左下腹部と腰の痛み。考えられる病気の兆候と対処法

最終更新日:2023/02/25

左下腹部と腰の痛み。どちらも密接な関係があり、原因が同じ可能性があります。
そんな痛みは放っておいて自然治癒に任せるのではなく、きちんと原因を特定した上で対処していきましょう。
今回は左下腹部と腰の痛みについてまとめてみました。

左下腹部と腰周辺のカラダ

お腹や腰に痛みを抱える方は当たり前のように多いですよね。
なぜなら、私達の大切な臓器が体内に収まっているからです。
お腹や腰の痛みだけで原因を特定するのは難しく、痛みの場所を絞り込むことで原因が絞り込みやすくなります。
今回は左下腹部に対象を絞ってお話を進めていきます。
お腹が痛い場所が左下の場合、大したことない場合もありますが、緊急手術を行う必要がある病気の可能性もありますので要注意です。
痛みや違和感、異変などが続くようでしたら、出来るだけ早く病院で検査するようにしてください。
単純にガスが溜まっていたり、便の水分含有率の低下、ストレスや体調不良などの場合が多いのかも知れませんが、左下腹部の痛みに耐え、不安な思いを抱えながら過ごすよりは、専門の医師に診てもらうだけでたいぶ違いますし、何よりも素人判断は危険です。
手遅れにならないためにも我慢し続けないでください。
構造上普段から便秘がちな方は、特に左下が痛くなる場合が多いです。
腸の最後の出口に近いからです。
便秘になると左下から溜まっていくからです。
便秘体質の方が、左下腹部の痛みが我慢できず救急車を呼んだら、頑固な便秘とガスが溜まっていただけということもかなり多いみたいです。
普段から便秘の方は食事改善やストレッチやエクササイズで下腹部に刺激を入れ内臓を活発に動くようにしていきましょう。

左下腹部と腰の痛みは腸の異常

ここからは、便秘ではなく左下腹部に痛みを発する病気についてまとめます。
やはり左下腹部で原因になるのは大腸ではないでしょうか。
それでは大腸の病気を挙げていきます。

【潰瘍性大腸炎】

これは食事の欧米化やストレスや過労などが起因して起こります。
免疫機能が低下して大腸の内側が炎症してしまう病気です。
便秘や下痢、血便等が起きる事が多く注意が必要です。

【急性腸炎】

これは大腸に限らず腸の炎症全てに当てはまります、様々な原因で腸に炎症が起きてしまう病気です。
ですから、痛みが左下だけとは限りません。

【憩室炎】

解剖図などで見たことがあるかと思いますが、大腸はもこもこした形状をしていて、そのもこもこの外側が異常に飛び出してしまう病気です。

【腸閉塞】

健康な方では、胃液や腸液は各種消化器官で適切に吸収されて老廃物と一緒に排出されるのが普通なのですが、腸のねじれや慢性便秘が原因ですべてが排出されずに逆流してしまう病気です。

【虚血性大腸炎】

何らかの原因で大腸への血の流れが滞ってしまい、便秘のいきみがキッカケとなって起きてしまう事の多い病気です。
大腸への血の流れが止まってしまうと最悪は壊死してしまうこともあります。
突然の腹痛と下血が特長です。

【過敏性腸症候群】

便秘型やガス型、もしくはどちらも含んだ混合型に分けられます。
他の症状とは違い、命の危険性はまずありませんが、出来るだけ原因となるストレスの緩和と食生活の改善が必要となります。

【突発性S字結腸破裂】

腸の最後はS字の形になっていて、腹腔に包まれ骨盤に守られている腸は、便秘が溜まり易いのですが、そこが裂けてしまう病気です。

【突発性S字結腸軸捻転症】

S字部分が捻れてしまう病気です。
破裂と同様緊急手術が必要になります。

【急性虫垂炎】

盲腸の突起部分が炎症し、塞がって化膿してしまう病気です。

代表的な腸に関する病気をまとめてみました。

左下腹部と腰の痛みは泌尿器や女性特有症状

女性の下腹部には大切な臓器である子宮や卵巣などの生殖器が収まっています。
大抵の女性が左下腹部に違和感を感じたり、個人差がありますが月経によっても痛みや違和感があります。
女性特有の症状をまとめます。

