みぞおちと背中が痛い場合、疑われる怖い病気とは。

最終更新日:2023/02/07

みぞおちはお腹の上の中心にある窪んだ場所です。
ここがキリキリと痛い、痛みが背中にまで伝わる、そのような症状は主に内臓の働きに異常があることが原因です。
しかし、症状によってはそれ以外の怖い病気が潜んでいることもあります。
今回はみぞおちと背中が痛い時にどのような病気が疑われるのかまとめてみました。

みぞおちと背中が痛いのはどんな感じ?

お腹が痛いだけではどんなに優れた名医でも原因を特定し、診断することはできません。どの部分がどれくらい前からどのように痛むのかを正確に先生に伝えることができるだけで、診断がより的確になります。
ですから、まずはそのことを意識して痛む場所の特定をしましょう。
次のように、痛む場所は9つに分類することが出来ます。
①おへそ周辺のお腹の真ん中
②みぞおち周辺
③右肋骨の真下
④右腰骨周辺
⑤下腹部周辺
⑥左腰骨周辺
⑦左肋骨の真下
⑧お腹全体
⑨腹と背中同時

この中のどの部分に痛みがあるのかを先生に伝えましょう。
その他に、次のような情報も大事になります。
・ずっと痛みが続くのか
・痛みが出たり引いたりするのか
・突然強い痛みが出たのか
・だんだん強くなってきたのか。
・どんより痛い
・鋭く痛い
・焼け付くように痛い
・痛む場所は同じなのか、移動しているのか
・吐血や血便が出たか
・便秘や下痢をしたか
・吐き気もしくは嘔吐したか
・何かアレルギーはあるか
・手術を受けたことはあるか
・これまでにかかった大きな病気やケガ
・現在処方されているお薬
・女性の場合、妊娠の可能性の有無
これらの情報を、最初に的確に伝えられるだけで、どんな検査を行うのが適切か絞り込みが出来るので時間も短縮できて、素早く適切な手当てを行ってもらえるでしょう。
場合によってはそのおかげで手遅れにならず命拾いできると言う可能性すらあります。

みぞおちと背中(左側)が痛い場合

それでは痛みの場所ごとに考えられる病気をまとめてみましょう。

【膵炎】
《痛む場所》みそおちから左わき腹上・背中の左~左下
《主な症状》吐き気、嘔吐、下痢、便秘
《その他の症状》軽い鈍痛から、じっとしていられないほどの激痛
 とくに油分の多い食事後や、多量にアルコールを摂取した後に発生しやすい
 痛みは、膝を曲げて腹ばいになると和らぐことがあります。

【膵臓がん】
《痛む場所》みぞおち・背中の左~左下
《主な症状》胃のあたりや背中が重苦しい
      体重の減少
      黄疸が出る
《その他の症状》体がかゆい、尿の色が濃くなったりする。
 膵臓がんから糖尿病を発症したり血糖のコントロールが急に悪くなったりすることがあ ります。

【胃炎・神経性胃炎】
《痛む場所》みぞおち・背中の左~左下
《主な症状》胃のあたりに不快感や痛みなど
      胃のむかつきや嘔吐(時には吐血)
      体がだるい、食欲不振、頭痛
《その他の症状》空腹時や夜間の胸やけ、食欲不振、食後のむかつき、胃のもたれなど

【胃潰瘍・十二指腸潰瘍】
《痛む場所》みぞおち・ 背中の左~左下
《主な症状》胃部の痛み
      出血して吐血や下血
      穿孔 
《その他の症状》前兆として腹部不快、軽い腹痛、突発的な腹痛
        吐き気、嘔吐、発熱、頻脈

【胃がん】
《痛む場所》みぞおち・背中の左~左下
《主な症状》上腹部の痛み
      漫然と続く胃の不快感
      食欲不振
      吐き気
      胸のもたれ
      黒色の便が出る胃がん
《その他の症状》頻発げっぷ、漠然とした不快感

【狭心症】
《痛む場所》みぞおちから左胸・背中の左~左下・胸からのど・左肩、左腕
《主な症状》胸の中央部の締め付け
      押しつけられているような圧迫感

【心筋梗塞】
《痛む場所》胸の前部・背中の左~左下
《主な症状》強い胸部の痛みが15分以上持続
      顔面蒼白
      冷や汗
      除脈
      血圧の低下

