右側だけの頭痛に悩まされている方、さらに頭頂部の痛みもある方は要注意かもしれません!
右側頭頂部に慢性的に痛みを感じる場合に考えられる原因は脳腫瘍です。
早期発見が極めて重要な脳腫瘍。
今回は脳腫瘍についてご紹介していきたいと思います。
右側だけが痛い頭痛でさらに頭頂部まで痛い場合
頭頂部の右側のみ頭痛があるなら、脳腫瘍・慢性副鼻腔炎かもしれません。
脳腫瘍は、頭蓋骨の中に腫瘍ができます。
朝起きたときに特に激しい頭痛を感じます。
頭頂部や頭頂部の右側だけが激しく痛むなら、脳腫瘍が疑われるでしょう。
また、吐き気や嘔吐、目がぼやけるという症状などもあります。
頭頂部右側だけの頭痛が脳腫瘍が原因なら、腫瘍を切除しないといけません。
このような症状があれば、病院にすぐに行って検査をしてもらい、早期発見をすることが必要になります。
慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が慢性化したものです。
症状は、鼻水が止まらないで、いつも鼻が詰まる状態になります。
そして、その鼻水は膿性の悪臭がします。
口で息をしないといけないので、鼻呼吸ができなくなります。
細菌などで、副鼻腔の粘膜が腫れて換気の通り道が塞がってしまうのが原因だと言われています。
鼻や副鼻腔内に溜まった鼻水を取って、抗菌薬を投与して治療します。
それでも治らなければ、手術をして治療をすることになります。
頭頂部右側の頭痛の原因の脳腫瘍とは
頭頂部右側の頭痛の原因の脳腫瘍について説明していきます。
脳腫瘍は、脳組織に異常細胞が増える病気です。
脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍と、がんが脳へ転移した転移性脳腫瘍があります。
原発性脳腫瘍には良性と悪性があります。
良性の腫瘍でも、頭蓋内に発生する脳腫瘍が大きくなれば、正常な脳を圧迫するので障害が起こります。
脳腫瘍の発生率は、1年間に人口10万人に対して3.5人くらいです。
脳腫瘍は悪性がほとんどで、細胞の形や性質で分類されます。
治療法、完治の可能性や予後は、脳腫瘍の種類と全身状態でほとんどが決まります。
脳腫瘍は、がんの人100人のうち5人以下なのですが、子供のがん患者でみたら白血病に次いで多いです。
5人に1人くらいで、子供の脳腫瘍は珍しくはありません。
小児脳腫瘍ブログで検索したら、たくさんの親が載せたブログを見ることができます。
子供に多い脳腫瘍は、神経膠腫、胚細胞腫瘍、髄芽腫、頭蓋咽頭腫などになります。
子供にこの病気が多いのは、とても悲しいことです。
右側頭頂部に頭痛を引き起こす脳腫瘍の初期症状
頭蓋内で腫瘍が大きくなったら、正常な脳を圧迫するので頭蓋内圧が上がってしまいます。
そのため慢性的な右側頭頂部の頭痛、吐き気、うっ血乳頭などの症状が起こります。
これを頭蓋内圧亢進症状と呼びます。
慢性頭痛は最も注意が必要になる自覚症状です。
頭痛は脳腫瘍以外の病気でも発生するのですが、脳腫瘍だと慢性的に続きます。
特に、朝起きた時に強い痛みを感じ、その後はゆっくりと症状が弱くなります。
これは初期の脳腫瘍の20%くらいにみられますが、進行すると70%以上になるようです。
また、吐き気、痙攣、失神などもみられるようになります。
頭蓋内圧亢進症状の他に、腫瘍が嘔吐中枢を刺激することで、嘔吐をすることもよくあります。
嘔吐中枢は脳幹部にあるので、その周りの小脳腫瘍でよく嘔吐がみられるようです。
子供は頭痛を訴えることができないことがほとんどなので、嘔吐が重要な症状になります。
目にも異常が起こり、白内障などの眼球異常が起こります。
下垂体に腫瘍ができたら、外側の視野が欠ける両端側半盲を生じることもあります。
右側頭頂部の頭痛で発見された脳腫瘍の末期症状
悪性腫瘍が末期になったら、重篤な痙攣発作が起こる可能性があります。
手、足などの部分痙攣が、意識障害と四肢の痙攣を伴う全身性の痙攣に発展するのです。
がんの程度などはステージで説明されます。