【子宮外妊娠】
主な症状は出血や下腹部痛です
痛みは左下腹部だけでなく右下腹部になる可能性があります。

【子宮筋腫】
症状としては、月経時の出血の増加や月経が長引く、貧血や下腹部痛、腰痛や膨満感などです。
子宮筋腫が婦人科で見つかる腫瘍の中では最も多いというデータがあります。
不妊症や流産、早産の原因になることもあるので注意が必要です。

【卵巣嚢腫茎捻転】
主な症状は急激な下腹部痛や吐き気、嘔吐などです。
この症状は胃腸系の症状と似ていて判別が難しいです。
内科と併せて婦人科でも診てもらいましょう。

【子宮内膜症】
子宮内膜が、卵巣や腹膜などの子宮外に出来てしまう病気です。
この外にできた内膜は腹腔内にとどまって、痛み、炎症、癒着を引き起こしてしまいます。

【子宮付属器炎】

原因は、細菌感染がほとんどで免疫力が低下し炎症が起こります
子宮付属器とは卵巣や卵管などのことを指します。

男性の場合は前立腺炎の可能性があります。
前立腺は、膀胱の出口で尿道を取り巻くようにあり、クルミほどの大きさです。
左下腹部だけでなく下腹全体に分布して現れることがあります。

左下腹部と腰の痛みは大腰筋

左下腹部と腰に関係する筋肉が大腰筋です。
腰椎から骨盤を通り抜けて大腿骨の内側までつながっている左右一対の筋肉です。
この筋肉は姿勢を維持するために大切な役割を持っています。
大腰筋の一番盛り上がる筋腹は左右の下腹部の奥になります。
そのため大腰筋がコリ固まってしまうと、その筋腹が盛り上がった状態で下腹部の臓器を圧迫してしまうのです。
大腰筋が使えないと腰は反りにくくなり、ネコ背、ポッコリお腹、歩くのが遅い、ちょっとした段差でもつまづいてしまうといった状態になってしまいます。
固まってしまう原因としては、ほとんど歩かない、座りっぱなしということです。
そうならないためにも大腰筋をストレッチして弾力ある柔軟な筋肉にしていきましょう。大腰筋が活躍しだすと、背すじが伸び、お腹が凹み、脚の運びが良くなり、基礎代謝が上がる。
さらには内臓が圧迫から解放され、便秘解消や生理症状も安定するといった素晴らしい効果が見込めます。
上記で挙げた病気も大腰筋の硬さから起因しているものも多いのではないでしょうか。
大腰筋のストレッチ方法はたくさんありますが、一つ簡単なものを紹介します。
足を前後に開き、前脚は膝を立て、後ろ脚は膝から足首までしっかりと遠くまで伸ばします。
座り姿勢で前に折り曲げ続けた股関節を反対方向に引き伸ばすイメージで行いましょう。30秒ほど伸ばしたら、反対の脚も同じように伸ばしてください。
とても気持ち良いと思います。
毎日続けるとカラダに変化が出てきますので、飽きずに続けてみてください。

不安になったらどこに相談?

左下腹部の痛みが出てきたら、まずは内科へ行きましょう。
内科に行くときは、きちんと症状を説明できるようにしておいてください。
痛みが出たのはいつからなのか。
痛みの度合いや細かい場所。
腰や脚など関連痛があるのか。
最後にトイレに行ったのはいつなのか。
普段から座りっぱなしではないのか。
上記のことは伝えられると原因が絞り込みやすいのではないでしょうか。
内科の先生に診てもらっても改善しない場合は、婦人科や整形外科にも診てもらいましょう。
専門的な知識や経験でしか分からないことは多いです。
原因が特定できなければ解決方法は見つかりません。
手遅れにならないためにも下腹部の検査を徹底的にしてください。
それでも結局、便秘やガスが溜まり過ぎという結果になったのであれば、ご自身の姿勢や食生活を見直すしかありません。
大腰筋をストレッチしてみたり、デトックス作用の強い玄米を一日一食食べ続けてみるといった生活習慣を取り入れてみてください。
習慣を変えるのは非常に大変ですが、2週間は頑張りましょう。
2週間欠かさず続けたら、必ず変化が訪れますからね。

まとめ【左下腹部と腰の痛み。考えられる病気の兆候と対処法】

左下腹部の痛みは関連痛として腰や他の部分にまで広がります。
単なる便秘や大腰筋の硬さが原因であれば、自分で改善することが出来ますが、病気の可能性も拭いきれません。
すべて今までやってきた生活習慣が関わっていることは間違いありません。
健康に過ごすためにも早期改善し、新しい生活習慣を手に入れましょう。
少しでもこの記事が役立てばと思っています。

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