みぞおちと背中(真ん中)が痛い場合

【胸椎前方変位】
《痛む場所》みぞおち、胸・背中真ん中
《主な症状》胸の痛みがある(特に深呼吸をした時に激しく痛む)
      背骨を後方より押されたような圧迫感がある
      仰向けで寝られない

胸椎前方変位とは、正常であれば背中の方に緩くカープを描いている胸椎が、異常に前方へ出てしまっている状態のことです。
バレエダンサーなど、胸椎の柔軟性を必要とする趣味や仕事をもっている方に多く発症しています。
原因として、演技やダンスで上半身を後ろに極端に反らせた姿勢を多くすることや、背中のマッサージなどで乗られたり踏まれたり長時間、長期間胸椎を圧迫されたなど、胸椎を前方に反らせるような圧力が継続的にかかることなどで発症します。。

みぞおちと背中(右側)が痛い場合

【肝炎・急性肝炎】
《痛む場所》みそおちの右・背中の右
《主な症状》発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐、黄疸

肝炎は大きく三つに分類できます。
突発的一過性の急性肝炎、半年以上症状が治まらない慢性肝炎、1週間ほどで死に至ることが多い劇症肝炎です。

【肝臓がん】
《痛む場所》みそおちの右・背中の右
《主な症状》腹部のしこり
      圧迫感
      おなかの張り
《その他の症状》食欲不振、だるさ、微熱、便秘、下痢、黄疸、尿が濃い、貧血、こむら返り、むくみ、皮下出血など

【胆石症】
《痛む場所》みぞおち・右肩から右背中
《主な症状》吐き気、嘔吐、黄疸、尿が濃い、白い便
《その他の症状》上腹部の違和感や腹部膨満感

【胆のう炎】
《痛む場所》みぞおち・肋骨の下・右肩や背中
《主な症状》発作的な痛みが激しく長い
      腰痛
      高熱、吐き気、嘔吐、黄疸

【胆のうがん・胆管がん】
《痛む場所》みぞおち・背中の右
《主な症状》黄疸
      右上腹部にしこり
《その他の症状》全身倦怠感、腹痛、発熱、食欲不振、体重減少

みぞおちと背中が痛い時は病院で診てもらいましょう

みそおちと背中が痛い時は病院の何科で受診するのが良いのでしょうか?
安静にしていると背中の痛みが比較的治まり、日中体を動かしたり体勢を変えると強く痛む時は、筋肉や肋骨、背骨に異常がある可能性から整形外科に行きましょう。
安静にしていようが、どんな体勢をとろうが背中の痛みが変わらない場合は、内臓疾患の可能性が考えられるので、内科に行きましょう。
どっちとも言えず迷ってしまうようでしたら、まず内科を受診した方が良いでしょう。
内科系の症状の方が重い場合が多いですから。
突発的な痛みで自分でどうしようもないほど具合が悪いなら、救急車か、タクシーを呼んで救急診療をしている病院に直行しましょう。
救急にいくほどではなく、耐えられる痛みであるなら、まずはかかりつけの先生がいればそこで診てもらいましょう。
痛みを詳しく説明して、診察をお願いしましょう。
すぐに処置が必要なのか、もしくはかかりつけの先生では分野ではなく別の病院を紹介してくれると思います。
病院での治療で良くなったからと言って安心するのはまた早いです。
そもそも病気になってしまうような胃や肝臓などの臓器に負担をかける生活を送ってきてしまったことがキッカケだと気づくべきです。
これからはストレスを減らすように努めたり、暴飲暴食を止めたりアルコールの量を減らしたりと、再度辛い思いをしないためにも今までの生活習慣を変えていくようにしなければなりません。
そうしなければ、再び同じような痛みを繰り返してしまう確率は変わりませんからね。

まとめ【みぞおちと背中が痛い場合、疑われる怖い病気とは。】

今回はみぞおちと背中の痛みという症状から疑われる病気をまとめてみました。
内臓系の痛みは大したことないものから生死に関わる重病まで様々です。
なってしまったら、早期回復を目指し、回復後はご自身のカラダのことを思って生活習慣の見直しをするようにお願いしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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