頭を打った時はとても不安になるものですよね。
小さなお子さんがいらっしゃる家庭ではお子さんが転ぶことも多々ありますよね。
頭を打った時に熱や嘔吐など危険な症状や応急処置の方法を知っておくと慌てずに対処できるかもしれません。
頭を打った時の危険性について
頭を打った時の危険性は知っておきたいですね。
体のどこかをぶつけると、すぐそこに青アザが出来たり熱を持ったりと変化があります。
でも、頭部打撲では、その症状が後に出ることがあります。
一般的に頭部を打ってから24時間は注意が必要です。
脳は、頭皮・頭蓋骨・硬膜・くも膜・軟膜で保護されています。
このどこの部位に出血があるかで、症状などが変わります。
くも膜下出血は、くも膜の下で出血が起きます。
また頭部の外傷では、衝撃を受けた反対の部位も損傷を受ける事があります。
たとえば、後頭部を強打したとき、反対側の前頭部も損傷して重症になることがあります。
ヘルメットをつければ、このような損傷が予防できます。
特に子供は、自転車などで転倒することがあるので、ヘルメットをつけるようにしましょう。
まれですが、異常が無くても時間が経ってから頭の中に出血が起きて、生命に関わることもあります。
なので数日は充分に注意しましょう。
また、症状の変化が分かりにくくなるので、この数日は睡眠薬、風邪薬、大人であったらお酒などは飲まないようにしてください。
頭を打った時の応急処置
頭を打ったときに意識があれば、24時間は体調の変化に気をつけてください。
数日後や数か月後に症状が出ることもあります。
強い頭痛・吐き気・しびれ・うまくしゃべれない、などの症状が出れば、病院に行きましょう。
周りに異変に気付く人がいないなら、誰かにこまめに連絡をするよう頼むと安心できます。
交通事故や高所から落下したときは、周りの人が対象者の状態を確認してください。
この時に、対象者を激しく動かしてはいけません。
頸椎を損傷していたら、この部位を動かすと麻痺を残すことがあるからです。
対象者が嘔吐をしたら、顔を横にして嘔吐物が詰まらないようにしてください。
意識確認のために、声掛けをします。
Japan Coma Scaleで、意識レベルを評価します。
【Ⅰ】
0 意識清明
1 見当識はあるが意識清明でない
2 見当識障害がある
3 名前・生年月日が言えない
【Ⅱ】
0 刺激に応じて一時的に覚醒する
10 普通の呼びかけで開眼
20 大声で呼びかけたり、強く揺すると開眼
30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると開眼
【Ⅲ】
0 刺激しても覚醒しない
100 痛みに対して払いのける動作をする
200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめる
300 痛み刺激に無反応
このように分類するので、倒れている人がいたら参考にしてくださいね。
合計点数が高いほど危険性が高いと思ってください。
では次に、頭を打ったときの熱についてご紹介します。
頭を打ったら24時間は注意!高熱になる・嘔吐症状は危険!
