みぞおちやその近くの肋骨が痛い場合、すぐにかかりつけ医のところで受診しましょう。この部分が痛むとき、疑われる病気はたくさんあります。
早期に対処すれば、回復も早いのは間違いありません。
今回はみぞおちと肋骨付近の痛みから疑われる病気についてお話ししていきます。
みぞおちと肋骨の周辺には
皆様みぞおちはご存知ですよね。
みぞおちとは、私達人間の胴体のほぼ真ん中にある窪んでいる場所のことを言います。
鎖骨の真ん中から下に伸びる胸骨の下に剣状突起という骨があり、ちょうどその骨が終わる部分です。
みそおちの左右には肋骨の12本あるうちの6本目から10本目の肋骨の軟骨部分である肋軟骨があります。
この場所には東洋医学の経絡のひとつである、鳩尾(きゅうび)というツボが存在します。
みぞおちの奥にある腹腔神経叢にはたくさんの交感神経が通っていて、痛覚が敏感ですので、強い衝撃を受けると物凄く痛みを感じます。
そんな強い衝撃を受けると横隔膜の働きが一瞬止まり、呼吸困難になってしまいます。
こういった理由から、みぞおちは人間の急所であり、ボクシングのボディーブローや空手の正拳突きなどで狙われるポイントになっています。
みぞおちの内側には胃や肝臓や大腸など様々な臓器が存在しています。
つまり、みぞおちが痛いといっても、原因はすぐには判断できず精密な検査が必要になる場合が多いのです。
みぞおちと肋骨が痛いときに見直そう
みぞおちと肋骨周辺が痛くなった場合に最近の生活を思い返してみましょう。
普段の生活にも原因が隠れているかもしれません。
まずは食べ過ぎた、飲み過ぎた、刺激の強いものを沢山採った場合です。
数日以内に暴飲暴食をしたり、激辛料理などを食べたりした場合にみぞおち周辺が痛くなることがあります。
お酒の飲み過ぎやタバコの吸い過ぎ、甘いものを食べた場合も胃酸が大量に分泌されて胃や十二指腸などの粘膜が傷つき、みぞおち周辺の痛みにつながります。
次にストレスや寒暖差によって自律神経が乱れた場合です。
精神的ストレスを受け続けると当たり前ですが、自律神経が乱れます。
または夏場の冷房、冬場の暖房のつけ過ぎといった外気温との大きな寒暖差が身体的ストレスになり、自律神経の働きがおかしくなります。
自律神経の乱れも、内分泌を狂わせ胃や十二指腸が酸にやられて、みぞおち周辺が痛みに影響するのです。
続いて食あたりの可能性も考えられます。
腐敗したものを食べてしまったり、海産物に当たったりすると、お腹を壊しますし下痢にもなります。
こういったことが最近の生活であったかどうかで原因を見つけることが出来ます。
みぞおちと肋骨が痛いときに疑われる病気①
ここではみぞおちと肋骨周辺の痛みに起因するだろう病気を挙げていきます。
①急性胃炎
暴飲暴食、精神的身体的ストレス、ウイルス性のもの、細菌感染、食あたり、アレルギー性のものなどが原因で粘膜が傷み、みぞおち周辺にキリキリした痛みを感じます。
吐き気や下痢、重症化すると嘔吐や吐血、下血で苦しむことにこともあります。
ほとんどは、安静にすることで2~3日で治ります。
②神経性胃炎
人間関係や仕事等からくる精神的ストレスや仕事や家事による過労が原因で、自律神経が崩れて引き起こされる胃炎です。
ストレスにより、神経バランスが崩れて胃酸分泌が必要以上に起こり、みぞおち周辺が痛くなる、気分が乗らない、吐き気、胸やけが起こるようになります。
③胃潰瘍
ピロリ菌を代表とする細菌や薬の飲み過ぎなどで胃粘膜に傷がつき、胃酸の過剰分泌で胃粘膜や胃壁を消化してしまうことで発症します。
症状の特徴としては、みぞおち周辺に強くズキズキとした痛みを感じることです。
