「最近、手のひらが黄色い様な・・・。何かの病気の症状なのか?」
と不安に思っていませんか?
手が黄色くなるなんて、何となく気持ち悪くて、心配になりますよね。
皆さんは、黄疸って聞いたことがありますか?
黄疸は、血液中のビリルビンが増えて、皮膚や目が黄色くなる症状がみられます。
今回は、黄疸の症状が出る病気についてと、手のひらが黄色くなる、いくつかの原因についてお話します。
黄疸とは?症状について
黄疸の症状は、血液中のビリルビンが増加して皮膚や目が黄色くなることが有名です。
ビリルビンとは赤血球中のヘモグロビンが壊れた時に出来る黄色の色素の事で、肝臓に運ばれた後に胆汁の一部になります。
その後は内臓を経由して、最終的には便や尿と一緒に排泄されます。
つまり黄疸とは、本来なら排泄されるべきビリルビリンが、体内に過剰に残ってしまい皮膚や粘膜に張り付いてしまった状態の事を指します。
黄疸はまず、黄色の色素であるビリルビリンの増加によって起きるので、眼球の白目の部分や手の皮膚が黄色くなりますので、これが黄疸を疑う大きなきっかけになります。
更に皮膚がかゆくなったり、尿の色が濃くなったり、便が灰色になる事もあります。
あとはだるさや食欲不振、中には発熱したりする、風邪の様な症状も報告されています。
黄疸は様々な病気が原因で起こる症状ですが、大きく分けると以下の通りになります。
★溶血性貧血
★急性肝炎
★結石や腫瘍(がん)
★体質によるもの
後程詳しく説明しますが、恐ろしい病気である事は確かです。
黄疸などの他に手が黄色くなる原因は?
カロチン血症といい特に重篤な病気では無いですが、手や皮膚が黄色くなる症状があります。
これはカロチンを含む食品を多く食べた時に起こるもので、代表的なのはみかんなどのかんきつ類、かぼちゃ、ニンジンなどの緑黄色野菜、のり、マンゴーなどです。
害はありませんが、これは長くは続きませんので、もし続く様なら黄疸を疑ってください。
さてここからは黄疸を引き起こす可能性のある病気についてお話します。
まずは先ほどもお話した、ビリルビンの大量発生が原因の黄疸です。
赤血球は正常でも一定の周期で破壊されて、新しいものが作られていますが、破壊が進んでしまうとビリルビンが過剰に産生されて黄疸になります。
つまり破壊された赤血球が多すぎて、新しく作られてもそれに追いつかないと黄疸が出るという事です。
そしてビリルビンは血中のヘモグロビンが壊れた時に出る物質ですが、血中のヘモグロビンが減る事を俗に「貧血」と呼びます。
ですから貧血を起こすと、黄疸が出る可能性があります。
手など体に黄疸の症状が現れる病気は?
次は肝臓の機能が低下して起こる手の黄疸についてのお話です。
肝細胞が急激に破壊されるときにビリルビンが上昇します。
代表的な病気は急性肝炎です。
急性肝炎は、ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)が原因で起こることが多いです。
ウイルス性の中でも70%はA~C型で占められています。
感染経路としては、A型やE型は口からの感染で、ウイルスに汚染された水、食物を通じて感染します。
B、C、D型は血液、体液を介してウイルスが体内に入り込むことで感染が成立します。
潜伏期間は通常、3週間から8週間の範囲ですが、B型、C型では6か月間の潜伏期間がある場合があります。
いずれの型も黄疸の他、頭痛、だるさ、発熱など風邪に似た症状が続いたり、尿が濃い黄色になったり、白っぽい便が出たりもします。
またB、C型に関しては何の症状も出ない人もいますが、発症すると半数の人が慢性化し、肝硬変、胃がんに移行しやすいのが特徴です。
治療法としては、一過性の物が多いので基本的には自然治癒になります。
まだある!手の皮膚などに黄疸の症状が現れる病気って?
