ゴルフの握り方に正解はあるのでしょうか。
左手の人差し指が痛くなるのは正しく握れていないからでしょうか。
右打ちの場合、右手の小指を左手人差し指の上に乗せたり、絡めたり、並べたりする方法があります。
クラブとの唯一の接点であるグリップのやり方次第ですべてが決まってしまうといった考え方もあります。
今回は指の役割や理論など様々な視点から考えていきたいと思います。
左手と右手の人差し指の役目とは
まず始めにそれぞれの指の役割を考えてみましょう。
皆さんが当たり前のようにする動作としては、
・握る
・持つ
・指す
・押す
・触る
・弾く
などすべて指がなくては出来ないですよね。
スポーツをしていて突き指をしたり、料理をしていて切ってしまったり、ドアに挟んで打撲してしまったりしたら、困ってしまいますよね。
それでは、五本の指それぞれの役割をさらに細かく考えてみましょう。
【親指】
握る、掴むときに必ず使う最も大切な指だと思います。
他の指と連動することで先ほどの動作すべてを担っています。
手に大やけどを負って切断しなければいけなくなっても、医師は親指だけはなるべく切断せずに残すようにするほど重要な指でもあります。
【人差し指】
親指を除くと、一番繊細で器用に動かせる指です。
お箸やペンを使う時に繊細に圧をコントロールする役目があります。
その名の通り、何かを指差す時やピンポイントで押す時に使われる指です。
【中指】
押したり押さえたりするときに一番力が入る指です。
長さも一番長いので遠くに手を伸ばすときや瓶などの器の底のモノを取ろうとするときに使われる便利な指です。
【薬指】
薬指は一番使用頻度が低く不器用で汚れない指だから薬を塗るのに最適ということで薬指と名がついたらしいです。
また、右利きが割合が多いので、左手薬指が最も使用頻度の低いために、結婚指輪をはめる指に選ばれたともいわれています。
【小指】
物を握るときに離れないようにしたり、安定してブレないようにする役割があります。
小指は親指と同じく単独で動かすための様々な筋肉が存在しているほど大切な指です。
以上五本指のそれぞれの役割を考えてみました。
こう考えるとそれぞれ必要だからこそ五本指が揃っているのだなと改めて感じます。
ゴルフのおけるグリップの重要性
ゴルフにおいてボールを打つのはクラブヘッドの仕事。
そのクラブヘッドの重さをさらにスピードを上げることとボールの当たった衝撃も受け止めるのがシャフトの仕事。
ゴルフクラブに溜まった力が遠心力で解放されるスイング中にすっぽ抜けないようにするのがグリップの仕事。
こんなところでしょうか。
つまりグリップはクラブを抜けないように固定するだけで、あとはヘッドを大きく動かせれば最大限のパワーが活かせるというのがゴルフだと思います。
ゴルフクラブの開発テストなどで使われるスイングマシーンはグリップを固定する際、左手の小指をこの圧力で、右手の中指はこれくらいの圧力でと細かく設定してなど一切ありません。
単純にクラブが抜けないように均一の圧をかけて止めるだけなのです。
そう考えると、グリップの握り方もシンプルに考えられるのでゴルフが楽になりそうですよね。
それでは先ほどのそれぞれの指の役割を見返してみましょう。
親指は手を使う動作ではなくてはならない存在です。
人差し指は繊細な圧のコントロールが出来ます。
中指は押さえる力が一番強い。
薬指は最も使用頻度が低く不器用。
小指は単独で活躍するための筋肉がついていて、安定感が高い。
こうして見ると、親指と中指と小指さえあれば、ゴルフクラブはしっかりと固定出来そうな感じがしませんか。
でも薬指は不器用で役立たないから隣り合っている中指と小指と一緒に使った方が少しはマシな気がします。
そうなると人差し指だけはなくてもゴルフグリップに影響なしだと考えられますよね。
右手の人差し指がなかったらどうだろう?
良くレッスン書やゴルフ雑誌を見ていると右手の人差し指の使い方、握り方について紹介しているページを良く見かけます。
右手の人差し指を銃の引き金を引くようないわゆるトリガーグリップにした方が良いとか、力を入れすぎるとフェースの向きが安定しないとか言われています。
つまりは繊細な人差し指のサジ加減でフェースの向きが0,1°とか変わってしまい、その差が200ヤード先に行くととんでもないズレとして出てしまうから、なるべく使わないほうが良いということだと思います。
ではトリガーグリップはなぜ良いと言われるのでしょう?