頭を打った後は、24時間は特に注意が必要です。
頭を打った後は元気だったのに、吐いたり意識がなくなって死ぬこともあります。
血の溜まる速さなどで、頭蓋内出血での症状が異なります。
本人が気付きにくい症状は、呂律が回らない・物を上手く掴めない、などです。
自分で少しおかしいと思っても、病院に行かない人がほとんどです。
なので、周りの人が注意することが必要です。
また、吐き気や嘔吐・頭痛がひどくなる・ボーっとする・しびれ・けいれん・熱が高くなる、などの症状が出ます。
これらの症状が出たら、すぐに病院へ行きましょう。
少し時間が経ってから頭痛や、嘔吐、意識障害などが起きたら、急性硬膜外血腫の可能性があります。
頭蓋内出血でも、出血源は脳では無く硬膜や骨折部で、血の固まりが大きくなり脳を圧迫するようになるまでは、症状が出ません。
なので、受傷直後のCTやレントゲンで異常がなくても、数日後に内出血によって症状が出ることがあります。
CTやレントゲンで、頭の骨に異常がなくても安心できません。
頭を打った時の高熱や嘔吐以外で危険な症状
頭部打撲後に次の症状が出たら、すぐに脳神経外科に行きましょう。
・吐き気や嘔吐
・むかつき
・気分が悪く食事が摂れない
・けいれんやひきつけ
・コブ以外の頭痛
・意識障害
・一度起きてもすぐ眠り込む
・呼びかけても目を覚まさない
・会話が変
・片側の手足のしびれ
・半身に力が入らない
・物が二つに見える
・熱がある
・暴れる
・息づかいがおかしい
・物忘れ
・性格変化、異常行動
などの症状があれば、蓋内出血や脳損傷の可能性があります。
すぐに脳神経外科へ行ってください。
頭を打った後は、家族が体調の変化を注意深くチェックしましょう。
何となく様子がおかしい、ぼんやりしている、眠りがち、活動性の低下、などの症状があれば、その後は頭痛、吐き気などの症状が出ます。
運動麻痺、言語障害、尿便失禁が起こり、記憶障害や痴呆様症状が出てくることもあります。
特に高齢の人は、初診の検査で異常がなくても一ヶ月後に必ず検査をしてください。
この間は、症状の変化が分かりにくくなるため、酒、睡眠薬、風邪薬は飲まないでください。
子供が頭を打った時に気を付けること
子供は遊びに夢中になると、転んだり交通事故にあうリスクが高まります。
子供が頭を打った時は、激しく泣きますが、その後に元気に遊び始めたら心配ないと思ってしまいます。
あやしても反応がない、うとうとと眠りがちなら、病院に行きましょう。
子どもの変化を一番に気づくのは、一緒に過ごしている大人です。
頭を打ったら、普段と違った様子をチェックしてください。
また、頭部を打った時は出血する事があります。
子供は大量の出血でショック状態になることがあるので気をつけましょう。
激しく泣いても、その後きちんと食事を食べれば様子を見て大丈夫でしょう。
吐き気や嘔吐や高い熱があれば、病院に行きましょう。
食事をして嘔吐した、という場合も、病院に行ってください。
ただ、1〜2回の嘔吐で、その後は元気なら様子を見ていいようです。
でも、24時間は様子の変化に注意してください。
子供らしい関心が低下していたら、問いかけなどに答えません。
子供がこのような状態なら、病院に行きましょう。
また頭を打ってすぐに嘔吐をしたら危険ですが、約1/3の子供は嘔吐するという統計があります。
子供はいろんな部位が未完成の状態だからです。
発熱や嘔吐症状はなかったけど、後遺症は残るのか?
頭を打った後に発熱や嘔吐がなくても、後遺症として考えられのは、高次脳機能障害やてんかんです。
てんかんは、受傷後時間が経ってから発症します。
頭部外傷では、運動麻痺より高次脳機能障害がよく起こります。
高次脳機能障害には、いろいろとあるのですが、頭部外傷では次の症状がよく起こります。
・意識が低くなって、声をかけても反応が薄い
・気分や感情のコントロールが困難になる
・自主的に何かをしようとしない
・集中力が湧かない
・新しいことを覚えられない
・計画を立てれないし、臨機応変に対応できない
・自分が病気だというのがわからない
、などの症状です。
このような障害は目に見えないので、他人に理解してもらうのは難しいところがあります。
例えば、記憶障害の場合は何かを約束しても忘れてしまいます。
なので、他人からしたら、「忘れてしまうのなら、メモをすれば忘れないのでは?」と思われるのですが、記憶障害の場合は、「メモをしても忘れてしまう」のです。
なので、毎日の暮らしで自分で工夫を凝らさないと、生活するのが難しくなってしまいます。
安全に注意しながら生活しましょう
いかがでしたか?
頭を打った時は、心配になりますよね。
特に歩き始めの子供はよく転ぶことも多いですよね。
少し目を離した隙に、家具で頭をぶつけた!なんて経験をして不安になっても子供の様子を見て慌てずに判断をしましょう。
大人でも、頭を強く打ってしまうと気を失う方も多いと思いますので介抱する際は、慌てずに対処しましょう。
自分が当事者にならないように日常生活は安全に注意しながら生活しましょう。