られます。
膝下の骨や関節の位置がずれることで体重を上手く足底で支えられない場合に歪みを生じるのですが、歪みからくる全身のバランスの悪さのために立っているだけでも余分な力を必要とするようになり、それが良くない筋肉をつけて脚を太くしてしまうのです。
また、むくみやセルライトなどを引き起こすのもこの歪みが原因です。
足首をほぐすと、膝下の歪みが改善され、脚痩せへの効果が期待できるのです。
また脚のつま先は実は身体の循環の折り返し地点でもあるので足首のゆがみで循環を妨げると足の冷えも誘発してしまいます。冷えもむくみやセルライトの原因なので、この点からも足首ケアは重要なのです。循環を促せばリンパ液の循環も活発化するので代謝も上がりより一層足痩せに効果があります。
正座が出来ると腰痛予防にもなる
地ベタに座るとき、最もいい姿勢は正座です。座るまでの手順を説明しましょう。
1・膝立ちをします。このとき両足全体はすべてなるべくくっつけるようにして、足首は伸ばします。
2・お尻をおろします。かかとをなるべく開かないようにしてかかとがお尻に突き刺さるようにします。
3・背筋をまっすぐ伸ばします。足先は重ねないようにして重心がずれないようにします。
立ち上がるときには膝立ちから片足ずつ立ち上がります。横座りや足を横に出してしまうと足を出した反対側の骨盤に体重がかかるのでNGです。また両足を横側に出すのは股関節がねじれてしまいます。
正座しているときにお尻を後ろに倒すと背中が丸くなりますので、身体の重心は真っ直ぐに保ったまま背筋が少し上から引っ張られるようなイメージを持つといいでしょう。
きちんとした正座は腰痛には効果的です。その理由は一つには骨盤が立って正しい位置にあるようになり、腰への負担を軽減してくれること、二つ目には背筋が伸びると背中の緊張が取れて背骨の歪みが改善され、上半身のバランスが整うので腰にかかる負担が減ることがあげられます。
正座が出来るようになる足首ストレッチ
ふくらはぎのむくみやセルライト解消にも効果的な足首ストレッチの仕方を見ていきましょう。
1・仰向けになって両足を肩幅に開く。両腕は手のひらを下にして体の横に置く。
2・右手をお腹の上に置き、左手をお尻の下に入れる。
3・左足裏を床につける形のままでゆっくりと左膝を曲げていく。
4・足裏が床から離れるぎりぎりのところまで曲げたら止める。
5・そのまま左脚のかかとを上げつま先を丸めて床につける。このとき太ももやふくらはぎ、足の甲には力が入らないように。
6・膝を曲げたまま今度はつま先を上げかかとを床に押し付ける。このときかかとはなるべく立てておく
5~6を5セット繰り返した後、2の姿勢に戻りつま先を真っ直ぐに伸ばす。脚を床につけかかとをつけたままつま先だけ動かして内側に30度ほど傾け、またもどす。このつま先の動きを5セット繰り返したら1の姿勢に戻し、反対側も同様に行う。
これはかかとと足指の関節を柔軟にするストレッチです。
太ももに力をいれずおなかを引っ込めて行うのがポイントです。
別の足首ストレッチもご紹介します。
1・仰向けになったら両脚を肩幅に開きます。右手をお腹の上左手をお尻の下にいれ右膝を曲げます。
2・左脚の膝を曲げた状態で右足のふくらはぎをその上にのせ、1分間右足首を時計回りにぐるぐる回します。
3・脚と手を変えて今度は左側の脚を反時計回りにぐるぐる回します。」
入浴正座が足首ストレッチに効果的
身体の歪みは体型を崩したり太りやすくする原因の一つですが、なかでも骨盤の歪みはぽっこりお腹や代謝不良、下半身のむくみにつながります。
実は正座をすると、そんな骨盤の歪みを矯正できるのです。
1日のうち、バスタイムだけでも正座をすれば、一日の歪みがリセットされやすくなります。
お風呂の中では浮力もあるので正座もしやすいのです。
以下、正座のやり方です。
1・湯船の中で膝立ちをし、膝とかかとをぴったりとくっつける。つま先は軽く開いておく。
2・腰を下ろしかかとにお尻を乗せる。このまま90秒キープする。
この間、かかとを離さないようにすることがポイントです。こうすることでふくらはぎに圧力がかかりダイエット効果が上がります。かかとが離れるとかえって骨盤が歪むこともあるので要注意です。ゆがんだ骨盤を戻せば内臓の位置が戻ってぽっこりお腹も改善され代謝も上がって脂肪も燃えやすくなるのでダイエットには嬉しい効果が期待できます。
毎日、入浴正座やってみましょう
正座をしてお風呂に入ることには様々な効果があります。ふくらはぎが加圧されると身体が温まりやすくなるので発汗作用が高まります。汗は天然の美容液とも言われているので、しっかり汗をかくことは美容にも一役買ってくれます。汗をかけば毛穴が広がるので毛穴に詰まった余計な皮脂や汚れが流れ出します。もちろん毛穴詰まりはにきび予防にもなります。汗をかけば身体にたまった余計な水分を排出できるのでむくみ対策にも効果的です。
また正座してお風呂に入ると一気に身体が温まるので副交感神経が優位になってリラックス効果も期待でき、寝つきが良くなって睡眠の質が上がります。
実は睡眠の質を上げることはダイエットにも効果的です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは睡眠の質が上がるほどたくさん分泌されるのですが、このホルモンは身体を若々しくし、代謝を上げ、さらには美容効果も期待できます。寝つきが悪いと感じているなら痩せにくい体質になっている可能性がありますので、是非正座してお風呂に入って効果を実感してみましょう。
足首を柔らかくして、正座を続けよう
日本の昔からの文化で正座があります。最近は便利になり、欧米化が進み、正座する機会がめっきり減ってしまいました。でも正座にはメリットがたくさんあることはこの記事を読めばお分かりいただけたと思います。決して長い時間やる必要はありません。一日合計2~3分くらいで十分です。あとは日常動作でしっかりと足首を意識して動かしていればOKです。ぜひ正座を毎日の生活に取り入れてみてください。