貧血やウイルス性肝炎以外にも手に黄疸が出る病気はあります。
アルコール性肝炎は大量の飲酒を続けていると、まず「脂肪肝」という病態が起こります。
肝臓がアルコールの処理を優先するために、脂肪の処理が追いつかず、脂肪が溜まった状態になるのです。
脂肪肝を経てもアルコールの摂取を続けていると、約2割の人が「アルコール性肝炎」を発症します。
すると肝臓内に慢性の炎症が起きて、肝細胞が次々に破壊されていきます。
破壊された肝細胞の修復が進まず、線維細胞が増殖すると、「アルコール性肝線維症」となります。
これがさらに悪化すると肝臓が岩の様に硬くなり、小さくなってしまう「アルコール性肝硬変」へと進行して、命を縮めることがあるのです。
また消化のために必要な胆汁は、ビリルビンを含んでいて肝臓で生成されます。
結石やがんが原因となって、胆汁の排泄路である胆道が狭くなってしまい黄疸が起こります。
皮膚のかゆみや、腹痛、便の色が灰色っぽくなるのが症状の特徴です。
黄疸を改善する為に!肝臓に悪影響を及ぼす原因を知ろう
手の黄疸の症状を防ぐためには、まず肝臓を労わらなくてはならない事が分かりました。
肝臓に悪影響を及ぼす原因を見ていきましょう。
まずは何と言ってもお酒です。
肝臓はアルコールを解毒する力がありますが、酒の大量摂取によりその機能が低下します。
意識してお酒を飲まない休肝日を作るなどして、アルコールの量をコントロールしましょう。
また肝臓は辛い物やカフェインなどの刺激物にも弱いので、余り大量に摂り過ぎるのは良くありません。
また「脂肪肝」が全ての肝炎の始まりなので、脂肪の摂り過ぎにも注意が必要です。
そして内臓脂肪は運動で減らせるという研究結果があるので、適度に体を動かすことも必要です。
更に有害物質の解毒も肝臓の働きの一つなので、たばこの吸い過ぎも良くありません。
肝臓が弱っていると感じたら禁煙も視野に入れましょう。
そして十分な睡眠を取ってください。
睡眠中は肝臓に充分な血液が行き渡ることから、傷ついた肝細胞を修復するためにも役立ちます。
黄疸による不快な症状を和らげる為に、肝機能を高める栄養素を摂ろう
手の黄疸の症状を抑える為に、肝機能を高める必要があるとお話してきました。
最後は日々の食事によって肝臓をケアしていくお話です。
まずは肝臓を働かせるガソリン的役割を担うのがビタミンです。
主に「抗酸化ビタミン」と呼ばれるビタミンA、C、Eなどが必要です。
肝臓は大変に多くの働きをこなす為、大量の酸素を必要とします。
酸素を使った時に出るゴミの様なものを活性酸素と呼びますが、これが体を錆びさせる物質として体内を巡ります。
この活性酸素を除去してくれるのが抗酸化ビタミンという訳です。
ビタミンAはレバー、うなぎやイカ、たまごやバターなどの乳製品にも多く含まれます。
ビタミンCは有名なレモンに、ブロッコリーやかぼちゃなどの緑黄色野菜、めんたいこ、
ビタミンEは主に魚卵に多く含まれています。
また代謝や解毒を促す効果のある、亜鉛やセレンなどのミネラルも肝臓には必要です。
カキやうなぎ、レバーにも多く含まれています。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ機能が低下し弱っていても症状が表面化せず、症状が出てきた時には重篤な状態になっている事が多いです。
それだけに日々の生活の中でしっかりと労わるのが、大変重要なのですね。
黄疸が出たらすぐに病院を受診しましょう
いかがでしたか。
黄疸が出る原因には、様々な怖い病気が隠れていることが、お分かりいただけたかと思います。
特に肝機能の低下が原因の場合は、手遅れになってしまわないように、一刻も早く医療機関を受診して、検査や治療をしてもらうようにしましょう。