胃潰瘍は食べたものが一番強く刺激を与えてしまうので、食事中、食後に痛みが強く出てしまいます。
④十二指腸潰瘍
胃潰瘍と同じく十二指腸の粘膜に傷がついた状態です。
胃壁よりも十二指腸壁は薄いので傷つきやすいです。
みぞおちと肋骨が痛いときに疑われる病気②
⑤食中毒
細菌や毒物の混ざった食品が体内に入るとみぞおち周辺が痛くなります。
嘔吐、発熱、下痢といった症状が強く現れます。
原因として考えられる細菌は、家畜やペットのほとんどが保有しているカンピロバクター、卵に由来するサルモネラ菌、生魚などから腸炎ビブリオ菌、私達人間の皮膚の傷口に繁殖しやすい黄色ブドウ球菌などです。
⑥胆石症
コレステロールの消化に使われる胆汁が石のように固まって、胆のうや胆のう管などに石が出来てみぞおち周辺に激しい痛みを感じます。
痛みを感じない方でも石は出来ます。
日本人の10人に1人は石を保有しているそうです。
右の肋骨や肩にかけて痛みが出るのが特徴です。
そして、石のせいで胆汁の流れが悪くなると、黄疸が現れてきたり、おしっこがかなり濃くなります。
⑦膵炎
急性膵炎は、みぞおち周辺にかなり鋭い痛みを伴います。
原因としては先ほどの胆石症やお酒の飲み過ぎが原因として挙げられます。
この鋭い痛みは、深呼吸や運動など肋骨の動きが大きくなるとさらに激痛となって広がります。
⑧心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓に入り込む太い動脈に血栓が詰まって血流が停止してしまう状態です。そうなると心筋が酸欠になり壊死してしまいます。
突然、みぞおちから上に激痛が走り、冷や汗が出てきて、短いと30分から長いと数時間続きます。
動脈硬化が原因の主ですが、さらに高血圧の方、糖尿病の方、肥満体型の方、ヘビースモーカーの方などは心筋梗塞の発症のリスクが高まってしまいます。
自分自身で出来ること
規則正しく飲み食いをして、大好きな嗜好品は適度に楽しむこと。
暴飲暴食、深夜過ぎに夕食、ほとんど噛まないで飲み込む、間食で甘いものを採っているなど、胃腸に負担を強いることを控えていきましょう。
胃腸への過度の負担は必ず先に挙げた諸症状の引き金になります。
理想は食事と食事の間を12時間空けることを心がけてみましょう。
夜が遅かった場合は、朝食を抜いても構いません。
そうすることで胃腸に休息する時間を与えられるのです。
時には1日断食も必要かもしれません。
私達の身体は1日何も飲み食いしなくても簡単には死ぬことはありませんから。
それから、お肉や魚介類の鮮度に気を配りましょう。
鮮度が落ちると先に挙げた細菌が増殖してくる可能性が非常に高まります。
ついでにまな板や包丁も常に清潔にしておきましょう。
除菌せずに放置すると、とんでもないことになりますので。
最後に体内に潜むピロリ菌を除菌することです。
ピロリ菌は一度体内に入り込むと一生住みつく悪いやつです。
病院で検査して発見された場合は、必ずお薬を処方されますので、服用ルールを守りしっかりと除菌してください。
『身体からの訴えを見逃すな!!みぞおち近くの肋骨が痛い場合』のまとめ
みぞおちや肋骨の内側には私達の大切な臓器が入っています。
みぞおちや肋骨が痛い時は必ず専門医に診てもらいましょう。
交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けた場合は、外側に症状が強く出ますが、そんな覚えがない方がみぞおちや肋骨に痛みを感じたら、要注意です。
この記事がご自身の身体を知ること、食生活を見直すことに役立ていただければ幸いです。