それは指の筋肉の構造にあると思われます。
指の筋肉は親指以外の4本は実は同じ筋肉でつながっているのです。
それが途中で枝分かれして各指を動かしています。
小指はさらに違う筋肉がついているので単独で力を発揮しますが、残りの3本は全く同じなのです。
つまり簡単に言えば、この3本は同じ動きをするほうが楽なのです。
ということを踏まえて、ゴルフグリップをしてみましょう。
人差し指はフェースの向きに影響してしまうので使いたくないということで、真っすぐ伸ばしてみましょう。
何か変なところがつりそうになりませんか。
今度はトリガーグリップをしてみましょう。
一気に楽になりますよね。
つまり人差し指は中指と薬指と同じ動作をしたくなるので、曲がっていた方が楽なのです。
ということで、意識してトリガーの形を作るのではなく人差し指を使わないように自然に任せいった結果引き金を引く形になると思うと、グリップするのも簡単になりそうですね。
左手の人差し指がなかったらゴルフは出来ない?
今度は左手の人差し指について考えていきましょう。
左手の人差し指も右手と同じく使わなくても良いのでしょうか?
ゴルフの基本的なグリップを見てみましょう。、
①オーバーラッピング
左手人差し指はグリップして、その上に右手の小指を重ねるグリップ
右手の小指の押さえる力で自然と左手人差し指も使ってしまいそうです。
②インターロッキンググリップ
左手人差し指と右手小指を絡めるグリップ
何とか左手人差し指はトリガーの形を作れそうです。
③ベースボールグリップ(テンフィンガーグリップ)
野球のバットを握るように親指は横から挟み全部の指でガッチリと包み込むグリップ
一番強く握れるので握力のない女性には向いているかも。
このように代表的な3つの握り方があります。
オーバーラッピングが最も主流な握り方と言われていますが、様々な角度から理由を考えますと、利き手ではない左手は不器用なので、人差し指も握ってもそれほど影響がない。利き手よりも握力が弱いから人差し指の力も必要。といったことが理由として考えられます。
また、握力がない非力な女性や年配の方は全部の指を使った方がクラブが安定するのでテンフィンガーグリップは効果的なのもうなずけます。
そうすると、残りのインターロッキングは握力の強い方、普段から左手も活用していて左手人差し指が繊細にコントロールできる方、さらには左利きの右打ちゴルファーには良いということではないでしょうか。
このように考えると自分にとっての理想のグリップの仕方が見えてくるのではないでしょうか。
ゴルフ上達のヒントになれば
最後に私個人的にオススメしたいグリップをご紹介いたします。
それは『逆オーバーラッピング』グリップです。
指の役割から考えればこの握り方が一番しっくりきます。
パターのグリップ方法では結構前から主流になっていますが、ドライバーやアイアンではやっている人はほとんどいない。。。。と思っていたら、何と現在の最強ゴルファーの一人、ジョーダン・スピースがやっているではありませんか!
そうなるとこれからこの逆オーバーラッピングが主流グリップにとって代わる時代がすぐにでもやってくるかもしれません。
野球のように広角に打っても結果の出るのであればどんなに握力があっても当たり負けしないようにテンフィンガーグリップでも良いですが、ゴルフのように狙ったところに打つゴルフはフェースの向きが肝心要。
そうなると繊細に圧を変えられる指はなるべく使わずに固定するために使える指で握った方がより安定するすると思います。
グリップが緩まず固定さえできればあとはしっかりと身体の使い方をマスターすることに専念できます。
握り方で悩んでいる方は人差し指を使わないグリップも一度試してみてはいかがですか。何か上達へのキッカケが見つかるかもしれませんよ。
まとめ【ゴルフで左手人差し指はどう使うべきか。考えてみよう。】
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5本の指のそれぞれの役割からゴルフのグリップのやり方を考えてみました。
左手の人差し指をどう使うか使わないかを考えてみるのもおもしろいですよね。
グリップに決まりはありません。
自分がこれだと思ったら、誰かにとやかく言われようとやってみましょう。
自分にしか分からない感覚があります。
決まりきった当たり前の情報やレッスンで上達しない方は別の視点からゴルフを考えると前に進めるかもしれません。
ゴルフ上達のための身体の使い方について、他の記事で紹介していますのでそちらも是非参考にしてみてください。
それではまた。