ステージI、IIは初期のがんです。
でも、脳腫瘍の標準的病期分類系はありません。
脳内に生じた脳腫瘍は脳や脊髄の他の部位まで拡がることもあります。
でも、他の部位に転移することがめったにないので、分類をしないようです。
代わりとして悪性度がI、II、III、IVまでに分類されます。
良性腫瘍のほとんどは悪性度がIで、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫が代表的です。
これらの良性脳腫瘍は手術で摘出したら再発はめったにありません。
脳腫瘍ではグレードII~IVが悪性の脳腫瘍です。
これらのがんは、手足の動きや言語などの機能を温存して、手術でがんを摘出し放射線治療や化学療法を行います。
悪性脳腫瘍では、グリオーマと言う神経膠腫や中枢神経系悪性リンパ腫が代表的です。
子どもによくある胚細胞腫瘍や髄芽腫はグレードIVの悪性脳腫瘍ですが、化学療法で治癒が期待できます。
星細胞腫や乏突起膠腫は悪性度がIIで、これがさらに悪性化し、悪性度がIIIになったものが退形成性星細胞腫、退形成性乏突起膠腫、退形成性乏突起星細胞腫になります。
グレードがIVと最も悪性な腫瘍は膠芽腫です。
右側頭頂部の頭痛が続けば、すぐに病院に行きましょう。
脳腫瘍の検査や治療方法とは
頭頂部右側の頭痛がする脳腫瘍の検査や治療方法をご紹介していきます。
脳腫瘍の検査は、画像で検査をします。
CTやMRI、脳血管造影が一般的です。
そして画像検査の診断をもとに、手術で腫瘍の一部を採って組織を調べます。
これは脳腫瘍の種類や悪性度を知るためで、この結果で治療方針が決定されます。
どんな脳腫瘍でも、治療の基本は腫瘍を取り除くことです。
一番効果が高いのは、手術による全摘出です。
ですが他に、放射線療法や化学療法を行うこともあります。
がんの生存率などの治療成績は、医療機関ごとにホームページで公開されています。
脳腫瘍全体の5年生存率は75%以上になっていると紹介している医療機関があります。
良性の脳腫瘍の髄膜種では93%、下垂体腺腫は96%、神経鞘腫は97%となっています。
一方、神経膠腫全体では38%、最も悪性度の高い神経膠芽腫は6%、次に悪性度の高い悪性星細胞腫は23%、星細胞腫が66%程度、転移性脳腫瘍は13%となっているので、今後に課題があります。
脳腫瘍の予防策
右側頭頂部の頭痛がする脳腫瘍の原因は、まだ解明されていません。
原因が分からないので、脳腫瘍の予防策もはっきりしないのが今の状況になります。
でも、脳腫瘍のリスクを高める原因として考えられる生活習慣のいくつかを改善すれば、脳腫瘍の予防になります。
高脂質、高たんぱくの食生活を送っている人は、食生活の改善をしましょう。
高脂質、高たんぱくの過剰摂取が、脳腫瘍を発症させる確率を高めるからです。
野菜やビタミンを豊富に摂り、良質のたんぱく質を摂取して、栄養バランスが整った食生活をしましょう。
喫煙も脳腫瘍のリスクを高めます。
喫煙は控えて、適度な運動をして、健康的で規則正しい生活を送ってください。
また、仕事などの過度のストレスも脳腫瘍の危険要因です。
ストレス解消法を見つけて、ストレスを緩和してくださいね。
定期的に検査を受けることも大切です。
脳腫瘍は、病院での検査で偶然発見されるものがあります。
また、突発的にてんかん症状が出るものもあります。
普段の生活で、朝起きたときに頭痛がする、視力がおかしい、ということがあれば、脳腫瘍を疑ってみましょう。
そしてすぐに病院に行って検査してもらいましょう。
脳腫瘍の疑いがあればすぐに専門機関へ
頭痛、特に右側頭頂部に頭痛を感じたら脳腫瘍の疑いがあることをお分かりいただけましたか?
脳腫瘍は治らない病気ではありません。
ただ発見が遅れれば遅れただけ治療も難しくなり、何かしらの障害が残る可能性、最悪命に関わる場合もあります。
今回の記事でまとめた各種症状をご自身で感じたことがあったら、一度専門機関で精密検査をしたほうがいいかもしれませんね。